仙台市太白区の名の由来は勿論「太白山」。標高321mと高くはないが、新幹線からもはっきりと見える三角形の特徴のある山だ。実は今年3月16日の地震で、頂上付近の崩落が激しく危険なので登山禁止となっている。そもそもグループわらじの行事計画は、毎年「成人の日」にその年の4月から翌年3月まで立案している。直後に登れなくなってしまった。
行先を変える案も出たが、仙台市営地下鉄東西線八木山動物公園駅から太白山麓を経て茂庭台団地まで歩くという骨格を変えずに、途中鈎取山治山の森や太白山麓自然観察の森の探索路を歩いて約14キロのコースを設定した。
八木山動物公園駅は地下3階のレール標高が136.4mと日本一高かった。現在は神戸市の北神急行電鉄北神線が神戸市営地下鉄に移管されたことに伴い同線の谷上駅が標高244mで日本一となったが、谷上駅が地上駅であるため、仙台市交通局では「(地下鉄として)地下にある駅としては日本一」と称している。(Wikipediaによる)
その八木山動物公園駅の地上面(標高約150m?)からスタートなので、山歩きと言っても最初は下り!日赤病院の西側から八木山南団地へ入り、治山の森の金剛沢入口で最初の休憩。すぐ側に、支流の源頭となる湧水がある。
この湧水が流れた跡は茶色い鉄の色が付いており、別の雨水の流れの透明とは明らかに異なる。また地層には亜炭層が見え、この辺の地質を良く表している。この流れは金剛沢から後田川と名前を変えて笊川に合流し、名取川に注いでいる。ここより一つ動物園に近い金洗沢もやはり鉄さび色の沢だが、木流し堀経由で広瀬川に注いでいる。この辺は地滑り地帯だったが、多数の水抜きトンネルを掘って排水し、山には植林を施し、やっと落ち着いている。ここが治山の森と呼ばれる所以だ。
ここから金剛沢を越えてアカマツ線を歩き、鉢森山の紙漉尾根を越える。水道局配水所(別名おっぱい山)がある所だ。ちょっと紅葉が始まり森の感じはとても良い。
歓声の聞こえる東北工大のグランドの手前から園地線に入る。気持ちの良い下りの遊歩道だ。気が付くと両側の杉の根っこ、地上50cm位が悉く食い荒らされている。何かの獣害だろうか。治山の森全体だが、ちょっと湿った柔らかい土も悉くイノシシがミミズを漁った跡がある。一ノ沢に着き、四阿で一休み。
この後、ヤマドリ線を経て太白団地方向へ行く予定だったが、下見の時に2つの橋の内、一つが渡れなくなっていた。一つは修理済みだが、予算が無くて2つを一回には修繕できなかった模様(地元に住む会員の話)。仕方なく、配水管わきのとても急なコンクリートの階段を上り下りして、この大仏峯を越える事とした。手すりをつかむ様に軍手を必携品としてゆっくり歩いた。参加者への事前の連絡が奏功して全員無事に越える事ができた!階段を下りきって沢(立沢)に出れば、東北道の下だ。(以上、尾根と沢の名は「青葉山・八木山フットパスガイドブックと同マップ」を参照した)
東北道をくぐれば、仙台市太白山自然観察の森の入り口で、すぐに自然観察センターへ。ここではトイレも利用できるので四阿の下や芝生の上で昼食とした。時間に余裕があり、笊川の上流探検に出かけたメンバーも。
食事後は、やすらぎの道を太白山方向へ。良く整備されたネイチャートレイルだ。階段や滑りやすい泥岩もあったが、ゆっくりと慎重にこなす。
途中より「太白の道」に合流し、自然観察の森から太白山域へ。
生出森八幡神社の参道に出たら、右の中宮へ上る(石段は危険なため、脇の坂道を上った)。神楽殿は残っているが、お宮と石垣は、2011年の東日本大震災で崩れたものが、今年の地震で更に壊滅的になった模様。ここから上は進入禁止だ。頂上の貴船神社はどうなっているのだろうか?(左の写真は今日の通行止め標識、右は中宮)
参道を下りて、車道に出る。神社の石鳥居の上の横渡が落ちてしまった様だ。記念写真を撮って、最後の休憩。
あとは林道を歩いて終点の団地へ。人来田太白山線から佐保山線を歩いて県道31号線に出る。東北道仙台宮城ICと仙台南ICを結ぶ裏道で交通量が多い。長い信号待ちをして横断、茂庭台団地に入る。途中、西風蕃山から萱ヶ崎山、立石(産)山神社を経て下りてくる道と合流した(石碑群がある所)。2020年12月に陸前落合駅から歩いて来た道だ。そのまま団地の周回道路を歩いて、茂庭台中央(スーパーヤマザワ前)へ。
参加者28人全員が13.7Kmのコースを無事にゴール!東北線長町駅行きの宮交バスの時間がすぐだったので、慌ただしくミーティングをして解散とした。
太白山には登れなかったが、なかなか充実した歩きだった、と感じたのは自分だけか!?仙台では地下鉄の駅から直接山登りできる所は少ないので、貴重なルートだと思う。皆様も是非トライして下さい!
参考サイト:
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