ジョークカフェ!開心笑話!

中国笑話の翻訳を中心に落語やなぞなぞ、時々日記を書いています。ジョークをネタに一休みできるサイトを目指します!

一年前のブログ(丁聡の「古代中国幽黙」)

2014-10-30 | 丁聡の古代中国幽黙

「眠い」2013-10-30

 昔、中国の華亭という地方の役人が、その土地の名士に会うために出かけた。客間で待っていたが、主人がなかなか出てこないので、椅子に坐ったまま眠ってしまった。ほどなく主人は出てきたが、客が椅子で眠っているのを見て、起こすに忍びず、自分もまた向かい側の椅子に坐って寝てしまった。

 まもなく、今度は役人が眼を覚ましたが、向かい側に主人が熟睡しているのを見て、また眠ってしまう。それから、主人が眼を覚ますと、客がまだ眠っているのを見て、また寝てしまう。

 役人が眼を覚ませば、主人が寝ているので自分も寝てしまう、主人が目を覚ませば、役人が寝ているので、自分も寝てしまうという具合で、とうとう、日が暮れてしまった。

 そして、役人は眼を覚ましたとき、相変わらず眠っている主人を見て、そっと家を出た。主人も目を覚まし、客がいないのを見て、そのまま部屋に戻ってしまった。

 

「のろのろ歩き」2013-10-28

 雨が降っているのにゆっくり歩いている男がいた。他の人がどうしてそんなにのろのろと歩いているのかと尋ねたら、その男は「前にも雨があるから」と答えた。

 

「仙人の指」2014-10-27

 一人の仙人が人間界にやってきて、指先で触れるだけで石を金に変えて、人の心を試した。もし貪欲でない人を見つけたら、その人を仙人にしようと思ったのだ。しかし、そんな人はどこにもいない。大きな石を指で触れて金に変えても、小さいと不満と言う。

 だが、最後に出会った男は違った。仙人が石を指差して言った。

 「この石に触り金に変えてお前にあげよう!」

 その男は、首を振っていらないという。仙人は石の小さいのが不満なのだと思って、さらに大きい石を指差して言った。

 「この大きな石に触り金に変えてお前にあげよう!」

 だが、その男はまたまた首を振って要らないという。仙人はこの人こそ金に執着しない、得がたい人物だと思って、さらに尋ねてみた。

 「おまえは小さい金も大きい金もみな要らないというが、一体何が欲しいのかね?」

 その男は手を伸ばして言った。

 「わたしが欲しいのは他でもありません。ただ石に触れるだけで金に変えてしまうその指が欲しいのです。わたしの指に、その能力を移してください。そうすれば、わたしはいろいろなものに触って金にできます。数え切れない富が手に入れられます。」

 

「食いしん坊」2013-10-24

 ある人が道でサトウキビを拾って、咬んでみたが、味が全くないので、罵って言った。「どこの食いしん坊だ。こんなになるまで吸いやがって!」 《丁聪“古代中国幽默”》

 

「新調の服」2013-10-19

 ある人が新しいシルクの服を着て出かけた。人が気付くよう肩をいからして歩いていた。しばらくして、付き人の童子に、「誰か見ているか?」と尋ねたら、童子が「誰もおりません」と言う。それで、男はいからせていた肩の力を抜いて言った。 「誰もいないのなら、一休みしよう!」

 

「自称外科医」2013-10-18

 昔、自称外科専門の医者がいた。

 ある時、一人の兵士が背中に矢を射られて陣地に帰ってきた。痛くてたまらないので、この外科の医者に来てもらった。

 この医者は慌てず騒がず、よく切れるということで有名な並州のバサミを手に持ち、「カシャ」と、矢の外に出ている部分を切り取った。そして、「終わったよ」と言った。

 兵士が尋ねた。

 「矢はまだ肉に食い込んでいるんだけど」

 医者は首を振って言った。「それは内科の仕事だよ。外科の手術はもう終わったよ。」


最新の画像もっと見る

コメントを投稿