中国の戸県という所に物忘れのひどい男がいた。斧を持って田に柴を刈りに出かけた。妻も一緒についてきた。田に着いたとき、急に便意を催したので、斧を地面に置いて、そのすぐ傍で大便を済ませた。
そして、すぐそばにある斧を見て、「斧を見つけたぞ!」と、飛び上がって喜んだのだが、大便の上に着地してしまった。そして言うには、「誰かがここで大便をして、斧を忘れていったのに違いない。」
妻は彼のひどい忘れっぷりに呆れて言った。「さっきあんたが柴を刈ろうとした時、大便がするために、斧をそこに置いたんじゃないか、どうしてそんなにすぐ忘れちゃうのかね?」
男は妻の顔をじっと見て言った。「奥さん、お名前は?どこかでお目にかかったことがありますか?」
《丁聪「古代中国幽默」》
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