楊郎中(ようろうじゅう)という人の妻、趙氏(ちょうし)は、大変嫉妬深(しっとぶか)かった。
ある日、楊郎中が『詩経』にある周南の数編を何度も繰り返して朗読していた。
「皇后は、枝が曲がり垂れ下がった木のように、下の者に親切にし、決して嫉妬することはない」
「嫉妬しなければ男女関係はさらによくなり、子孫は繁栄する」
すると、これを聞いた彼の妻が尋ねた。
「どういう本に書いてあるの?」
「『詩経』という書物だよ、」
「だれが書いたの?」
「周公だ。」
「なるほど周公が書いたのね。でも、周公の妻だったら、断じてそんなことは言わなかったでしょうね。」
《丁聡『古代中国笑話』33》
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