仲間と白鳥を見に行った。毎年行く相手はいつも違う人たちだけど、今回はこの冬になって初めての見物だった。
白鳥のことばは何度訪ねてもわからない。おそらく彼らには彼ら特有のことばらしきものがあるのだろうけれど、ガアガア声を何回聞いてもその感情さえ見当つかずにいる。
夕暮れの湖。朝遊びに出た彼らは、次々にここへ帰ってくる。二三羽だったり、五六羽だったり。よくもまあそんなにきれいに着水できるものだと、しばしうっとりとその姿に見とれる。
もう白鳥たちもそろそろシベリアに帰る頃。無事にその地にたどり着くことを祈った。
そして私もこの冬最後となる白鳥の姿にサヨナラを言った。
「つれづれ(92)白鳥の湖に行きました」