「夜間中学校と教育を語る会」公式ブログ

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大田 堯先生(東京大学名誉教授)の意見書

2012年02月29日 18時42分26秒 | 日記
大田 堯先生より、下記のような意見書をいただきました。
ご紹介します。

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 私は、「公立小・中学校日本語学級設置要綱」(改正)の夜間中学の実情を踏まえた運用を求め、以下意見を述べます。

 私は、現在の日本の学校体系を『超特急新幹線』とするなら、夜間中学を各駅停車の『鈍行列車』と例えてきました。
 だれに強制されるのでもなく、自分の内なる必要性によってこの場を選び、一人ひとりが自分のペースで学ぶことが保障され、そこに自ずと学ぶ人と人との輪が生まれ、広場のような空間が開かれているところが夜間中学であろうと思います。
 東京の夜間中学にある日本語学級も例外ではありません。

 国には無い「日本語学級」という施策を東京都がとっていることは首都に相応しく先進的です。今回その要綱に、夜間中学も位置づけられました。
 しかし、その改正と施行があまりにも急であること、また在籍期間を1年間を限度とする等これまでの教育実践が保障されなくなる恐れがあることで、夜間中学とその周囲の人々に今、大きな不安と困惑を与えています。

 先進的な都の施策が、夜間中学の日本語学級の実情を十分にふまえた血の通った温かいものとして運用されてこそ、実効を伴ったすばらしい内容になるでしょう。

 すべての基本的人権の核である「学習権」の保障の場である夜間中学を、これからも行政や多くの人々と共に力を合わせて支え励ましていきたいと考えます。

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