実は今回の「つ」3冊のうち、『つきのオペラ』は2月に借りたものなのでそれから4か月も経ってから他の2冊を借りてきました。
つきのオペラ ジャック・プレベール 作 ジャクリーヌ・デュエム 絵 内藤 濯 訳 至光社
自分が持っている『月の本』(林完次 写真、光琳社出版)という本に紹介されていたので読んでみたくなり、閉架をリクエストしたもの。それが2月でした。
サイズは小さい絵本ですが、ストーリーは長め。
サッと読んでしまうのでなくじっくり読むと良さがわかる感じ。大人向けかもしれない。
何と言っても訳者が、『星の王子様』の内藤濯さん。
絵も優しい雰囲気です。
パパにもママにもあったことがなく、さびしそうな顔の男の子ミシェル・モラン。
彼にとって、お月さまは大切な友達。お月さまのことを語る時は彼はにこにこと嬉しそう。
彼が語る月のオペラ、そしてお月さまのひとたち。。。単に孤独な少年ミシェルの、それは空想にすぎないなどと、誰が言えるでしょう。
ミシェル・モランのうた(原題Chanson dans la lune)として楽譜が載っている曲は、検索してみたところフランス語のものが一つヒットしました。聞いてみたらかわいらしい感じの曲です。
壺の中 安野雅一郎 作 安野光雅 絵 童話屋
安野雅一郎さんは安野光雅さんの息子さん。
デルフトを思わせる白地に青が美しい壺。その壺の中の水が広い海だという出だしでワクワクしてきますが、その海に島が1つあって、その1つの島に国が2つあって、その2つの国にそれぞれ3つの山があって。。。と次々と数字が増えていきます。
そう、この絵本は数学の絵本なのでした。
最後には、気も遠くなるような大きな数字になり。。。
私は数学はとんとダメだけれど、「一光年」という宇宙の単位、たった一光年でもものすごい距離なのに、アンドロメダ銀河までの距離が250万光年だというのを考えると、もうはてしないスケールすぎて、あらためて地球や自分のちっぽけさを感じてしまいます。
つちたち ミロコマチコ 学研教育出版
ミロコマチコさんの絵には本当にパワーがある。エネルギーがある。
土というはっきりした形のないものでもミロコマチコさんが描くとたちまち活力あふれた生き物になります。
土は良いねえ。私は土のないところ(都会)には住めないです。
絵はもちろん魅力的ですが、この作品は、「おはよう」で始まって「おはよう」で終わるのも気持ち良い。
土、そして太陽というのはまさに「命」なのです。
次は「て」の3冊です。