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源義経黄金伝説■第68回★

2014年09月19日 | 源義経黄金伝説
 鎌倉の街の背後にそびえる大倉山山腹に、びょうと風がふいている。  鎌倉の周り北東西三方に山山がとりまき、南は海に開いている。鎌倉は自然 の要塞であった。大倉山山頂から頼朝が作りあがた要塞都市の姿がよく見え る。文覚はだれにも手出しできぬように、この決闘場を選んでいた。  伊豆からの春嵐がふきすさぶ山頂に鬼が二匹。 「鬼一、今度が最後の勝負ぞ。いずれにしろ、お主らが丹毒で、頼朝様、もっ ても7日だ。お主らを倒しておかねばのう。この鎌倉幕府が持たぬわい」 鬼一も構えている。 「おおよ、その勝負、受けたぞ、文覚。俺も京都一条の鬼一法眼。あとくされ ない勝負だ。これで引き下がったとあっては、俺の名折れよ」 二人の体に、伊豆からくる少し早い春風が、吹き巻いている。 人の気配のない大蔵山の山頂に、二人とも八角棒を手にして微動だにしない。 . . . 本文を読む