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遙かなる絆-ランナー第8回 ●ロードランナーのヘルムは、運命に従いムーンウェイを、マコトを背に 走り始める。まだ未踏の長さ月へ。テロリストハンターサムナー は、ロケットを発見する。

2021年03月26日 | 遙かなる絆-ランナー
RUN遙かなる絆-ランナー●話は地球と月を結ぶ「ムーンウェイ」から始まる。ヘルムは、連邦軍「サイボーグ公社」ロードランナー。マコトは超能力者。2人は月で人類外の野望を砕く、新世界の人類の出現が始まる。
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遙かなる絆-ランナー第8回 ●ロードランナーのヘルムは、運命に従いムーンウェイを、マコトを背に 走り始める。まだ未踏の長さ月へ。テロリストハンターサムナー は、ロケットを発見する。
 

遙かなる絆-ランナー第8回 ●

地球防衛機構(EDO)シリーズ

作 飛鳥京香(C)●http://www.yamada-kikaku.com/ yamadakikaku2009ーyoutube

飛鳥京香・山田企画事務所

 

 「俺が選ばれたランナーだって! 二十万キロを走る。何て莫迦なことを。俺はシャトルトレインの中で夢でも見ているのか?」ヘルムは叫ぶ。

 

 「夢ではない。現実だ。ヘルム。お前が土星環戦役で生き残れたのも、私の助けがあったからだ」

 

 「俺が生き残れだのは、お前のおかげだと」

 

 ヘルムは顛の中の声に話しかけていた。

 

 「それなら、なぜサイボーグの体になったのだ。普通の体で、無傷でもよか、たのじゃないか。なぜなんだ。それに何者だ、お前は」

 

 「私のことはどうでもいい。それより、ヘルム、お前のことを考えろ。お前は、サイボーグとなり、口-ドランナーとなった。それで有名人の仲間入りかできたのだぞ。普通人のお前など、だれが見向きする。あのままでは下級市民のままだ。今頃は地下労働者として暮らしているに違いない」

 

 ヘルムは考えていた。

 

確かに今の名声が得られたのは、彼がサイボーグだからだ。

 

人間では不可能だ。

 

ヘルム=リッカート、下級市民。

 

そうだ、もう未来は見えていたのだ。あの時点で。

 

「ヘルムさん、大丈夫かい」

 

 今度は別の声が聞こえてきた。子供の声だ。

 

「誰だ」

 

「あなたの目の前にいるよ。マニ導師が話されただろう。僕がマコトだよ」

 

 「マニ導師とは何者だ。えっ、あのまさか、しかし、彼は死んだはずだ」

 

 「それは違う。彼の体は滅んだ。けれども彼の霊魂は存在している。ヘルムさん、先刻、マニ導師が話されたように、僕を月まで辿れていってほしいんだ」

 

「が、助けを呼んだ方が早くはないか」

 

「誰が助けてくれるの」

 

「そりゃ、シャトル公社か誰かだ」

 

「だめだよ」

 

「なぜだ」

 

「すでに、僕達は、死の天使のテロリストとして手配されているだろうよ」

 

「何だって、。死の天使のテロリスト。なぜそんな事になるんだ」

 

「恐らく私がマニ導師の遺志をついだ人間だということは,EDO、地球防衛機構に知られているはずだ。しかもシャトルが爆破し、ここに、生き残っているのが私とあなたの二人だけだとすれば、なおのことEDOは考えるに違いないんだ」

 

「そんな無茶な話があるか」

 

「そう、導師が仕組まれたはずです。我々はこのムーン=ウェイを走り抜けるより他に方法はないんだ」

 

 「走り切るといっても、確か二十万キロといっていたな。俺のエネルギーが最後まで持つかどうか。それが問題だ」

 

 

テロリストハンターのサムナーは作業・ステーションに準備された作業用ポッドを操縦し、次の作業ステーションヘ辿り着いていた。

 

彼はそこでようやく足の長い作業用小型ロケットを見つけた。それて事故現場へ飛ぼうとする。

 

今、地球は争乱状態に陥っている。

 

地下に潜んでいた。死の天使の活動家運か、一斉に勤きはじめたのだ。あらゆる交通機関は停止状態にあった。

 

EDOもサムナーの方に助けを出すわけにはいかない。

 

ムーン=ウェイで現在動いているのは定期点検をする作業用ロボットだけである。

 

 

  ヘルムはマコトを背負って、ムーン=ウェイの一つのユニットを走り抜けていた。

 

 目の前には無限に続ぐ、ムーン=ウェイの通路がよごたわっている。

 

が、まわりの光景などまったく目にはいらない。彼の走る速度では目の前の一点しか見えてはいない。

 

たった一人の戦いであった。

 

競走相手はいない。

 

しかも、外は宇宙空間なのだ。着地している下は虚空なのである。

 

真空てあり、音も存在しない。

 

地上なら、、彼の走ったあとには恐るべき音と衝撃波がおこっているはずなのだ。

 

 ヘルムは、自分の体が絶好調なのを喜んでいた。

 

この調子でいけば、簡単に二十万キロを走破できるかもしれない?

 

こればサイボーグ・ロードゲームが始まって以来の快挙!となる。

 

「ヘルムさん、次のユニットには空気が充満されている。その宇宙服を脱ぎすててもいいよ」

 

「ということはすぐ前に妨備壁がおりているということだな」

 

「あ、停まる必要はない。妨面壁に激突する瞬間に、僕がテレポートする」

 

 この時、まさに、 ヘルムの足は、天かける足であった。

 

そして、伝説の始まりでもあった。

 

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

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