ロボサムライ駆ける■第47回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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■第六章 古代都市(1-2)
「主水殿、どうぞ、こちらへ。狭きところなれど」
山本が廊下を案内して進んでいる。
「これは…、これは…」
ロボサムライ早乙女主水は驚いている。
反乱ロボットの本部であった。
地下道のはずれの巧妙に隠されている。
内部では二十人くらいのロボットが忙しく立ち働いていた。通信設備が完備している。
「申し訳ございません。我々の本部を探ろうと、西日本都市連合は『イヤーバード』なる聴音飛行機を飛ばしております。それゆえ、我々は地下に潜らざるを得ませんでした」
「いやいや、なかなか立派な。よく短期間でここまで」
「いや、これも怪我の功名でござる。この知恵めがこの空洞を見つけたのでござる」
知恵が頭を掻いていた。
「いやねえー、俺がさあ、いろは組にいたとき、特に地下坑道で頭から逃げようと思ったときに、この空洞を見つけたのさー」
「この知恵めは、この空洞で一週間も粘っておったようです」
「そりゃそうさー。逃亡ロボットの追及は激しいからね。鞭で打たれるくらいじゃ済まないさ。特にいろは組はねー」
知恵は頭を掻き掻き、褒められてことに対して恥じらっていた。
◆
サイ魚法師は、大阪湾でロセンデールの空母ライオンを、サイ魚で沈めた後、ひたすら逃げることばかり考えていた。
反乱ロボットが機械城に向かったおり、主水とはわかれていた。
機械城の爆発も潜水艦船上で見ていた。
現在どうなっているのか、まったくわかっていない。
ロセンデールから復讐されないためである。
が、大阪湾海流が、法師の思うとおりには流れていない。
「法師殿、潜水艦が不思議な方向に引っ張られております。何か水流が変化しております」
乗組員がサイ魚法師に呼びかけた。
「どちらの方向へじゃ」
「それが、陸地へと思われます」
「何ごとかあらん」
モニターに、地下に大きな空洞が穿たれているのが見える。
これは先刻まではなかったのだ。
「どうやら、海水が、地下の空洞に吸い寄せられているようです」
サイ魚法師はしばらく腕組みをして考えていた。
「地下空洞への道に、水路がないか検索してみろ」
「わずかながら、可能性があるようです」
「が、まてよ。ひっとして、
これは主水たちが地下都市を発見したのかもしれんのう。よし、その空洞への水流に乗るのじゃ」
「どこへまいるのでしょ」
「いわずとしれておる。古代都市にある、
古代大和湖じゃ。奴らが大和湖を発見したに相違ない」
法師はほくそ笑んだ。
古代大和湖は大昔、琵琶湖が発生する以前に、近畿地方にあったと言われている。
「これはまた一戦あるかもしれん。さらに古代の宝物が見つかるかもしれんのう。おもしろいことになったわ」
法師は独りごちた。
(続く)
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