ガーディアンルポ02「人間樹の星」第7回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yama-kikaku.com/GRガーディアンルポ02
ガーディアンの1人、ヘルムの乗ったロケットは古い代物だ。ナーダ77の引力圏を出てすぐにエンジンがストップした。恐らく地獄船もこれが罠だとは思うまい。ともかくもひどいロケットなのだ。
地獄船のバル船長は、生命体の存在に気づき、拾っていくつもりになった。マニュピュ
レーターを操作し、ひどく老朽化した船を船のドッグ内にに収容Lだ。
バル船長は地球往時の海賊船長の姿をしている。顎ひげをはやし、眼帯を士けている。宇宙パトロールと交戦した時の傷らしい。他の船員も似たりよったりの格好だ。腰には、接近戦に大きな力を持つレイーサーベルを装着している。
メディカル・システムでヘルムの体を調へた、バル船長はほくそえんだ。
「こいつは拾いものだぞ。種入間にぴったりた。これでまた儲けが増えるってもんさ」
ヘルムはまったく今はロがきけない。あの薬のおかげた。センサーで体の各部を詳細にチェプタされ加工室へと運ぱれた。
加工室には種入聞か1体ずつ生体チューフに入れられ保存されている。ヘルムも詰めこまれる。大昔の地球の奴隷船よりひどい扱いた。彼は商品にすぎないの
バル船長は伺年か前は、彼らも正規の貿易商船員たったろう。しかし多発する恒星間戦争か、<生の何かを打ちこわした。一價千金を夢みる者にとって入間の休の売買ほど、儲かるも応はないのだ。戦争はサイボーグを数多く生み、また体の各部の需要も増大ざせた。
特にナーダ77の人間樹から生みだされる亜人類は戦士として星からの多望が強い。地獄船は種人間を売り、亜人類を買って帰るのだ
バル船長の地獄船かナーダー77に着陸した。そこは空港と呼ぶにはいささか寂しい感じたが、必要最小限の設備はそろっている。
メモリー・マン、シータがバル船長を迎えに来ていた。
「バル船長、ひさしぶりだね」
「3ヵ月ぶりだね」
「どうだいヽ景気の方は? モーダ地区でかなり大きな戦争があるって聞いているよ。戦
士がかなり入り用だろうね」
「いや、いや。俺はあそこまで行っていない。この船じゃ無理さ」
「そうかな。しこたま儲けたという話を聞いている」
「その話は聞き違いじゃないか。かっと、失礼、あんたはメモリー・マンだな。嘘はつけ
ないなー」
やがてバル船長達はエアカーで人間樹園での収穫の様子を見に行く事になった。
シータの方は残って地獄船が運んできた種人間を一体ずつチェックすることになった。
フイルター区分をし、それをすべて自身のデータバンタに記憶するためだ。
ヘルムは、三脚の補助足に支えられた入間が近づいてくるのを見た。どうやらチューブ
の種人間を端から一つ一つ調べているようだ。彼がスキャツグの言っていたメモリー・マ
ンらしい。
ようやく、シータがヘルムの前にやってきた。地獄船のマニュピュレーターにつかまえ
られた折、ヘルムは奥歯にしこんでいた強化剤を飲みこんだ。この薬がきき始めている。
チューブが持ち上げられ、シータの手が近づいてくる。
一瞬、シータが何か起こったのかわからなかった。気がつくと、シータは種人間に首を
がっちりとつかまえられていた。恐るべき膂力だ。おまけにすばやく彼の腰から抜き取ら
れたレイ・ガンが頭部に当てられている。ガードしていた有翼人も手のだしようかない。
「お前は何者だ」
苦しい息の下からシータが反逆者に尋ねた。
『誰でもいい、お前に聞きたい事がある』
ガーディアンルポ02「人間樹の星」第7回
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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