日本人の日序章 第5回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
「いいか、日本人め、お前は容疑者なんだぞ」
やせた方の警官がいう。
「何を言ってるんだ。中にいるジュン、バルボア研究所の博士の娘ジュンは僕の恋人だったんだぞ」
「うそよ、彼女はこの日本人の事をいやかっていたわ」ミス=グリ
ーンはアサガを攻撃する。
ミス=グリーンが泣き叫んでいた。
「今日も、何かもめていたようだったわ、部屋から出てきた時、ま
っ青な顔をしていたもの」
「違う。僕はバルボア博士から大変な事を聞いただけだ」このミス
=グリーンは何をいいだすんだ。
「ほう、どんな大変な事かね」
「そ、それは」
「OK、とにかく、署に来てくれ、それからだ」
ケンは急に怒りがこみあげてきた。近づいてきた、やせた方の警
官に足払いをかけていた。
「こいつ何をする。さからうつもりか」
電撃ショックがケンのみぞおちにはいる。太った方の電撃銃だ。
ケンは意識を失なった。
「いやはや、手をやかせるジャップだぜ」やせた警官が言う。
その時、バルボア研究所は焼き崩れていた。
カリフォルニアの第54分署の前にワゴンが止まる。サイドにはI
NSとプリントされている。INSイコールインフォメーションネットワークサー
ビスである。USAの国策組織の1つだ。
車から、金髪、碧眼のヤッピー風スーツをきちっと決めた男と、
情報サイボーグが降りてきた。情報サイボーグの頭の上には金色の
リングが浮んでいた。このリングは地球上空のサテライトから命令
を受ける受信器だった。
が、その金色のリングが、天使のリングを想わせるところから、
人々は情報サイボーグを「ヘブンズ」と呼んだ。天国に限りなく近い奴
らである。
「ここが、ケンリアサガが収容されている第54分暑です」
ヘブンズのファットが言った。
彼は黒いサングラスをかけている。
彼の眼は情報アイとなり、人々の心を見通すことができるのだ。
ドアを開く。第54分暑のやせた警官が言った。
「お前らは何者だ」
男はINS光輝くバッチを警官の前に掲げる。
男は偉高々に、警官に言った。
「いいか、我々はINSのものだ。バルボア研究所の爆
発犯人としてケンアサガをもらい受けにきた」
警官助手のフランが叫んでいた。やせた男の方だ。
「クレイモア保安官、奴らの思い通りにさせておいていいのですか」
第54分暑の大男の警官クレイモアはにかにがしい顔をしてフランに言った。
「しかたがあるまい、フラン、奴らは大統領直轄組織のバフジをもらってい
るんだ」
「大統領のバ。ジですって」フランは驚く。
「悪く思うなよ、フランとやら」
「くそっ、情報マフィアめ」
警官助手のフランは思わず口ばしっていた。
「いいから、フラン、彼らにケン=アサガを渡してやれ」
「しかし、まだ気を失なっていますが」
「それでもけっこうだ、私達が世話をしよう」
INSヘブンズのファットが言った。
第5回日本人の日序章 第5回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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(ご注意 まだインターネットと携帯電話が普及する前の作品です。)