宇宙から還りし王(山稜王改題)第30回■
(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
ケインの意識は瞬時、現在の山上宮殿へと戻る。
「ケインよ。君は『地球意志』と戦え、君は独立した人格なのだ。
そしてこの世をハーモナイザーによって統一しよう」
しかし、ケインの意識は過去に戻り、地球に向っている宇宙船ア
ンバサダー号へとまい戻る。
ネイサンはコフィンの中で一人眠っている。
『ネイサン』
ネイサンの意識の中で叫ぶものがある。
「誰だ、私を呼ぶのは」
『私よ、マーガレットよ』意識と意識の会話だった。
『マーガレットだって、君はホールの中で消滅したはずだ』
「ええそう。でも、私の意識の一郎この船に残留思念となり残って
いるわ」
『君はハーモナイザーに同化しなかったのか』
「ほほ、ハーモナイザーに同化ですって、ネイサン、あなたはハー
モナイザーで、地球を汚すつもり」
『地球を汚すだって、地球を浄化するのだ』
「ネイサン、あなたには死んでもらう」
「何だって」
『あなたをそのまゆから羽化させないわ。あなたがそのまゆから出
れば、地球を滅ぼすかもしれない」
「マーガレット、君は船のどこにいるんだ」
『さあ、どこでしょう。あなたの意識で探してごらんなさい。とに
かく私はあなたを地球へ行かせない」
ネイサンとマーガレットとの意識同志による10年に渡る戦いの始
まりだった。
「ゼノウ将軍」アゴルフォスは急に、ケインに向かってどなってい
た。現実の山上宮殿である。
アゴルフォスは思い出していた。ゼノウ将軍がおごりたかぶって
シャナナ宮殿へ乗りこんで来た時のことを。アゴルフォスは知らな
いうちに『地球意志』にあやつられている。
「サイキック帝国、ここに滅ぶか」
ゼノウは王座を踏みっぶした。
アゴルフォスはそれを再度見ている。
サイキック帝国は超能力者集団であり、その超能力により人類が
居住不可能な惑星を自ら開発し住んでいたのだ。人類とは没交渉だ
ったのだが。
ゼノウ将軍率いる宇宙コマンド軍団が不意を突いたのだ。
(続く)
■宇宙から還りし王(山稜王改題)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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(1978年作品)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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ケインの意識は瞬時、現在の山上宮殿へと戻る。
「ケインよ。君は『地球意志』と戦え、君は独立した人格なのだ。
そしてこの世をハーモナイザーによって統一しよう」
しかし、ケインの意識は過去に戻り、地球に向っている宇宙船ア
ンバサダー号へとまい戻る。
ネイサンはコフィンの中で一人眠っている。
『ネイサン』
ネイサンの意識の中で叫ぶものがある。
「誰だ、私を呼ぶのは」
『私よ、マーガレットよ』意識と意識の会話だった。
『マーガレットだって、君はホールの中で消滅したはずだ』
「ええそう。でも、私の意識の一郎この船に残留思念となり残って
いるわ」
『君はハーモナイザーに同化しなかったのか』
「ほほ、ハーモナイザーに同化ですって、ネイサン、あなたはハー
モナイザーで、地球を汚すつもり」
『地球を汚すだって、地球を浄化するのだ』
「ネイサン、あなたには死んでもらう」
「何だって」
『あなたをそのまゆから羽化させないわ。あなたがそのまゆから出
れば、地球を滅ぼすかもしれない」
「マーガレット、君は船のどこにいるんだ」
『さあ、どこでしょう。あなたの意識で探してごらんなさい。とに
かく私はあなたを地球へ行かせない」
ネイサンとマーガレットとの意識同志による10年に渡る戦いの始
まりだった。
「ゼノウ将軍」アゴルフォスは急に、ケインに向かってどなってい
た。現実の山上宮殿である。
アゴルフォスは思い出していた。ゼノウ将軍がおごりたかぶって
シャナナ宮殿へ乗りこんで来た時のことを。アゴルフォスは知らな
いうちに『地球意志』にあやつられている。
「サイキック帝国、ここに滅ぶか」
ゼノウは王座を踏みっぶした。
アゴルフォスはそれを再度見ている。
サイキック帝国は超能力者集団であり、その超能力により人類が
居住不可能な惑星を自ら開発し住んでいたのだ。人類とは没交渉だ
ったのだが。
ゼノウ将軍率いる宇宙コマンド軍団が不意を突いたのだ。
(続く)
■宇宙から還りし王(山稜王改題)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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