石の民「君は星星の船」第3回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
http://www.yamada-kikaku.com/
ひとりの機械神官がのべた。
「お前が信じないのもむりはない。我々もいまだに、しんじ
られんわけだが。我々の予測機械がそれを予言したのだ。我々機械神世界の滅びの時間をな」
我々だと、その中には私たち人間も含まれているのか、それとも。
詩人は思わず尋ねる。
「滅びの時間ですと」
「そうだ、それで我々は君をこの神殿に招いたのだ」
「なぜ私を、私をどうしょうというのです」
「この私の機械神世界が滅びたあと、君に新世界を作る材料になってもらおうというわけだ」
北の詩人は思う。
ひっかけて私から情報をとるつもりか、それとも私をパニックに陥れようというのか。
機械神から告げられたおもわぬ言葉に、詩人はたじろいだ。
「私が新しい世界のキーマンですと、冗談もやすみやすみに」
が、北の詩人はあることにきずく。
「ははっ、そうか、そういうことか、私をうまくだまして、追放刑にしょうというわけですか」
「我々の論理機構は、このような非常時に冗談をいわない」
機械神の言葉は、まさに機械的だった。
機械神官のひとりが、あわてていた。
機械神をうながす。
「神よ、我々は、その男を、はやく処理しなければなりません」
「そうだな、我々にそう時間は残されていない」
「処理だと」
何か手術を私に施すつもりか。
「手荒い処理だがゆるせよ。君は「希望の船」になるのだ」
機械神官の一人がいった。もう一人の機械神官が何かを手にして詩人の方にちかずいてきた。
「何を 」
詩人の体に電撃がはしった。
詩人は、機械神殿で倒れている。神殿地下にある研究室から、詩人の方に、処理機械が、飛んで来ていた。
詩人は神殿の地下に連れて行かれた。地下も機械で張り巡らされている。
詩人の体はカプセルにいれられていた。
「はやく、彼の頭に、「神の歌」を埋め込むのだ」
神官がいった。「君は星星の船、、」
「わかりました」処理機械は答える。
「さて、この詩人のユニットが、いつ、どこにあらわれるかだ」神は悩む。
「彼の体に機械の種子を埋めておきますか」
処理機械がいう。
「時間がくれば、発芽します」
「彼は、次の世界、新しい世界でのみずからの役割の大きさに、驚くだろう」
神がつぶやく。
「それこそ、神の慈悲というものでしょう」
機械神殿の神官の一人が言った。
「これが聖作機械B22です」
処理機械はいった。
「このように、聖作はすすんでおります。どうぞご覧下さい」
神の前に突然大きな画面が出現する、その画面に、ある種の機械がうつった。
「これが」
「聖なる砲です」
「これで星々を収めるわけか。で船の移動機構は」
「はい、事故にそなえて補助機構サブブレインを2機「アルナ」「ムリム」を、聖作してあります」
「それがいいかもしれん。このごろの移動機構はあてにならんからな」
「おそれいります」処理機械がいった。
石の民第3回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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