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ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」

2015年12月07日 | ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ

 ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

「7人の友情」というふざけたネーミングの「生物体機雷」設置船のブースターの炎が、地球に向かって降っていった。。これで、俺 M113-012の定位置も決まりだ。

「生物体機雷」設置船の中からアリスママが、俺たちに向かって手を降るのが、内視できた。
俺の今回の仲間は240名だ。効率の良い数らしい。

「7人の友情」の地球から上昇中も、「聖歌」は俺たちの聴覚に聞こえていた。
俺たちの仲間の「聖歌」は耳に残り、心を揺さぶる。

ようやくおち着いた俺は、視覚装置であたりを見渡す。
周りはすべて闇。
背後には地球光。
他の仲間との接触は禁じられている。
全くの孤独。
自分から言葉を発することもできない。
敵「ROW」に察知されるからだ。

敵「ROW」と遭遇するまで、眠るこことも休むこともない、
無限の沈黙が続く。
 
「生物体機雷」設置船「7人の友情」から投げ出された時から、この宇空間から外れることは許されない。
意識が継ぎれることなく、宇宙の監視が続く。敵RMが飛ばせる生体ミサイルを防ぐまて。

僕たちは[クアイアーボーイズ]と呼ばれた。
地球を守るために選ばれた意識。
僕達の死ぬ瞬間、泣き声ともつかぬ「音」を発する。
その音は地球のどこでも聞こえた。人類は、それで俺達の存在と死ぬ瞬間を知る。
その音は、ある種の聖歌を思わせるらしい。その聖歌隊、つまりクアイアーボーイズと
俺たち「生物体機雷」は呼ばれた。

 敵「ROW」もはるかかなたから、生命体ミサイルを発射する。

それに対抗すべく地球連邦軍が考えだしたのが、クアイアーボーイズだ。

そのミサイルをいち早く発見し、処理するのが俺たち、クアイアーボーイズに与えられた任務だった。

生体ミサイルは思考能力をもつ。

役割?。

それは生命体ミサイルに対抗して、彼らを地球圏内に突入までに処理すること。

いわば相打ちだ。

 俺たちクアイアーボーイズは、地球人類の科学が生み出したバイオノイド。

地球人の細胞から生み出された生物機械。

俺たちの意識の奥には、君たちが失敗すれば、「親」が死ぬという刷り込みがされている。

親を叔うために自分が犠牲にならなくてはという動機づけだ。

 『僕達がいるのは地球を守るためではない。地球人を守るためでもない。

そう、アリスーママ、俺たちはあなたを守るために、この宇宙という大いなる暗渠にいるのだ』

アリスーママ、つまり私の生命の源、顔を覚えている!


俺M113-012は、飛来してくる生体ミサイルをついに認知する。終わりがやっと来たのだ。

何の恐れもなかった。

あるいは、死ぬことは安らぎかも知れないと想った。

この孤独にくらべれば。  
   
 再び、周りを見る。

仲間のクアイアーボーイズの亡きがらが、1セット240人の仲間。
240人の仲間が周りに浮遊している。

失敗すれば、自動的に監視ステーションが不良品として俺たちの生命抹殺を行う。

 俺は待ち構えている。
が、俺は一瞬、この敵「ROW」の生命体ミサイルに近しいものを覚えていた。

彼らも思考能力をもっている。

「ROW」の生命体ミサイルも、はるか遠い星から雅味を目掛けてくる。

ただ破壊のために。母星に帰れることなどなく、
地球を攻撃し、成功した_ところ分栄光があるわけではない。

ただ死が待っているだけだ。

彼らにとっても死は甘美な瞬間かもしれない。

 接触。
なま暖かいものが感じられる。
何かの意識が、俺の意識に呼び掛けてくる。

「まさか、君もそうなのか」

俺より、先に、相手の意識が割り込んできた。

 ああ、俺の同じ生命体がここにいたのだ。
僕の意識が消え去るまで意識で語ろう。

お互いに短い問の生命だ。

俺は言う
「なあに、短い間だ、俺と君が、燃え尽きるまで俺の話を聞いてくれ」

敵「ROW」の生体ミサイルが答える。

「ああ、俺も、この地球への長い航海の中で安らぎが欲しからた。語ってくれるか。この私のために地球の話を、、」

 俺達は、相手を滅ばすために、抱き合いながら、地球の引力圈へと落ちで行く。
 
俺の語りは「高速度コミュニケーション」で、俺と彼の問で行われる。


そうか。
俺はきづく。

聖歌は、、、
このコミュニケーションの瞬間に発する
データ交換の音だったのだ。

そして、
ひとつの聖歌は、、

終わる。

(ガーディアンルポ05「クアイアーボーイズ」完)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所



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