私の中の彼へー青き騎士ー第1回
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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もう、かなり昔の事だ。私,沙織さおりは、まさか彼,翔しょうが、
私の探し求めていた「青き騎士」だとは、その時は、気がつかなかった。
若気のいたりというものだろう。
もし、あの時……。
いや、もうやめておこう。
時間は、2度と戻ってこない。
シーン2
「恐い子だよ」
その時、私は何をしていたのだろう、記憶はなかった。
「何しろ、この子の頭の中には、悪魔が住んでいるのさ」
養父母が言った言葉だ。私の耳の奥にいつも残っている言葉だった。
その時も、私は彼らに尋ねていた。
「アイスフイールド」のそばにある小さなコロニーだった。
コロニーの前を連邦軍の車両が轟音をたててとうりすぎていった。
「ねえ、それどういう意味なの」
「ふん、自分で知っているくせに白々しい子だよ」
「そうだ、どうせ、私達の事も、心の中ではあざわらっているのさ」
なぜ、どうして、私を、普通の子供のように扱ってくれないの。
確かに私は父と母をうしなって、法律により、救済され、
この父母におしつけられた子供だった。
が、この時、地球は、生か死のせとぎわだったはずだ。
《アイス》との戦争でたくさんの人々が死んでいた。
ともかくも、この私に対する疑問、救済が、私の長い旅の始まりだった。
《人民の王》となって私がさとった事は、
私が、あの人にとって《青き騎士》だったという事。
そして、気づいた時には、あの人はとても手がとどかない遠いところにいた。
私が、彼をうらぎり、そして彼は死んだ。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所