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私の中の彼へー青き騎士ー第1回

2018年11月07日 | 飛鳥京香 小説工房

私の中の彼へー青き騎士ー第1回

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所


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 もう、かなり昔の事だ。私,沙織さおりは、まさか彼,翔しょうが、

私の探し求めていた「青き騎士」だとは、その時は、気がつかなかった。

若気のいたりというものだろう。

 

もし、あの時……。

いや、もうやめておこう。

 

 時間は、2度と戻ってこない。

 

シーン2

 

「恐い子だよ」

その時、私は何をしていたのだろう、記憶はなかった。

 

「何しろ、この子の頭の中には、悪魔が住んでいるのさ」

養父母が言った言葉だ。私の耳の奥にいつも残っている言葉だった。

 

 その時も、私は彼らに尋ねていた。

「アイスフイールド」のそばにある小さなコロニーだった。

コロニーの前を連邦軍の車両が轟音をたててとうりすぎていった。

 

「ねえ、それどういう意味なの」

「ふん、自分で知っているくせに白々しい子だよ」

「そうだ、どうせ、私達の事も、心の中ではあざわらっているのさ」

 なぜ、どうして、私を、普通の子供のように扱ってくれないの。

 確かに私は父と母をうしなって、法律により、救済され、

この父母におしつけられた子供だった。

 

が、この時、地球は、生か死のせとぎわだったはずだ。

 

《アイス》との戦争でたくさんの人々が死んでいた。

 

ともかくも、この私に対する疑問、救済が、私の長い旅の始まりだった。

 

 《人民の王》となって私がさとった事は、

私が、あの人にとって《青き騎士》だったという事。

そして、気づいた時には、あの人はとても手がとどかない遠いところにいた。

 

私が、彼をうらぎり、そして彼は死んだ。

 

(続く)

作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所



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