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新人類戦記第3章第3回 ソビエトKGB超能力戦線も動き始めている。ジャバ川につながれた船イデア号はアコンカグア山を目指す中国人2人を乗せて動き出す。そばを荷物船クリスチャン号が通る。

2021年02月19日 | 新人類戦記第3章
新人類戦記第3章聖域南西アフリカ、紛争地域ビサゴスを抜け、ジョバ川をさかのぼり、悪魔の山アコンカグワを目指す2人の姿があった。
この小説のURL : https://ncode.syosetu.com/n3341gu/3/

 

新人類戦記第3章第3回 ソビエトKGB超能力戦線も動き始めている。ジャバ川につながれた船イデア号はアコンカグア山を目指す中国人2人を乗せて動き出す。そばを荷物船クリスチャン号が通る。
 

 

新人類戦記 第三章 聖域 第3回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)

 

ベトナム人の彼ルンの持つある種の精神

の不安定さを気にかけていた。

 

 「まあ、いい、アフリカで、彼も実戦によっ

て、かっての能力を賦活をビザゴスで

きるだろう。そしてそれはとかもなかさず、我がソビエト連邦

の実力の発揮である」

 

 そうシェチェフキンは考えた。

 

 シェチェフキンはロシア人ではない。

 

ソ連邦を構成する国の一つ、バルト3国の1つエストニアの生まれ

だ。にGB内部でロシア人でもないシェチェ

フキンがここで出世できたのは、やはり彼の能力が秀れていたからだ。

 

超能力研究について彼は造詣が深かった。

 

 しかし、シェチェフキンの配下、KGB超能力戦線部、ベトナム人ルンは毎夜、悪夢にさいなまれていた

。それは姿がはっきりし攻い。しかしそれはルンを呼びよせようとしているのだ。やがてルン

は密林の中にそびえる山に立っている自分を発見する。そこで彼は姿を変えてしまう。彼は動

物だ。それも今まで一度も見たことのない生物だ。

 

 ルンは飛び起きた。その姿がはっきりしない物かルンに呼びかけたのだ。アコンガクワ山

に来いと。ルンとシェチェフキン、それに他のロシア人の超能力戦士がノブゴロドフ号

込むのは明日だった。

 

 ポートモレスビーに注ぐジャバ川、サンテ桟橋にうす汚れた魚船が繋がれてい

た。うす汚れていたが、強力なエンジンを積んでいる。船足は早いのだ。船名はかろう

じて「イデア」号と胱めた。

 

 トルワイユが、タバコのゴロワーズをくゆらしながら、商売相手の中国人、陳を待っている。

 

「遅いですね。とっぐに約束の時間はすぎてますぜ」

 桟橋で子分ヌノが親方トルワイユに話しかけた。

 

 陳の方からトルワイユヘ出発時間を言ってきたのだ。

 「待て、もう少し待て、何しろすごいもうけ話だからな。それにちゃんとしたルートから

の紹介だから」

 

「途中で乗客の方から降りてしまうことがあ

りえるでしょうよ。アコンガクワ山に行ぐ前

にね」

 もう部下の一人、ラリが腰から刀を抜き、歯

をムキ出し、黒い笑い顔をトルワイユ旦那に向けた。

「おや、どうやら客さんが到着したようですぜ」

 

 見張り役部下のファイがFALライフルを片手

に叫んだ。

 

その時、河船イデア号のすぐそばを大き攻貨物船がジョバ

川をさかのぼっていこうとしていた。

 

「クリスチャン」号と船腹に書かれている。船橋から

一人の日本人が望遠鏡でイデア号に陳がのり込むのを観察していた。

あとで、この船がイデア号に関係してくるとは、夢にも思わなかった。

 

 乗組員の紹介が終わり、フランス人は船をすぐ出発させようと陳をせかした。

 

 「ムッシュ・トルワイユ。約束を忘れちゃいないだろうね」

 トルワイユは驚く。

 「私は二人を送り込んでほしいといったのだ。もう一人いるんだよ」

 トルワイユはホッとしたようだ。

 

陳は再び、桟橋を町の方へ一度戻っていく。

 

 やがて、陳は一人の人物を連れて河船イデア号へあがってきた。

 

「女か。しかも子供か」

 

 船員1人のマルコが驚いていた。彼女は20才にもならいないいだろう。少女といってだった。

 「あんた、なぜ女、子供を連れていくと言わなかったんだ」

「俺はただ二人で行くといっただけだ。それともこの取引をやめにするかね」

 

 陳は手にしてけ、札束を見せた。

 のどを鳴らし、トルワイユは言った。

「誰もいやだとはいってはいない」

 

「それから、トルワイユ。俺をうらぎるのは

一回だけにしろよ」

「何の事だ」

 

 「三日前の晩だ。バーを出た後、一人の男が

俺の後をつけてきた」

 

 「何の話だ。俺は知らんぞ」

 

 「そうか。まあいい。どうせその男には二度

と会う事かないからな」

 

 陳と女(秀麗という名だと紹介されていた)を乗せて、トルワイユの船はサンテ桟橋を離

れていた。

 

陳と秀麗がなぜアコンガクワ山に向かうのか、誰も知らなかった。

 

■他の種族が出入するのを拒むイアテ族が住む魔の山アコンガクワ山。おまけにその山

にたどりつくために通らねばならないジョバ川はちょうど「ポグラ」政府軍と革命軍の戦闘地

域にあるのだ。

 

 トルワイユの船イデア号を出て行くのを隣の桟橋からなかめている男がいた。そのア

ジア人はトルワイユと陳が密会したバー、ポセイドンで二人を見張っていた男だった。男

は望遠鏡をおろし、上司に報告のため、近くに停めてあったシトロエン2CVに乗り込ん

だ。

 

新人類戦記 第三章 聖域 第3回

作 (1980年作品)飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所

http://www.yamada-kikaku.com/

(アメリカとソビエトの冷戦時代の話です)



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