遙かなる絆-ランナー第6回●EDOハンター、サムナーはムーンウェイの艇に、マコトが乗っていることを確認した。シャトル艇長に 連絡をとるが、時すでに遅し、シャトルαを表す光点が消滅した。
遙かなる絆-ランナー第6回●
地球防衛機構(EDO)シリーズ
飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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サムナーは「シャトルα」の乗客名簿を急いでチェックし、マコトが乗っていることを確認した。
マコトを守るために何名か乗っているかもしれない。
念のため他の乗客もチェックしてみる。
それからサムナーはEDOの使用艇を準備するよう、空港本部へ依頼した。
チェックに時間がかかり、艇を発進させた時、すでに数十時間が経過していた。
ムーン=ウェイにそって航行し、ルート内をレーザーアイで探査してみるが、すでに通過したあとである。
その時、上空のムーンウエイ軌道上で、急にサムナーの艇に衝撃がおそった。
ムーン・ウェイ、通称シャフトの外部、内部とも要所要所には、飛来する小唄石の衝突からムーンウェイを保護するために、レーザー砲が装備されている。
そーのレーザーキャノンが、なぜか自動的に作動したのだ。
ムーン・ウェイ、通称シャフトのルートにそって驀進するサムナーの艇へ、レーザーキャノンが次々に発射される。
さらにサムナーの艇は、航続距離は長くはない。
レーザーキャノンの攻撃によって満身創夷となったサムナーの艇は、ようやく近くの軌道作業ステーションヘ辿り着く。
着艇し、作業ステーションのサブルームに入ったサムナーは、「シャトルα」が一万キロ先を航行していることを知った。
作業ステーションのサブルームの通信機器を使い、連絡をとろうとする。
「私はEDOのサムナーだ。「シャトルアルフア」、応答せよ」
やがて、返事の映像が小型モニターからかえってきた。
「こちら機長のマルチンだ。何の用かな」
「すまん、マルチン機長。ただちに『シャトルα』をもよりの中継ステーションで止めていただきたい」
「無理だ、サムナー。この停止地点では前後数千キロには中継ステーションがないんだ」
「何でもいい、早く止めてくれ。これはEDOの命令だぞ」
「正式な命令を送ってくれ、君の言葉だけを頼りに、私の一存で停止させるわけにはいかん。EDOか
らシャトルル公社へ連絡をとってくれ」
「ええい、くそ、こうしている間にも危険は近づいているのだぞ」
「何、何だって」
「死の天使共が何かを「シャトルα仕掛けたかもしれんのだ」
「死の天使だと……」
返事は途中でとぎれた。
無線機の故障かと思ったが、そうではない。
『シャトルα』通過を示す赤い点 と操縦席のマルチン機長映像ともが、軌道作業ステーションのモニター画面から消えていた。
(続く)
作 飛鳥京香(C)飛鳥京香・山田企画事務所
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