A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

「東海岸の白人ジャズ」といえば・・・・

2012-06-06 | MY FAVORITE ALBUM
The Al Cohn Quintet

ペッパーアダムスがニューヨークを離れスタンケントンオーケストラに加わり、引き続きロスで活動をしていた’56年~’57年にかけて、ジャズ界は活況を呈していた。ハードバップが台頭し、ウェストコーストジャズも興隆を極めていたが、モダンビッグバンドが誕生し、古いジャズも復活していた時代だ。
ジャズが一番元気だった時代だが、日本では「3丁目の夕日」の頃、戦後の復興、そして技術革新によって世の中全体が高度成長の波に乗り始めた頃で、今と違って「勢い」があった時代だ。
この時代のジャズ、大きく分ければ黒人中心のイーストコーストジャズ、そして白人中心のウェストコーストジャズに大別されるが、中身を紐解くとそう簡単には割り切れない演奏もたくさんある。

アルコーンというテナー奏者がいる。白人ではあるがずっとイーストコースとで活躍をしていた。アレンジャーとしての活動だけでなく再びテナー奏者としての活動に重きを置いていた’56年、コルトレーンとのセッションにも参加していたし、メイナードファーガソンのドリームバンドにも参加していた。クールなトーンではあるがいわゆるウェストコーストジャズとは一味違った熱っぽい演奏をしている。
そのアルコーンがボブブルックマイヤーと組んだアルバムがある。ブルックマイヤーといえば、スタンゲッツやジェリーマリガンとのコンビが有名。誰と組んでも相手との絡み方が実に絶妙。バルブトロンボーンという楽器のせいもあるが。このブルックマイヤーの演奏もいわゆるウェストコーストジャズとは少し軸足を異にしていた。

昔、雑誌で色々ジャズの論評が盛んであった頃、「東海岸の白人ジャズ」というジャンル分けがされていた記憶がある。ペッパーアダムスもその一人かもしれないが、このアルコーンやブルックマイヤーもその代表格だろう。
2人ともアレンジを得意としていたので、クインテットの演奏ではあるがアンサンブルワークはきちんとアレンジが施されているが、2人の軽妙なプレーが実に心地よい。
スイングとモダンの間を「中間派」とも言っていたが、彼らの演奏は、さらにイーストの脂っこさとウェストの淡白さのいいところ取りをした「新中間派」ともいえるものだ。
自分の好みを消去法で消していくと、コンコルドの一連のアルバムもそうだが、この辺りの演奏に集約されるのかもしれない。

ピアノのモーズアリソンはニューヨークに出てきてすぐの演奏、その後アル&ズートにも参加するがこれが初レコーディングかも。ドラムのニックスタビュラスもその後フィルウッズのアルバムに登場するが小気味よい感じの良いドラムだ。
ウェストに対してイーストコーストジャズと一括りに語られることが多いが、「東海岸の白人ジャズ」にもいいアルバムが多い。

1. The Lady Is a Tramp   Lorenz Hart / Richard Rodgers
2. Good Spirits       Bob Brookmeyer
3. A Blues Serenade    Vincent Grande / Jimmy Lytell / Frank Signorelli
4. Lazy Man Stomp     Bob Brookmeyer
5. Ill Wind         Harold Arlen / Ted Koehler
6. Chlo-E         Neil Moret (Chas. N. Daniels) / Gus Kahn
7. S-H-I-N-E       Lew Brown / Ford Dabney / Cecil Mack
8. Back to Back      Al Cohn
9. So Far So Good     Al Cohn
10. Winter         Al Cohn
11. I Should Care     Sammy Cahn / Axel Stordahl / Paul Weston
12. Bunny Hunch      Bob Brookmeyer

Al Cohn (ts)
Bob Brookmeyer (vtb)
Mose Allison (p)
Teddy Kotick (b)
Nick Stabulas (ds)

Recorded in 1956

Al Cohn Quintet Featuring Bob Brookmeyer (Reis)
Al Cohn
Verve
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久々の再会セッションも、懐メロセッションにならないところが凄い・・・・

2012-05-30 | MY FAVORITE ALBUM
Coast Concert / Bobby Hackett and His Jazz Band


ディキシーランドジャズからジャズを聴くようになった自分は、時々妙にディキシーを聴きたくなる。また懐かしいディキシーの調べが聞えてくるとすぐに飛びついてしまう。マルサリスとクラプトンのアルバムを聴いたのもそんな感じだった。
聴き始めた頃は、ジョージルイスのクラリネットに聴き入ったものだが、このジョージルイスは、一度はジャズの世界を離れて沖仲仕をやっている所を、ニューオリンズジャズのリバイバルと共にジャズの世界に復帰したそうだ。
ジャズの世界を離れていた時、ルイスが思い描くドリームバンドは、それほど大層なものではなく、昔の仲間ともう一度楽しく演奏ができればそれで十分だったのかもしれない。
ジャズの世界でも流行廃りがあり、一時の花形スターもそのブームが去ると唯の演奏家、場合によっては自分のやりたい事はさておき、世の流行のスタイルの演奏を強いられることも多い。

ディキシーランドジャズも、スイング時代に入り、さらにモダンジャズの時代になると表舞台からはだんだん消えていった。ディキシー風の演奏というのは時々聴く事ができても、正統派ディキシーは演奏する方も、聴く方も機会が少なくなっていた。
そのような中で、ディキシーランドジュビリーというコンサートが1948年から毎年西海岸で開かれていた。仕掛け人はプロデューサーのジーンノーマンとディスクジョーキーのフランクブル。毎年有名プレーヤーが参加するようになり、2人はニューヨークにいたコルネットのボビーハケットの参加を熱望していた。そして第8回の1955年にそれが実現した。メンバーはハケットに一任したそうだ。ハケットがまず選んだのは昔何度も一緒に演奏していたトロンボーンのジャックティーガーデン。ディキシーの世界では重鎮だ。そしてドリームバンドが編成され、無事にジュビリーのステージを努めた。

期待通りの好演であり、そのままそのドリームバンドが解散では惜しいということで、早速キャピタルのプロデューサーデーブキャバノが交渉をしてアルバム化されることになったのがこのアルバム。キャバノ自身がプレーヤーとして、このコンサートにも参加していたそうなので、余程このグループが素晴らしかったのだろう。コンサートを終えて3日目のまだ興奮冷めやらぬ内の録音であった。

ボビーハケットはこの頃は、ジャッキーグリーソンオーケストラと一緒にもっぱらムードトランペットの世界で活躍していたが、ここでの演奏はティーガーデンのトロンボーンと相俟って往年の歯切れのいいディキシーの演奏。久々に溌剌とした演奏を聴かせてくれる。
仕掛け人の2人も、プロデュースをしたギャノバもしてやったりという気持ちであったと思う。
もしかしたら、このドリームバンドの演奏を一番喜んだのは、ハケット自身だったかもしれない。

1. I Want a Big Butter and Egg Man Louis Armstrong / Venable 3:16
2. New Orleans Hoagy Carmichael 2:56
3. That's a Plenty 4:31
4. Basin Street Blues 4:41
5. Muskrat Ramble Kid Ory 3:02
6. I Guess I'll Have to Change My Plan Dietz 3:23
7. Royal Garden Blues 4:55
8. Struttin' with Some Barbecue Louis Armstrong 3:03
9. Fidgety Feet LaRocca 3:06

Bobby Hackett & His Jazz Band

Bobby Hackett (cor)
Jack Teagarden (tb,vol)
Abe Lincoln (tb)
Matty Matlock (cl)
Nappy Lamare (banjo, g)
Phil Stephens (b,tuba)
Don Owens (p)
Nick Fatool (ds)

Recorded on October 18-19, 1955
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自分が思い描いた自分のための本当のドリームバンドとは・・・・

2012-05-26 | MY FAVORITE ALBUM
Conrad Silvert Presents Jazz At The Opera House

ドリームバンドにも色々あるが、自分の思い描いたメンバーが目の前に現れたら、それも自分のために演奏してくれたら、それは間違いなく一生の思い出になるであろう。

コンラッドシルバートという若手のジャズ評論家がいた。彼はジャズの本場ニューヨークではなく、サンフランシスコを拠点として活躍していた。もちろん、サンフランシスコにはジャズの大物プレーヤーが演奏に訪れることは多い。しかし、「ダウンタウンで大きなジャズフェスティバル行われることも無くシスコに大挙して大物が一同に集まるということはなかった。
ところが今回は各地から三々五々大物が集まった。集まった場所は、サンフランシスコのダウンタウンにあるOpera House。地元のクラシックの拠点でジャズが演奏されるということも珍しかったようだ。1982年2月22日、今から30年前のことであった。

実は、この時シルバートは若くして白血病を患い、余命も幾ばくかとの宣告を受けていた。死を宣告されたら何をするかは人によって様々だと思う。ジャズの世界で仕事をしてきた人間は、演奏する方にしても聴く方にしても、きっと残された時間に生涯最高のジャズをたっぷり楽しみたいと思うであろう。
シルバートもきっと同じ想いを持ったと思う。その夢を実現すべくこのコンラッドのシルバートために彼自信の企画したコンサートが開かれることになり、賛同したミュージシャンがこのオペラハウスに集まってきたのだ。

ジャズフェスティバルのようなお祭り騒ぎでもなく、個人に捧げるコンサートといってもバースデーや周年記念でもなければ、亡くなった後のメモリアルコンサートでもない。表向きは本人を励まし夢を与えるコンサートであっても、実際は死期を宣告された本人を目の前にしてサヨナラを言うお別れ演奏会だ。演奏する方は誰もが否が応でも全知全能を傾けて、彼に捧げる最後の演奏に臨むことになる。

コンサートは全部で3時間半に及んだそうだ。集まったミュージシャンは、このアルバムに収められている以外にも、ロリンズ、サンタナ、パットメセニー・・・など一流のミュージシャンが、この日、このステージに一同に介した。
それぞれは過去に一緒に演奏をしたこと、あるいは同じグループにいたこともあるメンバーが多かったとは思う。しかし、特にこの日のためにグループが編成された訳ではなかった。
ジャズの世界ではこのようなシチュエーションだと、多くの場合JATPのように一同に介してのジャムセッションが開かれる。そして、誰かのソロを順にフィーチャーしたステージになるのが常だ。しかし、この日は違った。

なぜかこのステージの演奏にはデュオが多い。
マルサリスがリードするコンボでの演奏もあるが、中身は皆でのアンサンブルは無い。基本はデュオの組み合わせによるメンバー間でのコラボレーションだ。
色々なメンバーの組み合わせの中で唯一普段から一緒にやっているのはトシコとタバキンのコンビだ。この頃はビッグバンドで2人の共演は多かったが、2人のデュオの演奏は普段聴けるようで聴けなかった。
あの暴れん坊のトニーウイリアムスのドラムも往年のマイルス時代を思い出させるようなプレーぶりだ。
普段であればコラボの相手と一体になれれば一つのゴールは達成できる。この日は2人でさらにシルバートに向けてのメッセージを何か共同で生み出さなければならない状況だった。
それ故、どの演奏からも何か魂のこもったメッセージが聞えてくるようだ。
このコンサートの直前にはセロニアスモンクが亡くなった。モンクヘの追悼の意味も込めてステージではラウンドミッドナイトも演奏された。演奏する者の色々な想いが加わる。

世の中、追悼コンサートはよく行われるが、このような生前のお別れ会というものはなかなか行いたくてもできないものだ。葬式も亡くなってから多くの弔問客が訪れるのが常だが、本人は死んでから来てもらってもそれを知る術は無い。本人にしてみれば生きているうちに会える人とは会い、友人とのお別れをし、新たな思い出をたくさん残してあの世に旅立った方がさぞかし嬉しいことか。

シルバートにとっては、これこそ演奏者の心の篭った本当のドリームバンドだった。残念ながらこのアルバムではステージの半分しか分からない。このようなライブはいつの日かその全貌がそのままの形で世に出て欲しいものだ。すべてを聴くと他のプレーヤーの新たなメッセージ、そしてそれを聴くことができた感慨をシルバートと共有できるような気がする。

Disc-1
1. Free From / Straight, No Chaser
2. The Village
3. Falling Petal
4. Maiden Voyage
5. Sister Sheryl

Disc-2
6. Dedication To Conrad Silvert
7. Hesitation
8. Dedication To Conrad Silvert
9. Silence
10. Footprints
11. Round Midnight

Wynton Marsalis (tp) (5/7/9/10)
Wayne Shorter (ts,ss) (5/7/9/10/11)
Lew Tabackin (fl) (3)
Bobby Hutcherson (vib) (4/10)
Herbie Hancock (p) (1/4/5/6/9/10/11)
Denny Zeitlin (p) (1)
Toshiko Akiyoshi (p) (2/3)
Charlie Haden (b) (5/7/9/10)
Jaco Pastorius (b) (10)
Tony Williams (ds) (5/7/9/10)

Recorded Live on February 22,1982,at The San Francisco War Memorial Opera House, San Francisco

ジャズ・アット・オペラ・ハウス
Conrad Silvert
ソニーレコード
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趣味が嵩じて、熱烈ファンがプロデュースするアルバムは・・・

2012-05-23 | MY FAVORITE ALBUM
Let’s Swing Now / Takuya Fujioka Presents Vol.5



自分がレコード会社のオーナーであったり、クラブの経営者であれば、自分の思い描くドリームバンドを実現できる機会はある。しかし、単なるジャズファンであればそれは夢のまた夢になってしまうものだが・・・・
クリントイーストウッドが大のジャズファンであることは有名で、映画の"Bird"もファン故に実現したのかもしれない。
日本では亡くなった藤岡琢也がジャズファンで有名だった。その葬儀はピアノトリオによるジャズ葬であったとか。その藤岡琢也がプロデュースしたアルバムがある。一晩限りのライブならまだしも、レコードのプロデュースまでやって夢を後世にまで残すことができれば、ジャズファン冥利に尽きるというものだ。
シリーズで何枚か制作したこれがシリーズ最後の作品。このアルバムの主役はピアノの八城一夫。よくスイングするピアノで自分も好きなピアニストの一人だった。ベースは長年コンビを組んだ原田政長。ドラムにはちょうどこの頃日本に長く滞在していたドナルドベイリーが加わってドリームバンドらしい編成になっている。

プロのミュージシャンとプロデューサーだと、細かい決め事が無くても阿吽の呼吸で物事が進むことも少なくないようだが、素人が普段やりなれない事をやると色々細かいことが気にかかるもの。この録音に際しても、「藤岡プロデューサー」は、打ち合わせも綿密に、リハーサルも入念に、録音に臨んだようだ。演奏するほうも細かい気働きに感謝しつつ良い関係で作品が生まれたようだ。やはり、ファンの想いと言うものは演奏する者に通じるものがあるのだろう。ドナルドベイリーは日本を離れることが決まっての「さよならレコーディング」になったので、より感じるものがあったのかもしれない。得意のハーモニカを2曲披露してくれるが、ドラム以上に気持ちが伝わってくる。特に、最後の曲のGood-byeではなおさら。

八城と藤岡の対談を記したライナーノーツが添付されているが、録音を終えた2人の感想が素直に聞けてより雰囲気が伝わってくる。一曲目のサンバのリズムのベイリーが実に良くて、その後の演奏もノルことができたとか・・・。本の世界は編集後記というものがあるが、音楽の世界も録音後記というのもがもっとあってもよさそうなのに。
有名プロデューサーやアレンジャーが気合を入れた大作や、有名ミュージシャンを集めたドリームバンドもいいが、このようなファンに支えられたホームパーティー風の演奏も実は捨てがたいドリームバンドのドリーム演奏だ。


1. Fall of Love
2. Do’t touch my Mustache
3. Sweet Bailey
4. All the Things You Are
5. We Four Samba
6. Good-bye

八城 一夫 (p)
原田 政長 (b)
小西 徹 (g)
Donald Bailey (ds, harmonica)

Produced by Takuya Fujioka
Recorded at Victor No.2 Studio, Tokyo, July 18, 1976



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誰もが自分の夢のバンドを思い描くが、実現できるのは・・・

2012-05-18 | MY FAVORITE ALBUM
Birdland Dream Band conducted by Maynard Ferguson

ある程度のジャズファンになると、自分のお気に入りのメンバーで、お気に入りの演奏をしてもらうDream Bandを思い浮かべるようになる。一生の内に一度でもいいので目の前でそのバンドに演奏してもらう機会を実現したいものだが、普通のジャズファンにとっては単なる夢で終わってしまうものだ。
ところが世の中にはそれを実現できる幸せな人もいる。
ニューヨークの有名なジャズクラブのバードランドのマネージメントをしていたジャックルイスと、VIKレーベルのモーリスレビーが共同でドリームバンドプロジェクトを企画した。2人にとっては自分のためだけでなく、ファンのために夢を実現するのも仕事の内だった。ルイスにとってはクラブで今までに無い新しい出し物が欲しかったし、レビーはパワフルでエキサイティングなレコーディングをしたかったので、2人でこれを実現するためにドリームバンドの企画をした次第。1956年の秋のことであった。

リーダー格には、ケントンオーケストラを辞めてロスでスタジオワークをしていた若手のメイナードファーガソンを据えた。ハイノートを売りにめきめきと頭角を現してきていたが、その時はまだまだ若手の成長株。そしてそのハイノートトランペットを生かすためのビッグバンドを編成することになった。通常のビッグバンド編成よりも少ない14人編成だが、ビッグなサウンドはフルバンドに負けないパワフルな編成になった。

バードランドがデビューの晴れ舞台になるので集められたメンバーはニューヨーク在住の腕利きメンバーが勢ぞろいする。長期間のツアーバンドとなると一流どころのメンバーは参加に躊躇するが、数週間のクラブ出演となるとその仕事に気合を入れた参加が可能だった。ビッグバンドとなるとアレンジが不可欠だが、東西それぞれで活躍をしていた若手アレンジャーの溌剌とした曲とアレンジも集められた。
これで、場所も曲もメンバーも揃って、プロジェクトの実行は56年9月となった。

バードランドへの出演と合わせて、別途にその記念すべきドリームバンドのスタジオ録音も行われた。何回かのセッションに分かれているが、中にはバードランドでの演奏を終えて、それからスタジオ入りし明け方の4時過ぎから録音が行われたこともあったようだ。
限られた期間編成されたドリームバンドであったが、結果は大成功であった。レコーディングのためだけのオールスターセッションや一日限りのステージでのジャムセッションでは、その演奏はその時限りで淡雪のように消えてしまう。ところが、連日のライブ出演とスタジオでのレコーディングのためのTakeを重ねることによってドリームバンドはよりパワフルに、リアルなバンドに育っていった。

その結果を、一番身をもって体験したのはリーダー格のメイナードファーガソンであったろう。「夢よもう一度」の想いから、その年の暮れから年明けにかけて、今度は西海岸で同じバンドを編成しこのドリームバンドの素晴らしさを披露した。その後、再びニューヨークに戻ってこのバンドを確固たる位置づけにした。ファーガソンにとっては、このオーケストラが正夢になった。

以降、メイナードファーガソンは亡くなるまでの間、ハイノートとビッグバンドを売りにして活躍した。ケントンやハーマンオーケストラ出身の有名プレーヤーは多いが、このファーガソンのビッグバンド出身者も多い。
スライドハンプトン、ドンエリス、ジョーザビヌル、ドンセベスキー、ドンメンザ・・・・・などなど、メンバーの誰もがこのオーケストラに参加した時、リーダーのファーガソンがバンドを立ち上げたときの想いを受け継ぎ、自分のドリームバンドを思い浮かべながら、それぞれの拘りを持って自分の夢を実現していった様に思う。

1. The Wailing Boat        Cohn 3:08
2. Somebody Wants Me Down There  Holman 4:03
3. Maynard the Fox         Cohn 2:48
4. Blue Birdland          Giuffre 4:11
5. Great Guns           Wilkins 3:14
6. Lady Bug            Cohn 3:16
7. More West            Paich 2:33
8. Still Water Stomp        Brookmeyer 3:49
9. That Jones Boy         Albam 2:56
10. Rosebud            Cohn 2:35
11. Buton Nose           Cohn 2:39
12. Little Girl Kimbi        Mandel 3:54

Maynard Ferguson (Leader, tp)
Nick Travis (tp)
Al DeRisi (tp)
Joe Ferrante (tp)
Stan Fishelson (tp)
Ernie Royal (tp)
Eddie Bert (tb)
Jimmy Cleveland (tb)
Sonny Russo (tb)
Budd Johnson (ts)
Frank Socolow (ts)
Al Cohn (ts,arr)
Herb Geller (as)
Ernie Wilkins (bs,arr)
Hank Jones (p)
Milt Hinton (b)
Jimmy Campbell (ds)

Manny Albam Arranger, Composer
Jimmy Giuffre Arranger, Composer
Bob Brookmeyer Arranger, Composer
Bill Holman Arranger, Composer
Willie Maiden Arranger, Composer
Johnny Mandel Arranger, Composer
Marty Paich Arranger, Composer

Produced by Jack Lewis
Ray Hall : Engineer

Recorded at Webster Hall in New York, September 1956

Birdland Dream Band
Maynard Furguson
RCA Victor Europe
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昔から3人集まれば文殊の知恵というが、4人集まれば・・・?

2012-05-16 | MY FAVORITE ALBUM
Tenor Conclave / Four Tenor Saxes

ジャズの世界でも3人集まれば一人ではできない色々なアイディアが生まれて来る。では4人集まれば?特に同じ楽器で4人集まれば、4人の個性あるソロが楽しめるし、4人のアンサンブルも見ものだ。自分は、特にサックスアンサンブルが好きなので。

プレスティッジがオールスターメンバーを集めて次から次へとアルバムを量産した中に、同じ楽器を4人集めたアルバムが何枚かある。タイトルもその名のとおり”Four Altos”というものもあった”Very Saxy”というアルバムは、4人という看板は掲げていないものの、中身はテナー4本で実にタイトルのコンセプトに合った演奏を繰り広げていた。その応用編のアルト2×トランペット2というアルバムもあったし・・・・、さてこのアルバムは?

このアルバムのクレジットを見るとテナーの巨匠が4人。この4人の名前を見ただけでも興味が沸く。果たして4人がどんな演奏を繰り広げるのか。それも4人揃ってでないとできないことを何か・・・。さらに、タイトルが“Conclave”(秘密会議)となっているのが意味深長だ。

聴いた結果はというと、期待が大きい分満足度は半分だ。
このアルバムが録音されたのは56年の9月。ちょうどペッパーアダムスがケントンオーケストラに加わってツアーの真最中。そのアダムスが留守にした間のニューヨークでの録音だ。
参加しているメンバーはVery Saxyのメンバーと較べると若手ではあるが、決して新人ではない。コルトレーンはマイルスのグループでめきめき頭角を現してきていたし、モブレーは新人養成所のジャズメッセンジャーズの一員、アルコーンはアレンジャーの仕事に一区切りつけて復帰したばかり、そしてズートシムスもフリーとフルバンドへの参加を繰り返してソリストとしては一人前になっていた。中堅の有望株ばかりなのに何故?

自分の4人のそれぞれのイメージは、それから10年近く経った60年代になってからのもの。それぞれが自分のスタイルを確立していたし、テナーの音色一つとっても10年で違うものになっていた。ところが、このアルバムではさっと聞き流すだけだと誰のソロか良くわからない。強いて言えばコルトレーンが特徴がある位。
このプレスティッジのリーダー無しのスタジオジャムセッションだと、アレンジやアンサンブルもほとんど無く、いきなりソロの連続になってしまうのも一因。

結局発展途上の若者が集まって、とりあえずエールの交換をしたのにとどまっている。一人一人も自分のネクストステージに向けて自己改革の真っ最中。グループで何かという余裕は無かったのかもしれない。結果的には、ズートシムスとアルコーンがAl & Zootのコンビを続けたので、彼らにとってはそのステップとしてのトライアルの場になったのかもしれない。

やはり4人集まった時は中に誰か強力なリーダーがいるか、コンセプトメーカーがいないと、単なるジャムセッションに終わってしまうのは仕方がない事なのか。
反対にVery Saxyの良さを再認識した次第。



1. Tenor Conclave          Mobley 11:05
2. Just You, Just Me         Greer, Klages 9:29
3. Bob's Boys             Mobley 8:21
4. How Deep Is the Ocean?       Berlin 15:04

John Coltrane (ts)
Hank Mobley (ts)
Zoot Sims (ts)
Al Cohn (ts)
Red Garland (p)
Paul Chambers (b)
Art Taylor (ds)

Rudy Van Gelder : Engineer
Supervision : Bob Weinstock

Recorded on September 7, 1956 at Van Gelder Studio

Tenor Conclave
Ojc
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ライブ録音の残り物は消化不良を解消してくれる・・・

2012-05-09 | MY FAVORITE ALBUM
Smokin’ At Half Note Vol.2 / Wes Montgomery & Wynton Kelly Trio




ベニーグッドマン、そしてコンコルドオールスターズに加わって、あっという間に全国区で有名になったカルコリンズであったが、田舎での生活が音楽的にもプライベートでも自分の生活のリズムに合うのかシンシナティーに引っ込んでしまった。そこでは、自分のスタイルで気兼ねない演奏に戻っていたかもしれない。

ジャズの世界では多くのプレーヤーは、ニューヨーク、そしてロスを拠点としている。プレー仲間を探して切磋琢磨するにも必要な場所だ。また、スタジオで仕事をする者は、仕事場がニューヨークやロスなので仕方が無い。そんな中で、地元を離れなかった有名プレーヤーもいる。その一人がウェスモンゴメリー、生まれ育ったインディアナポリスを離れなかった。

もちろんレコーディングの時はニューヨークを訪れたが、スタジオワークをやる訳ではなく、自分のアルバムや他の有名プレーヤーとの共演の時だけだった。
しかし、名が売れるにしたがって、各地で演奏を披露するためにツアーはやらない訳にはいかず、ニューヨークや西海岸、そして遠くヨーロッパへも遠征していた。
その時のライブのアルバムが何枚かあるが、やはりウェスの演奏を楽しむにはこのクラブでのライブのアルバムが一番だ。特に晩年はオーケストラの演奏をオーバーダビングしたものが多く、ウェス自体は変わっていないものの、それらからは心地よさは増してもプレーの熱気は伝わってこない。

ウェスのライブ物といえば、まずはフルハウス、そしてハーフノートが定番。どちらもピアノはウィントンケリー。この組み合わせがやはりベストだろう。どちらもジャズ喫茶でよく聴いたアルバムで懐かしい。
未発表録音が陽の目を見出した時、スタジオ録音だと別テイク物が多かったが、ライブだと当然未発表物が多い。フルハウスの続編は無いものかとディスコグラフィーを見たが、これは同じ日の録音の別テイクが多い。この日の録音はライブといっても、スタジオライブのような物だったのかもしれない?

一方で、ハーフノートの方は、日付が異なっていくつもの録音がある。この年は、春に長いヨーロッパツアーがあり、帰ってきてすぐの5月にはドンセベスキーオーケストラと一緒の録音があったが、翌月の6月24日からハーフノートのライブがスタートだ。それから、8月、9月、11月と毎月のように続く。
有名な”Smokin’ At Half Note”に収められたのはその中から2曲だけ。当然他の演奏も気になる。後にこのVol.2が出て、全貌が明らかになった。最初のアルバムでは消化不良であったが、期待に反しないライブでの演奏がたっぷり聴ける。
この中には後にオーケストラを加えてアルバム化されたものあったが、このアルバムではすべてカルテットの演奏。惜しむらくは、一部曲の中でカットされたものがあること。その後コンプリート盤は出たのであろうか?

ウェスの良さは何もオーケストラを加えなくても何の飾りっ気もない「スッピン」でのプレーが素晴らしい事。その後オーケストラ付がヒットしてしまったせいか、’68年に亡くなるまでの間のライブアルバムは無いし、コンボでの演奏も僅か。
忙しくなってしまった合間を縫って、きっと地元のインディアナポリスに戻って、どこかで「スッピン」でリラックスした演奏していたのではないかと想像してしまう。
その時の演奏を聴いてみたいものだ。

1. No Blues
2. If You Could See Me Now
3. Willow Weep For Me
4. Impressions
5. Portrait Of Jennie
6. Surrey With The Fringe On Top
7. Oh, You Crazy Moon
8. Four On Six
9. Misty

Wes Montgomery (g)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)

Produced by Creed Taylor
Engineer : Rudy Van Gelder
Recorded Live at Half Note, New York, on July 24,25, August 13, Sep.17 1965


ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオVo2
Wes Montgomery
ポリドール
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ワンポイントマイクで聴く923 Big Bandの迫力は・・・

2012-05-08 | MY FAVORITE ALBUM
Introducing The Kunizo Big Band

連休中は雨でゴルフが流れたこともあり、ライブへ出掛けた回数が増えた。連休中の最後のライブは、KUNIZOこと木幡光邦率いる923 BIG BAND。
正統派4ビートから、ゴードングッドウィン張りの8ビートのファンキーな曲までレパートリーの幅は広い。前々回のライブは、彼が昔属していた東京ユニオンの譜面を再演というプログラムで、これはこれで盛り上がったオールマイティービッグバンドだ。

リーダーのKUNIZOさんは、ビッグバンド以外にも、ホットコルネットというアコースティックなサウンドのグループや、bbフラッツというジャズにこだわらず少し毛色の違うジャンルも幅広く演奏をするグループなども率い、さらには他のビッグバンドでも時折プレーヤーとして見かける。ライブだけでも多方面で大活躍だ。本人も語っていたが、50を過ぎて新境地が開けたそうだ。羨ましい限り。

今回メンバーはほぼレギュラーメンバーだったが、ベースとドラムがBBフラッツのメンバー。ベースの桜井奈緒子は演奏中の笑顔が可愛い女流ベーシスト。1部と2部の間では、そのBBフラッツの演奏も楽しめた。



今回のプログラムは、彼らのアルバムに収録されている曲が多く、最後はアンコールでアルバムの最初に入っているインナメロートーンの大盛り上がりで終わった。来月以降の予定も毎月決まっているようなので楽しみだ。

さて、この923 BIG BANDのアルバムは、白地にKUNIZOさんのイラスト入りの洒落たジャケットだが、実はこのアルバムはその録音で話題になった。
ジャズの録音というと楽器毎に多くのマイクを立てるマルチ録音が主流。さらにセクションの間を衝立で仕切ったりして、楽器その物の音の再現に力が注がれる。編集やオーバーダビングなども自由自在だ。
一方で、クラシックはワンポイントマイクでの一発勝負。コンサートホールの響きも考慮に入れたオーケストラ全体の音の再現がよい音作りの尺度になる。



このアルバムの録音は、ジャズのオーケストラでありながらワンポイントマイクで収録されたところがミソ。場所は杉並公会堂の小ホール。200席くらいなのでジャズには最適な広さだ。
昨年久々に大きなホールでデュークエリトンオーケストラを聴いたが、このコンサートではPAをほとんど使わず、オーケストラのサウンドがホールと一体となった演奏会だった。管楽器のアンサンブルは良かったがドラムの音のシャープさがどうしてもボケる印象であったが、このアルバムの録音も同様だ。いい悪いは別にしてヨーロッパのジャズ録音ではワンポイントマイクの音がする演奏を時々見かけるが、自分の好きなライブはやはり客席のテーブルの食器の音やプレーヤーが譜面を繰る音までリアルに入った録音に軍配が上がる。

こちらで詳しい解説が

このアルバムの録音は5年前。演奏自体はこのアルバムでも悪くは無いが、昨今の演奏は5年間の積み重ねでさらにこなれてきたようだ。もう一度このような録音をすれば、バンドの一体感が増した分、さらに素晴らしいオーケストラサウンドが聴けそうだ。

1. In A Mellow Tone
2. Take The A Train
3. When I Fall In Love
4. Hobo Flats
5. Caravan
6. Samoana
7. C.T.A
8. Elephantman-life
9. Everything Must Change
10. The Jazz Yoriki

Mitsukuni Kohata (to,g)
Masanori Suzuki (tp)
Isao Sakuma (tp)
Narihiro Kikuchi (tp)
Keisuke Nakamura (tp)
Jun Kondo (as)
Toshimichi Imao (as)
Tatsuya Sato (ts)
Masakuni Sano (ts)
Yasuo Niwa (bs)
Haruki Sato (tb)
Michi Kagiwada (tb)
Yoshiaki Hashimoto (tb)
Junko Yamashiro (btb)
Kazuaki Kondo (p)
Kiyoshi Murakami (b)
Shouji Hirakawa (ds)
Hiroaki Murakami (ds)

Produced by Koichi Kitagawa
Engineer : Todd Garfinkle

Recorded live, December,18, 2007. in the small hall of Suginami Kokaido,Tokyo




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過去の名演を再現するには色々手法はあるが、ジョンヘンドリックスが拘ったのは・・・

2012-05-05 | MY FAVORITE ALBUM
Love / Jon Hendricks & Company

せっかくの人生、忙しくてなかなかできなかった事を残された時間で色々やってみたいとは思うのだが、歳をとるにしたがってなかなか新たに事を始めるのは億劫になる。今までやっていたことの中で何か一つを極めるのも自分の生き様を全うするにはいいかもしれないと思うこの頃だ。このブログを再開したお陰でジャズを聴く時間は増えているのだが・・・さてそれだけでは?

女性陣に較べて劣勢な男性ジャズボーカルの中で一人忘れていけないのはジョンヘンドリックスだ。ジョンヘンドリックスはコーラスグループのランバードヘンドリック&ロスのメンバーであったが、このグループはジャズの過去の名演を歌にしてコーラスにすることを売りにしていた。
ボーカライズするには、スキャットはいいがちゃんと歌にするには歌詞をつけなければならない。この作詞をしたのもジョンヘンドリックスだ。ジャズの名演のコピーのやり方にはいくつかアプローチがある。LHRの得意技であるコーラスによるボーカライズもひとつの手法だ。マンハッタントランスファーなど他のコーラスグループにも引き継がれている。

このジョンヘンドリックスの活動は一歌手には収まらず多方面であった、作詞だけでなく良い演奏をボーカライズする想いも人一倍あったようだ。
ヘンドリックスは、LHRの解散後は独自で活動していたが、やはりコーラスでのボーカリーズは彼のライフワークとして拘りがあったのだろう、自らのグループCompanyを再編した。
ボーカライズはコーラスといっても普通のコーラスと違ってそう簡単に誰でもできるわけではないと思う。チームワークも大事だがオリジナルの演奏への想い入れも大事そうだ。
今回のグループは気心の通じ合った家族同士が中心。ジョンのワイフのJudithと娘のMicheleを加えたグループだ。
兄弟によるコーラスグループにはミルスブラザーズ、夫婦のグループだとジャッキー&ロイがあるが、夫婦+娘という組み合わせはあまり聴いたことがない。この3人にLeslie DorseyとBob Gurlandが加わった5人編成だ。このガーランドがトランペットを声で模すVoice trumpetを披露してくれるが、実にこれがいい感じだ。最近の活動の様子がビデオにあるが、彼のボイストランペットはこのようなボーカライズのコーラスグループと一緒だとより映える。



LHRの時とアプローチは同じなので、元となる演奏と対比してみると新たな発見があるかもしれない。きっと彼らの選曲にも理由があると思うので、その拘りが見えてくると興味も増す。きっと歌詞にも意味があるのだろう。

このアルバムに収録されている曲の中に、サドメルのオーケストラの演奏で有名な”Groove merchant”が入っている。サドメルではセントラルパークノースというアルバムに入っていたが、ファンキーなノリの良い曲でお気に入りのひとつだ。
作曲はサドジョーンズではなく、当時のサドメルのオーケストラのサックセクションの重鎮ジェロームリチャードソンだ。サドメルのオーケストラのアレンジではリチャードソンのソプラノがリードするサックスセクションのソリが素晴らしい。

このアルバムでは、そのリチャードソン自身がテーナーでバックに参加している。そしてメンバーをよく見るとジミースミスもオルガンではなくピアノで。自分の作った曲がこのように形で新たなメンバーで、新しい姿に生まれ変わっていくのに参加できるのは作曲家冥利に尽きるだろう。



1. Royal Garden Blues         Williams, Williams 3:07
2. Bright Moments                 Kirk 3:41
3. Willie's Tune                       4:34
4. Good Ol' Lady                Hendricks 3:29
5. Lil' Darlin'                    Hefti 4:25
6. I'll Die Happy                       2:04
7. Love (Berkshire Blues)                   4:40
8. Tell Me the Truth           Dunson, Hendricks 3:37
9. The Swinging Groove Merchant (Groove Merchant) Richardson   5:33
10. Angel Eyes                Brent, Dennis 4:31
11. In a Harlem Airshaft (HarlemAirshaft)          2:57

Jon Hendricks (vol)
Judith Hendricks (vol)
Michele Hendricks (vol)
Leslie Dorsey (vol)
Bob Gurland (vol,voice trumpet)

David Hazeltine (p)
Jon Burr (b)
Marvin "Smitty" Smith (ds)

Harry "Sweets" Edison (tp)
Jerome Richardson (ts)
Jimmy Smith (p)
John Williams (b)
Marvin "Smitty" Smith (ds)

Produced by Jon Hendricks
Buddy Pollock : Engineer
Robert Grogan : Engineer
Richard Greene : Engineer

Recorded at P.D Recorders,Hollywood CA, 1981
      at Russian Hill Recordind,San Francisco, CA, September & November 1981
      at Sundragon Studio, NYC, January & February 1982

Love
Jon Hendricks
Muse Records
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Birdとの夢の共演を作り出すことができたのはレニーニーハウスの拘り・・・

2012-04-22 | MY FAVORITE ALBUM
Bird / Charlie Parker (Original Motion Picture Sound Track)

レニーニーハウスは、アルトのプレーだけでなく編曲や映画音楽の世界で活躍したが、有名なのはチャーリーパーカーを題材にした映画「バード」のサウンドトラックだろう。




音楽やミュージシャンを題材とした映画で一番困るのはバックの音楽。ドキュメンタリー映画であれば、オリジナルの音源を音質が悪かろうが断片的であってもそれを使うことに意義がある。ところがドラマ仕立てをした物は、曲自体を使うことがあっても古いオリジナルの音源を使うことはなかなか難しい。特に古い音源であればその音質も問題になるので。

今回のチャーリーパーカーとなると、ジャズの神様のような人物なので影武者を立てるにしても、影武者がパーカー風はできてもオリジナルバードの再現をするのは難易度が高すぎる。
ジャズ好きの監督であるクリントイーストウッドと、それを支える音楽監督であるニーハウスが出した結論はやはりオリジナルのバードを使うこと。
まさに本物のサウンドトラックだ。しかし、単なるバックグラウンド音楽であればまだしも、演奏映像と同期をとった音となると残された過去の音源をそのままで使うことは難しい。

そこで考え付いた方法は、パーカーのアルトのプレーはオリジナルを使い、バックの演奏を新たに取り直して、パーカーのプレーと一体化させること。
歌や演奏とバックのオーケストラを別に録音してミックスダウンすることは当たり前にやられているが、今回の方法は過去の演奏からパーカーのプレー以外の音を除いてソロの音源を作り出して、それに合わせてバックのアレンジや演奏を後から行うという方法。技術的にも演奏も難易度が高い方法であった。
この全体を取り仕切ったのがレニー・ニーハウスということだ。単なるアレンジ以上の苦労があったと思う。パーカー役のホレスト・ホイテッカーにアルトのキーワーク教え込んだら撮影が終わる時には実際にアルトが吹けるようになっていたとか。

新たにバックを務めたミュージシャンは、ピアノのモンティーアレキサンダー、ベースのレイブラウン、ドラムのジョンゲランなどを中心とした面々だが、まさかバードと共演できるとは思わなかっただろう。
完成度を高めるためにニーハウスは、アンサンブルでは影武者にチャールスマクファーソン、ガレスピーの代役にはガレスピーの信奉者のジョンファディスを起用し、With stringsではパーカーのプレーのコードに合わせてストリングスのアレンジを一部書き換える拘りだったそうだ。
こうなると、このアルバムは単なるイミテーションやサンドラ盤ではなく、新たに創作された立派な芸術品ともいる作品だ。

1. Lester Leaps In
   Charlie Paker (as)
   Monty Alexander (p)
   Ray Brown (b)
   John Guerin (ds)

2. I can’t Believe That You’re In Love With You
   Charlie Paker (as)
   Monty Alexander (p)
   Ray Brown (b)
   John Guerin (ds)

3. Laura
   Charlie Paker (as)
   Barry Harris (p)
   Chuck Berghfer (b)
   John Guerin (ds)

4. All Of Me
   Charlie Paker (as)
   Monty Alexander (p)
   Ray Brown (b)
   John Guerin (ds)

5. This Time The Dream’ss On Me
   Charlie Paker (as)
   Monty Alexander (p)
   Ray Brown (b)
   John Guerin (ds)

6. Ko Ko
   Charlie Paker (as)
   Charles Mcpherson (as)
   John Faddis (tp)
   Walter Davis Jr. (p)
   Ron Carter (b)
   John Guerin (ds)

7. Cool Blues
   Charlie Paker (as)
   Walter Davis Jr. (p)
   Ron Carter (b)
   John Guerin (ds)

8. April In Paris
   Charlie Paker (as)
   Barry Harris (p)
   Chuck Berghofer (b)
   John Guerin (ds)

9. Now ‘s The Time
   Charlie Paker (as)
   Charles Mcpherson (as)
   Red Rodney (tp)
   Walter Davis Jr. (p)
   Ron Carter (b)
   John Guerin (ds)

10. Ornithology
   Charlie Paker (as)
   Charles Mcpherson (as)
   John Faddis (tp)
   Walter Davis Jr. (p)
   Ron Carter (b)
   John Guerin (ds)
   Chalie Shoemake (vib)

11. Parker’s Mood
   Charlie Paker (as)
   Barry Harris (p)
   Chuck Berghofer (b)
   John Guerin (ds)

Produced by Clint Eastwood & Lennie Niehaus
Engineer : Bobby Fernandez


Bird: Original Motion Picture Soundtrack
Lennie Niehaus
Sony
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モントルーでのクラークテリーのビッグバンドは国際色豊かに・・・・

2012-04-14 | MY FAVORITE ALBUM
Clark Terry at the Montreux Jazz Festival with the International Festival Big Bnad

クラークテリーのビッグバンド ”Big Bad Band” のライブアルバムが自費出版ながらヘレンキーンのお陰でやっと陽の目を見ることができたのには伏線があった。

ビルエバンスのライブが大成功で終わった’68年のモントルージャズフェスティバルであったが、フェスティバル自体も2年目を無事乗りきって実行委員長を務めていたジャズ評論家のジーン・リースを始めてとして関係者は自信を深めていた。
フェスティバルにはアメリカからのゲストプレーヤーもいたが、ヨーロッパ各地から多くのミュージシャンが集りその腕前を存分に発揮していた。中でも副委員長であった、バークレー音楽院の管理職であったロバートシェアは、若いヨーロッパのミュージシャンの実力に感銘を受け、彼らのオーケストラを是非編成しようということになった。
このようなオーケストラはリーダーが大事だが、それにはアメリカのトップミュージシャンを当てることにした。ヨーロッパではクインシージョーンズが有名だったが独自の路線を歩み始めていたし、サドージョーンズはまだオーケストラを編成した直後でこの頃はまだ自分のオーケストラで精一杯であった。その中で、選ばれたのがクラークテリーであった。ビッグバンド暦は、エリントン、ベイシー、そしてクインシーと渡り歩いて経験十分。そして何より適任であったのが、優れたミュージシャンであるだけでなく、アメリカ中で学生バンドのクリニックをしている教育者でもあったことで、満場一致でテリーが選ばれた。

翌1969年の夏、フェスティバルが近づくにつれて、否が応でも興奮と期待が高まってきた。ポリドールでアルバムが作られることになり、そのプロデュースをヘレンキーンが行うことになった。これが、ヘレンキーンとクラークテリーのビッグバンドの出会いであった。
メンバーはテリーとアレンジを担当し自らテナーも吹く片腕のアーニーウィルキンス以外はすべてヨーロッパ在住者で固められた。ヨーロッパのミュージシャンの実力はかなりの水準であったが、ことリズム隊に関しては今ひとつ乗りが悪いという風潮があり心配の種であったそうだ。結局、言葉も異なる12カ国からの若いミュージシャンが集った混成部隊となり、事前のリハーサルも入念に行われた。3日間1日3時間の練習を経て、テリーの指導の下オーケストラとしては完成の域に達して無事本番を迎えることができた。

フェスティバルの最終日、このオーケストラが舞台に上った。心配されたリズムセクションだったが、アメリカ出身でヨーロッパに居を移したヴァイブのデイブパイク、コンガのスティーブボストンの2人以外は、ギターがイスラエル、ピアノがハンガリー、ドラムがフランス、ベースはロシアとデンマーク出身という国際色豊かなチーム編成になった。
テリーとウィルキンスの指導の甲斐あって、出だしのSwiss Airからよくスイングするオーケストラがスタートする。各セクションのアンサンブルだけでなく、若手メンバーのソロもたっぷり聴ける。もちろんテリーのソロも随所にちりばめられているが、トランペットにフリューゲルホーン、そしてポケットトランペットからマウスピース、得意のボーカルまで駆使してプレヤーとしてのテリーも大乗だ。また、ライブはトラブルが憑き物。スターダストの演奏中、会場の地下の電源が落ちてメインの録音機材がストップしてしまったことが唯一の目算違いであった。

このオーケストラの成功を実感して、テリーはアメリカに帰ってからヨーロッパであそこまでできるならアメリカでも出来ない訳が無いという気持ちになったのではないか。そして自分のオーケストラに懸ける情熱が沸々と沸き上がっていったのではないかと思う。

1. Swiss Air
2. All Too Soon
3. Mumbling In The Alps
4. Stardust
5. Broadway Joe
6. Levee Camp Blues

Clark Terry (tp.flh)
Ernie Wilkins (ts,arr.)
Rudolf Tomsits (tp)
Richard Pousselet (tp)
Franja Jenc (tp)
Hans Kennel (tp)
Zdenek Pulec (tb)
Frode Thingners (tb)
Raymond Droz (tb)
Xxxxxx?(tb)
Eric Anderson (as)
Xxxxx?(ts)
Xxxxx?(as)
Xxxxx?(bs)
George Vucan (p)
Dave Pike (vib)
Louis Stewwart (g)
Franco Manzecchi (ds)


Produced by Helen Keane
Engineer : Pierre Grandjean of Technical Department Radio Suisse Romande
Recorded June 22,1969, at the Casino De Montreux,Switzerland

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いいアルバムが生まれるのは、プレーヤーだけでなくプロデューサーの手腕によるところが大きい・・・・

2012-04-12 | MY FAVORITE ALBUM
Bill Evans At The Montreux Jazz Festival

クラークテリーのアルバムのプロデュースでヘレンキーンの名前が出てきたが、彼女といえばやはりビルエバンスとのコンビであろう。
大手レーベルの有名プロデューサー達を差し置いて、彼女はビルエバンスのマネージャー兼プロデューサーの地位に納まった。彼女とエバンスとの付き合いは1963年からエバンスが死ぬ1980年まで続く。実際に彼女がプロデューサーとなったアルバムは、このアルバムよりも少し前.からだと思うが、Verveに移籍してからのエバンスというのは、オーケストラとの共演があったり、ソロがあったり、シェリーマンとの共演があったり、リバーサイド時代のせっかくのトリオとしてのまとまりが活かせていないような気がしていた。

ジャズのいいアルバムができるというのは、レーベルのコンセプトと、それを実現するためのプロデューサーに負う所が大きい。しかし、大手レーベルの場合はどうしても売れるタレントと売れる企画になりがちだ。ジャズの場合も同様で、大手レーベルのアルバムはとかく大物ミュージシャンに流行のものをやらせればいいというものになってしまう。巨人が有名選手をトレードで集めるのと同じで、育てていくという姿勢が少なくなる。当時のVerveもそのような状況であったと思う。

ところが、彼女がプロデューサーになってからは、エバンスのトリオは纏まりをみせてきた。そして、このアルバムが生まれた。「お城のエバンス」は当時から話題になったし、ジャズ喫茶でもよくかかった。このアルバムを初めて聴いた時は、誰しも衝撃を受けたと思う。あのエバンスのトリオが進化したので。

ゴメツの加入は少し前からであったが、ジャックディジョネットの参加はこれが最初。というか、これ一枚かもしれない。ところが、この3人のコラボレーションが実に絶妙だ。
いい演奏が多いエバンスのライブだが、これはいつものクラブでのライブではない。モントルーは大きなカジノのステージだ。有名なモントルージャズフェスティバルおステージだが、このアルバムが録音された前年1967年が第一回。この年が2回目で、エバンスは特別な招待を受けたとか。エバンスのとっては晴れの舞台である。場所がスイスというのが別の印象を与えているのかもしれない。新鮮な感覚はジャケット写真の与えるイメージも大きい。
色々な要素のすべてが上手く噛み合って、新生エバンストリオをプレゼンテーションできている。久々に聴いたが、やはり自分のとってもお気に入りの名盤の一枚だ。

所属レーベルが変って、自分の持つ素質の新しい側面を出すミュージシャンも多い。しかし、多くの場合はレーベルの営業政策も微妙に影響してくる。しかし、エバンスの場合は良くも悪くもエバンスありき。レーベル事情で内容を振り回すより、エバンスを引き出す役割としてのプロデューサーが重要だ。エバンスとってマネージャーを兼ねるヘレンキーンは適役だったかも。いいアルバムが生まれる条件としては、いいマネージャーに恵まれることもひとつの条件だ。煩雑な交渉ごとや調整ごとに振り回されることなく、このような場が設定されて演奏に没頭できるので。

ヘレンキーンは、エバンスの他にも、アートファーファーマー、キャロルスローン、ケニーバレルなのプロデュースを引き受けていた。誰もが、ジャズを純粋にプレーしたいというミュージシャン達。このようなプロデューサーが多くいてくれれば、いいアルバムが後世に残せるのだが。

1. One for Helen         Evans 5:22
2. A Sleepin' Bee         Arlen, Capote 6:05
3. Mother of Earl         Zindars 5:14
4. Nardis             Davis 8:23
5. I Loves You, Porgy       Gershwin, Gershwin, Heyward 6:00
6. The Touch of Your Lips     Noble 4:45
7. Embraceable You        Gershwin, Gershwin 6:45
8. Someday My Prince Will Come  Churchill, Morey 6:08
9. Walkin' Up           Evans 3:45

Bill Evan (p)
Eddie Gomez (b)
Jack Dejohnette (ds)

Produced by Helen Keane
Enginner : Pierre Grandjean & Jean-Claude Martin

Recorded live at the Casino de Montreux on June 15,1968

<tdBILL EVANS/td>
モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのビル・エヴァンス+1
ユニバーサル ミュージック クラシック
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せっかくの素晴らしい「エリントン特集」のコンサートが、ファンに知られることもなく・・・・

2012-04-07 | MY FAVORITE ALBUM
Masterpieces by Ellington / Duke Ellington Orchestra

先日、マイク・プライスのオーケストラのライブがあった。いつものライブでもエリントンの曲が何曲かはプログラムに入ることがあるが、今回はエリントン特集、それも「ハーレム組曲」をやるという。さらにアメリカワシントンDCにあるスミソニアン協会によって催される広く世に知れた「スミソニアンジャズ感謝・鑑賞月間イベント」の協賛コンサートということで期待して出かけてみた。
結果は予想以上の素晴らしい演奏。さすがマイクプライスだ、メンバーを含めて気合の入った演奏を楽しめた。普段のエリントン関連のコンサートでは、お馴染みのナンバーを並べてエリントンの雰囲気を楽しむだけのものが多い中で、エリントンの組曲をじっくり聴かせてくれるコンサートはあまりない。あのエリントンサウンドを生で聴けるとは思わなかった。プライスを始めとしたメンバーの面々に感謝したい。



ところが、せっかくのコンサートでありながら駆けつけた聴衆は僅か数組。
ビッグバンドのファンは確かに多くはないが、いつものライブでももう少し多い。毎年行われるビッグバンドジャズフェスティバルはいつも満員の聴衆が大ホールを一杯にする。その中にはエリントンファンの多いはずだ。自分はけっしてエリントンの熱狂的なファンではないが、エリントンのめったに生では聴けない曲を聴けるというので馳せ参じたのであったが。

アメリカでは文化遺産としてのジャズを伝承する試みを多く行っている。それと比較するとこのような日本の状況にはお寒いものを感じる。ひょっとして日本のジャズファンとは自分を省みても、特定のミュージシャン、それも彼らの過去の遺産であるレコードに関しては血眼になって追い求めるものの、曲(アレンジ)や演奏そのものは二の次なのではないかと。辰己哲也さんが言っているように、「ジャズの名アレンジを一時のものとして葬り去ってしまうのはもったいない」というのが良くわかる。

また、せっかく企画されたイベントやコンサートがファンに知られることなく、集客に苦労しているのも困ったものだ。
インターネットが普及して以前に較べて情報の拡散・収集が楽になったとはいえ、このようなニッチな情報を広め、反対に捜し求める人を結び付けるのは確かに難しいとは思う。潜在的なファンは多いはずなので、もっとこのようなライブ情報が広く知れ渡るといいと思うし、それを知ったファンはこのような機会には是非で出かけてみるといい。家にこもってレコードやCDを聴いているのもいいが、生の演奏に接するとレコードを聴く時も一段と世界が広がる。せっかくのミュージシャン達のこの様な試みを是非絶やさないためにも、一ファンとしては今後も出来る限りライブ会場に出かけてみることにしようと思う。

デュークエリントンとビリーストレイホーンのコンビによる組曲はLP時代の前から多く作られた。LPレコードが出る前はコンサート用の長い演奏をレコードに収める事ができなかったが、LPの時代になってコンサート用のフルバージョンのレコーディングも行われるようになって、エリントンの曲の全貌がレコードでも楽しめるようになった。その中でも、組曲シリーズはこのような形でライブ演奏と合わせてじっくり聴き直してみたいものだ。

というような事を考えながら、当日演奏された、The tattooed Brideや、Diminuendo And Crescendo In Blueを聴き返しながら・・・。



1. Mood Indigo          Bigard, Ellington, Mills 15:28
2. Sophisticated Lady       Ellington, Mills, Parish 11:30
3. The Tattooed Bride       Ellington 11:44
4. Solitude            DeLange, Ellington, Mills 8:23

Duke Ellington & His Orchestra
Cat Anderson (tp)
Harold "shorty" Baker (tp)
Nelson Williams (tp)
Andrew Merenghito "Fats" Ford (tp)
Ray Nance (tp)
Lawrence Brown (tb)
Quentin Jackson (tb)
Tyree Glenn (tb)
Mercer Ellington (French Horn)
Johnny Hodges (as)
Jimmy Hamilton (ts,cl)
Russell Procope (as,cl)
Paul Gonsalves (ts)
Harry Carney (bs)
Duke Ellington (p)
Billy Strayhorn (p)
Wendell Marshall (b)
Sonny Greer (ds)
Yvonne Lanauze (vol)

Recorded at Columbia's 30th Street Studio on December 19,1950

Masterpieces By Ellington
Duke ellington
Sony Jazz
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商業主義に毒されたレコード業界で、メインストリームなアルバムを作るのは今も昔も大変・・・

2012-04-04 | MY FAVORITE ALBUM
Clark Terry’s Big Bad Band in Concert-Live

クインシージョーンズのオーケストラのヨーロッパ遠征に加わったメンバーは皆実力者揃い。そして皆ビッグバンドを愛する者であったと。特に、クラークテリー、フィルウッズ、ジェロームリチャードソンは、色々と苦労はあったと思うが帰国後のクインシーのオーケストラの演奏にもいつも馳せ参じていた。
クインシーのオーケストラが解散した後は、スタジオワークをベースにそれぞれの道を歩むが、リチャードソンはサドメルのオーケストラに、ウッズはソリストとしてヨーロッパでヨーロピアンリズムマシーンを立ち上げる。

そしてクラークテリーはNBCの音楽監督に納まり、ニューヨーク時代の”Tonight Show”のバンドメンバーに加わる。一方で、ボブブルックマイヤーとの双頭でグループ活動も続け、ジャズへの情熱は消えることはなかった。そのクラークテリーもエリントンオーケストラの出身であり、ビッグバンド好きであることは皆と変らず、時に自分のビッグバンドを編成することに。
そのような中、「いつも演奏している狭いクラブではなく大きなスペースでのコンサートを」と常連のファンから提案された。話はとんとん拍子に進み、プロモートも集客も大変だったが、熱心なファンが集ってまずは無事にコンサートを終えた。1970年2月15日のことであった。

その模様は、予定通り収録されたのだが、それをレコードにしようという段階で問題が生じた。コンサートの結果の評判はまずまずであったが、いざそれをレコードで出すとすると、プロデューサーやA&Rマン達は皆揃ったように「今時ジャズなんかやっているのは誰もいないんだよ。ボーカルもソウルも無いアルバムなんて誰が買うの?」と。皆、2枚舌を使って、本心でこのビッグバンドの演奏をレコードにしようという業界人は誰もいなかった。70年代に入ったばかりのメインストリームジャズの置かれた状況はそのような状況だったということだ。

テリーが諦めかけた時、相談に行ったのはビルエバンスのプロデューサーであった、あのヘレンキーン女史であった。彼女も色々動いてくれたが、「結論は自分で出すこと」が最善との結果となる。当時はスタンケントン、アニタオデイ、ジョージシアリング、ライオネルハンプトンなど、往年の大スターが皆同じような境遇であったようだ。

細々と通販で、といっても今のようなインターネットも無い時代に、やっと陽の目を見たのがこのアルバム。後にビッグバンドに多少日が当たるようになってこのクラークテリーの”Big bad Band”は何枚かのライブアルバムが作られたが、これがお披露目であった。

アレンジは、クラークテリーのビッグバンドでは片腕の存在のアーニーウィルキンスに加えて、フランクウェスとフィルウッズ。昔の仲間のウッズはその時ヨーロッパなので参加できなかったが、ウッズの名曲Hymn for Kimを加えている。
テリーのプレーも自分のビッグバンドをバックに溌剌としているが、他のメンバーのソロもたっぷりと聴ける。ウッズの曲はアルトではなく、その後BSTに加わったトローンボーンのDave Bargeronが聴ける。

8ビートやフュージョン系のビッグバンドが登場した頃、エリントン、ベイシー、クインシーに続くメインストリームのビッグバンドもそこで活躍したテリーによってちゃんと生き残っていた証左だ。これから何年かして、ビッグバンドがまた桧舞台に上るようになるが、何の世界でも不遇な時に頑張ればこそ明日があり、頑張るにはよき友が必要だ。何事でも駄目な時に踏ん張っていられるのが本物だが、ヘレンキーンもエバンスだけでけでなく、良いジャズを残すために頑張っていた本物かも。

1. Shell Game             
2. Here’s That Rainy Day       
3. Rock Skipping at Blue Note
4. Big Bad Band
5. Dirty Old Man
6. On The Trail
7. Fading Fleur
8. Hymn For Kim
9. Take The “A” Train

Vigil Jones (tp)
Lou Soloff (tp)
Lloyd Michaels (tp)
Ray Copeland (tp)
Sonny Costanza (tb)
Jack Jeffers (tb)
Dave Bargeron (tb)
John Gardon (tb)
Frank Wess (as)
Chris Woods (as)
Ernie Wilkins (ts)
George Coleman (ts)
Joe Temparley (bs)
Don Friedman (p)
Victor Sproles (b)
Mousey Alexander (ds)

Arr.
 : Phil Woods : 2,8
 : Frank Wess : 1,5,7
 ; Ernie Wilkins : 4,6,9
 : Billy Strayhorn : 3

Produced by Helen Keane
Engineer : Bob Schwartz

Recorded live at Big Barn on 57st St. next to the Russian Team Room, New York on Feb.15, 1970

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大きな編成ではサックスアンサンブルが一番好きだ・・・・

2012-04-02 | MY FAVORITE ALBUM
Star Dust / Keiji Hori & Mellow Saxophone Ensemble

ビッグバンドの楽しみはアンサンブルとソロ。同じ編成でもオーケストラによって全く違う音がする。バンドカラーもあるが、それを生かすアレンジの妙を聴くのも楽しみの一つ。
小さな編成でもそれなりのアレンジはあるが、アンサンブルを楽しむにはそれなりの大きな編成が必要だ。オクテットやテンテット位になると、先日のデイブペルではないがかなり個性的なアンサンブルが楽しめる。このくらいの編成だと、違う楽器を組み合わせるのとは別に、よくサックスだけ、あるいはトロンボーンだけといったように同じ楽器のアンサンブルを極めるグループも多い。同じ楽器といってもよくあるバトル(対決)物と違って、ソロを競うというよりは、緻密にアレンジされたアンサンブルが売りになる。自分は、サックスのアンサンブルが好きであるが、サックスアンサンブルといえば何と言ってもスーパーサックス。その企画性と合わせてパーカーの切り開いたジャズのサックスの究極を求めたものかもしれない。他にもサックスアンサンブルを売りにするグループは多いが・・・・。

京王線の柴崎の駅前に「さくらんぼ」という小さなジャズ喫茶&ライブハウスがある。月に何回かのライブだが、オーナーの好みもあるとは思うが、拘りを感じるグループが良く出演している。そこに年に何回が出演しているサックスアンサンブルのグループがある。掘恵ニ&Mellow Saxophone Ensembleだ。昔は前田憲男のグループがあったが、今ではこのグループが一番だろう。

マーシャルロイヤル張りの輝くアルトの堀恵二を中心にサックスの達人が集っているグループだ。メンバーも固定していてグループとして活動も20年近くになるという知る人ぞ知るグループだ。ビッグバンドで経験豊富なメンバー達のこなれたアンサンブルはいつ聴いても素晴らしい。このグループの活動のひとつのマイルストーンとして録音したのがこのアルバム。何年か経って昔話をする時に、記念となるアルバムが残っているということは当事者にとってもファンにとっても有難いことだ。

曲によってサックスだけでなく他の木管の持ち替えもあり、リズム無しのサックスアカペラが2曲など、アンサンブルとしての表現も多彩だ。1曲目のストレートノーチャイサーではアップテンポでメンバー紹介を兼ねたソロの受渡しの後、サックスのソリでまずは軽くバンドの自己紹介。後もスタンダード曲ばかりなので、お馴染みのメロディーの美しさがアレンジに映える。スローなハウマイハードシングスのフルートとクラリネットのアレンジも演奏も秀逸。クリフォードもいつもはトランペットが多いのでサックスが新鮮。最後はエリントンメドレーで締める。エリントンナンバーというのは変化と特徴があってメドレーには最適だ。

録音した場所は、信州は佐久の山の中のスタジオだそうだ。周りが都会の喧騒を離れた空気の済んだ場所のせいか、サウンド自体も実に輝かしくに清清しい。収録にあたっての逸話はCD購入者だけの内緒話とのことなのでここでは伏せておくが、いつもの仲間同士の和気藹々とした収録風景が伝わってくる。

次回のライブは4月28日。場所も都心から離れているが、お近くの方は是非一度は生で聴いてみるといいグループだと思う。

1. Straight, No Chaser          Thelonious Monk
2. Invitation                Bronislaw Kaper
3. The Star Crossed Lovers       Duke Ellington & Billy Strayhorn
4. Memories Of You           Eubie Blake
5. Someone To Watch Over Me     George Gershwin
6. How My Heart Sings         Earl Zindars
7. I Remember Clifford         Benny Golson
8. Milestones              Miles Davis
9. Star Dust              Hoagy Carmichael
10. Ellington Medley
  ・Things Ain't What They Used To Be   Mercer Ellington
  ・Prelude To A Kiss           Duke Ellington
  ・It Don't Mean A Thing         Duke Ellington
  ・Sophisticated Lady          Duke Ellington
  ・Take The“A”Train          Billy Strayhorn

<編曲>

高橋 達也 TAKAHASHI Tatsuya ...3
川村 裕司 KAWAMURA Yuji .......9
香取 良彦 KATORI Yoshihiko ....1,6,7
福澤 知成 FUKUZAWA Tomonari....2,4,5,8,10


堀 恵二 HORI Keiji
  Alto Saxophone, Soprano Saxophone, Clarinet, Flute
今尾 敏道 IMAO Toshimichi
  Alto Saxophone, Alto Flute
川村 裕司 KAWAMURA Yuji
  Tenor Saxophone, Flute
白石 幸司 SHIRAISHI Koji(7曲目を除く)
  Tenor Saxophone, Clarinet
吉田 治 YOSHIDA Osamu
  Baritone Saxophone, Bass Clarinet
板垣 光弘 ITAGAKI Mitsuhiro(2,5,7曲目を除く)
  Piano
ジャンボ 小野 Jumbo ONO(2,5,7曲目を除く)
  Bass
八木 秀樹 YAGI Hideki(2,5,7曲目を除く)
  Drums

プロデューサー,ディレクター............堀 恵二
アシスタント ディレクター...............福澤 知成(ぼんとも・ミュージック)
レコーディング,ミキシング エンジニア...篠崎 秀樹(SFO香坂スタジオ)
録音場所.....SFO香坂スタジオ
録音日.......2008年3月26~27日
マスタリング エンジニア...鳥光 浩樹



スター・ダスト
堀恵二&Mellow Saxophone Ensemble
MSE
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