A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

CANNONBALL ADDERLEY QUINTET IN CHICAGO

2007-02-14 | MY FAVORITE ALBUM
御大抜きのセッションといえば、キャノンボールアダレイのCicagoでの録音も有名だ。
1959年2月マイルスのバンドはCHICAGOのSutherland Hotel に出演していた。このホテルのラウンジは、当時、その地区で、一番エレガントで広々したJAZZ ROOMだったらしい。そこにはMILESをはじめとした、有名ミュージシャンが連夜出演していたそうだ。

これは、そのChicago滞在中に、MILES抜きでAdderleyがリーダー格になって他のメンバー達で集まって吹き込まれたアルバムだ。
ハードバップ全盛期だった50年代最後の年の1959年は、MILESもモードJAZZへの転機を迎えようとした時。他のメンバーも、それぞれに自分達の次の進み方を模索し始めていた時だ。
このアルバムはJAZZが次の時代に変わろうとした時に、それを推進する若手の面々が将来を見据えながらも、マイルスの呪縛から逃れて自分達の「今」を思いきって出し切った演奏としても重要なのだろう。
これがリーダー抜きでも、このアルバムが名盤と言われる所以だ。

この時代は、JAZZの演奏だけでなく、色々なものが転換期であった。
レコードの世界も、LPレコードが普及し、それがステレオに進化し始めた時。
しかし、各家庭へのステレオプレーヤーは当然まだ普及していなかった。レコードはモノラルとステレオ両方で発売されていた頃だ。このアルバムを題材に、その頃のレコード会社の混乱状態を紐解いている記事が、MERCURYレーベルの研究家のMASTUBAYASHI氏のサイトにある。歴史検証としては大変素晴らしい。趣味の世界もここまで昂じるとただ感心するばかり。

一方で、録音技術はテープレコーダーの進化により、信じられない程高品質な録音が行われていた。この頃のJAZZアルバムは、録音エンジニアの名前がクレジットされているものが多いが、そのテクニックや個性の違いが出ていた時代でもある。このアルバムもオンマイクでの各楽器の粒立ちの良い録音が素晴らしい。

演奏の方は、改めて紹介するまでもなくすべてが名演。個人的には最初のLIMEHOUSE BLUESと続くSTARS FELL ON ALABAMAの2曲で満足。

Limehouse Blues
Stars Fell on Alabama
Wabash
Grand Central
You're a Weaver of Dreams
The Sleeper

Cannonball Adderley(as)
John Coltrane (ts)
Wynton Kelly (p)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (d)

Universal Recording Studio B, Chicago, IL, February 3, 1959
コメント
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