A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

戦後の本場アメリカへのジャズ修行の第一号はTOSHIKO・・・・・

2012-07-01 | MY FAVORITE ALBUM
Many Sides of Toshiko / Toshiko Akiyoshi

宮嶋みぎわが作曲の勉強のためにアメリカに渡るそうだが、最近の若いプレーヤーはアメリカで学び、そして武者修行を経験してくるのが当たり前になっているようだ。音楽の世界もすっかり国際化され、腕前も本場のミュージシャンに負けない者が多く育っているのは嬉しいものだ。

ジャズのアメリカ留学はナベサダが有名だが、戦後の第一号は何と言っても秋吉敏子だろう。満州から引き上げ、クラシックピアノから見よう見まねでジャズの世界に入り、バークレーに留学のためアメリカに渡ったのは1956年1月だった。53年にJATPで来日したオスカーピーターソンに見出されて、ノーマングランツの元でレコーディングの機会も得てからはトントン拍子の出世だった。

ボストンでジョージウェインと付き合いがあったおかげで、57年のニューポートにも出演し、その年にはニューヨークデビューも果たしていた。地元ボストンやニューヨークのライブハウスだけでなく、シカゴのロンドンハウスなどへも出演していたようだ。
ロンドンハウスといえば、ピーターソンのライブアルバムで有名なところだが、ここはライブハウスとは言っても本来はステーキハウス。ちょっと高級なクラブであったらしい。したがって、演奏する曲もオリジナルやバップの曲というより、スタンダードな曲も求められたそうだ。

敏子といえば、バドパウエルの「そっくりさん」からがスタート。アメリカへ渡って直ぐも男勝りのパウエルスタイルの演奏が売りであった。しかし、仕事の幅が広がると曲だけでなく、演奏スタイルもだんだん洗練されてきた。
57年の秋、丁度ペッパーアダムスがニューヨークに帰還して再び東海岸で活動を始めたのと同じ時期。その頃の演奏が収められているのがこのアルバムだ。

ドラムは、晩年はすっかりコンコルドレーベルで有名になったジェイハナ。ボストン出身で、この頃はレコーディングだけでなく、ライブでも敏子と一緒に演奏することも多かったようだ。ベースも若手のジーンチェリコ。

タイトルのように発展途上の秋吉敏子のピアノプレーがスオリジナル中心にスタンダード、そしてグルービーなバグスグルーブ(最後までおなじみのメロディは出てこないが)までたっぷり楽しめる。トシズファンタジーはオリジナルな組曲だが、当時から作曲だけでなくオーケストラ用のアレンジも始めていたようだ。という意味では、その後の彼女の活躍のベースとなるようなアルバムだ。

1. The Man I Love    George Gershwin / Ira Gershwin  5:29
2. Minor Moods (Midnight Lament)  Ahmad Kharab Salim  4:18
3. After You've Gone  Henry Creamer / Turner Layton  3:27
4. We'll Be Together  Toshiko Akiyoshi  4:31
5. Studio J      Toshiko Akiyoshi  3:17
6. Tosh's Fantasy   Toshiko Akiyoshi  9:05
   Down a Mountain
   Phrygian Waterfall
   Running Stream
7. Bags' Groove    Milt Jackson    6:51
8. Imagination    Toshiko Akiyoshi   3:35

Toshiko Akiyoshi (p)
Eugene Cherico (b)
Jake Hanna (ds)

Recorded on October 4, 1957 in NYC

メニー・サイズ・オブ・トシコ
Toshiko Akiyoshi
ポリドール
コメント
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