A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

好きなレーベルの新人は、聴く前から演奏イメージが掴みやすい・・・・

2015-01-26 | CONCORD
Coming Out / Johnny O’Neal

1983年のオーレックスジャズフェスティバルは、ローズマリークルーニー&レスブラウンオーケストラ、そしてバドシャンク&ショーティーロジャースのウェストコーストオールスターズが目玉だった。
そして、お馴染みのジャズメッセンジャーズだが、このメンバーが凄かった。OBのベニーゴルソンとカーティスフラーのベテラン2人に、トランペットはウィントンマルサリスとテレンスブランチャードの新人2人のダブルキャストという豪華編成だった。その時のメンバーの映像があった。ウィントンマルサリスが若い。



実は、この映像にも映っているが、あまり目立っていないピアノがジャズメッセンジャーズの新人のジョニーオニールである。ちょっと見には年齢不詳だが、この当時27歳の若者だ。

見るだけで楽しくなる組み合わせだが、とかくこの手の編成されたグループの演奏はじっくり聴くとそれほどでもないということが良くある。このオーレックスもどうも見掛けのメンバーにこだわりすぎたのか、その割には中身が満足できるものにできなかったのか、この‘83年で終了してしまった。

このオニールの初リーダーアルバムが、Concordから出ている。録音日がクレジットされていないが、この来日よりは前、それほど期間が経ってはいないであろう。

新人のアルバムというのは、どこかで紹介されたのを見たり、聴いてみないとなかなか初物買うには勇気がいるものだ。特に、小遣いが少ない頃はそうだった。
ところが、好きなレーベル、好みのレーベルというのもが決まってくると、そのレーベルの新人はサイドメンに加わることも多く、自然と耳にする機会が増える。特に、自分にとっては此の頃のConcordのアルバムは、何も考えずに黙って購入したものも多い。このアルバムもメッセンジャーズでのプレーを聴いて購入した記憶は無いので、その類だ。

中身が分からないアルバムでも、最初に聴く前にメンバーには大体目を通す。ベースにはレイブラウンの名前が。コンコルドではレイブラウンはお馴染みだが、レイブラウンの名前を見るとどんなレーベルでも安心する。好きなベースというだけでなく、レイブラウンがベースを弾く時のピアノは基本的にスインギーなピアノが多いからだ。そして、ピーターソンライクなピアノをイメージしてしまう。このコンコルドではモンティーアレキサンダーもその一人だ。

この初物のオニールのピアノも、そのイメージ通りの音だった。ここまでイメージ通りというのもかえって気持ちが悪いものだが。

オニールの出身地はデトロイト。ペッパーアダムスの出身地だが、ジャズに限らず色々なジャンルのミュージシャンを多く輩出した土地だ。
最初は教会でゴスペルの伴奏から音楽生活を始める。このアルバムのJoan’s Gospel Bluesを聴くと、その経験に演奏スタイルが根差しているのが良く分かる。
本格的にジャズを始めたのは1976年、19歳の時だった。ジャズクラブにも出るようになり、そこでレイブラウンを知り、ミルトジャクソンのツアーに加わる事になる。そして、82年にはニューヨークに出て、ジャズメッセンジャーズに加わり、このアルバムを作ることに。トントン拍子での出世だ。

ペッパーアダムスがたまたまスタンケントンに加わって世に知られる存在になったように、人生ステップアップするには、チャンスを掴むには最初のきっかけが大事だということだろう。何事もそうであるが、待つだけではだめで行動しなければきっかけは掴めない。

このような経緯で世に出たオニールだが、このアルバムはトリオ演奏でオニールのピアノをタップリ聴くにはピッタリ。全編スインギーなプレーを楽しめる一枚だ。
ドラムのFrank Severinoの名前はすぐに思い出せなかったが、カーメンマクレーのバックを務めていた。その後はクラークテリーのバンドにオニールと一緒に参加していたようだ。

オニールは、その後はそのクラークテリーに可愛がられ、実績を積み重ねて今でも一線で活躍しているようだ。基本は変わらず枯れた演奏になってはいるが。



1. It Could Happen to You
2. If I Should Lose You
3. Devastation Blues
4. They Say It's Wonderful
5. Sometimes I'm Happy
6. Joan's Gospel Blues
7. Just the Way You Are
8. Just Squeeze Me (But Don't Tease Me)

Johnny O’Neal (p)
Ray Brown (b)
Frank Severino (ds)

Produced by Carl Jefferson
Recording Engineer : Phil Edwars
Recorded at Coast Recorders, San Francisco, California
Originally released Concord CJ-228



Coming Out
クリエーター情報なし
Concorde Jazz
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