Something for You / Eliane Elias Sings and Plays Bill Evans
年末最後のライブは辛島文雄、病気療養中とのことだったが、久々の奥平真吾との共演は呼吸もピッタリで元気な演奏を聴けて一安心。共演した岡淳、池田篤のサックスも素晴らしく、年の締めのライブに相応しい演奏であった。
そして、年明け一番のライブは、こちらもピアノのイリアーヌ・エリアス。今回はトリオでの演奏に加えて、ビッグバンドとの共演もプログラムされていたので、連日出掛けることになった。
ブラジル出身ということもあり、エリアスというとどうもボサノバが有名だが、彼女のデビューは確かステップスアヘッドに加わったアルバムだったと思う。ボサノバだけでなく、ストレートアヘッドなジャズでもなかなか聴き応えのある演奏を聴かせてくれるので、さて今回はどんな演奏を?という楽しみもあった。
ビッグバンドの共演で相手を務めたのはエリックミヤシロ率いるブルーノートオールスターズ。このバンドはこれまで何回もゲストを迎えたライブを行っているが、ただ一緒にやっているというのではない。時にはミヤシロ自身がアレンジを行い、いつも共演する相手を意識したプログラムで構成されていて感心する。
今回もオーケストラのレパートリーにイリアーヌのピアノがゲスト参加することもあれば、彼女がボブブルックマイヤーのアレンジで作ったアルバムの再演も聴け、なかなか聴き応えのあるステージであった。
トリオの方は、ベースは良きパートナーのマークジョンソン、ドラムも同じブラジル出身のマウリシオ・ゾタレリで呼吸もぴったり。ピアノにボーカル、ジャズにボサノバ、それにオリジナルにスタンダードが程よくミックスされ、飽きさせることのないステージであった。特に、ボーカルではチェットベイカーに捧げたエンブレイサブルユー、そしてボサノバの名曲のディサフィナードではジャズとボサノバの完全融合。曲の展開、各人のソロ、そしてメンバーとのコラボレーションも圧巻であった。単なるボサノバのプレーヤーではない事をアピールしていた。
このイリアーヌのアルバムというと毎年のようにアルバムもリリースされ数多くあるが、自分の好きなアルバムは比較的最近のアルバムで、ビルエバンスに捧げたSomething For Youだ。エバンスのトリビュートアルバムというと世の中に数多くあるが、その中でも好きなアルバムだ。
ボサノバのボーカル物が多くなっていた中で、久々のジャズアルバムということで買い求めたアルバムだった。全曲がボーカルという訳でもないのに、スイングジャーナルのディスク大賞でボーカル賞を受賞したのは、あのゼタールンドで有名な「ワルツフォーデビー」のボーカルがあるからかもしれない。アルバムとしては、あくまでも彼女のピアノ中心のアルバムだと思う。
今のジャズピアニストでエバンスの影響を全く受けていないというピアニストは少ないと思うが、このイリアーヌももちろんエバンスの影響は多く受けたという。というよりは、若い頃彼女は多くのピアノスタイルを学び、それを実践できたといわれるが。
今回も一緒に来日したベースのマークジョンソンは、エバンスの最後のトリオのメンバーだ。彼にとっては、エバンスは特別な存在だろう。イリアーヌが最初に結婚したのは、ランディーブレッカー、そして今のパートナーであるマークジョンソン。プレーにも伴侶の影響は受けるのだろう、このアルバムの誕生にはもちろんマークジョンソンの影響もあった。
事実、このアルバムにはマークジョンソンに託したエバンスが残したカセット録音も登場し、マークジョンソンもスコットラファロが愛用していたベースを借り受けてきて演奏した曲もある。という意味では、2人の共同作業による、色々な意味でのエバンストリビュートなアルバムであった。
今回のステージを聴いて、このアルバムで聴けるようなエバンスライクの演奏は彼女の演奏の一面であることも良く分かった。反対に、どんな曲をやっても熱のこもったエネルギッシュな迫力あるプレーが目立った。美形のジャズミュージシャンとして、これまでジャケットにもピンナップガールのような写真が多かった彼女も、歳とともにステージでは演奏ぶりを含めて益々「貫禄」が目立つようになってきた。
1. You and the Night and the Music Arthur Schwartz 3:17
2. Here Is Something for You Eliane Elias / Bill Evans 2:58
3. A Sleepin' Bee Harold Arlen / Truman Capote 2:51
4. But Not for Me George Gershwin 3:51
5. Waltz for Debby Bill Evans 4:05
6. Five Bill Evans 4:59
7. Blue in Green Miles Davis / Bill Evans 4:50
8. Detour Ahead Lou Carter-Herb Ellis-John Frigo 4:32
9. Minha (All Mine) Francis Hime/Ruy Guerra 3:13
10. My Foolish Heart Victor Young 5:01
11. But Beautiful/Here's That Rainy Day Johnny Burke / James Van Heusen 4:25
12. I Love My Wife Cy Coleman 2:54
13. For Nenette Bill Evans 2:53
14. Evanesque Eliane Elias / Bill Evans 3:23
15. Solar Miles Davis 3:11
16. After All Eliane Elias 4:29
17. Introduction to "Here Is Something for You" Eliane Elias / Bill Evans 2:13
Eliane Elias (p,vol)
Marc Courtney Johnson (b)
Joey Baron (ds)
Produced by Hitoshi Namekata & Marc Courtney Johnson
Engineer : Al Schmitt
Recorded at Avatar Studios , New York
年末最後のライブは辛島文雄、病気療養中とのことだったが、久々の奥平真吾との共演は呼吸もピッタリで元気な演奏を聴けて一安心。共演した岡淳、池田篤のサックスも素晴らしく、年の締めのライブに相応しい演奏であった。
そして、年明け一番のライブは、こちらもピアノのイリアーヌ・エリアス。今回はトリオでの演奏に加えて、ビッグバンドとの共演もプログラムされていたので、連日出掛けることになった。
ブラジル出身ということもあり、エリアスというとどうもボサノバが有名だが、彼女のデビューは確かステップスアヘッドに加わったアルバムだったと思う。ボサノバだけでなく、ストレートアヘッドなジャズでもなかなか聴き応えのある演奏を聴かせてくれるので、さて今回はどんな演奏を?という楽しみもあった。
ビッグバンドの共演で相手を務めたのはエリックミヤシロ率いるブルーノートオールスターズ。このバンドはこれまで何回もゲストを迎えたライブを行っているが、ただ一緒にやっているというのではない。時にはミヤシロ自身がアレンジを行い、いつも共演する相手を意識したプログラムで構成されていて感心する。
今回もオーケストラのレパートリーにイリアーヌのピアノがゲスト参加することもあれば、彼女がボブブルックマイヤーのアレンジで作ったアルバムの再演も聴け、なかなか聴き応えのあるステージであった。
トリオの方は、ベースは良きパートナーのマークジョンソン、ドラムも同じブラジル出身のマウリシオ・ゾタレリで呼吸もぴったり。ピアノにボーカル、ジャズにボサノバ、それにオリジナルにスタンダードが程よくミックスされ、飽きさせることのないステージであった。特に、ボーカルではチェットベイカーに捧げたエンブレイサブルユー、そしてボサノバの名曲のディサフィナードではジャズとボサノバの完全融合。曲の展開、各人のソロ、そしてメンバーとのコラボレーションも圧巻であった。単なるボサノバのプレーヤーではない事をアピールしていた。
このイリアーヌのアルバムというと毎年のようにアルバムもリリースされ数多くあるが、自分の好きなアルバムは比較的最近のアルバムで、ビルエバンスに捧げたSomething For Youだ。エバンスのトリビュートアルバムというと世の中に数多くあるが、その中でも好きなアルバムだ。
ボサノバのボーカル物が多くなっていた中で、久々のジャズアルバムということで買い求めたアルバムだった。全曲がボーカルという訳でもないのに、スイングジャーナルのディスク大賞でボーカル賞を受賞したのは、あのゼタールンドで有名な「ワルツフォーデビー」のボーカルがあるからかもしれない。アルバムとしては、あくまでも彼女のピアノ中心のアルバムだと思う。
今のジャズピアニストでエバンスの影響を全く受けていないというピアニストは少ないと思うが、このイリアーヌももちろんエバンスの影響は多く受けたという。というよりは、若い頃彼女は多くのピアノスタイルを学び、それを実践できたといわれるが。
今回も一緒に来日したベースのマークジョンソンは、エバンスの最後のトリオのメンバーだ。彼にとっては、エバンスは特別な存在だろう。イリアーヌが最初に結婚したのは、ランディーブレッカー、そして今のパートナーであるマークジョンソン。プレーにも伴侶の影響は受けるのだろう、このアルバムの誕生にはもちろんマークジョンソンの影響もあった。
事実、このアルバムにはマークジョンソンに託したエバンスが残したカセット録音も登場し、マークジョンソンもスコットラファロが愛用していたベースを借り受けてきて演奏した曲もある。という意味では、2人の共同作業による、色々な意味でのエバンストリビュートなアルバムであった。
今回のステージを聴いて、このアルバムで聴けるようなエバンスライクの演奏は彼女の演奏の一面であることも良く分かった。反対に、どんな曲をやっても熱のこもったエネルギッシュな迫力あるプレーが目立った。美形のジャズミュージシャンとして、これまでジャケットにもピンナップガールのような写真が多かった彼女も、歳とともにステージでは演奏ぶりを含めて益々「貫禄」が目立つようになってきた。
1. You and the Night and the Music Arthur Schwartz 3:17
2. Here Is Something for You Eliane Elias / Bill Evans 2:58
3. A Sleepin' Bee Harold Arlen / Truman Capote 2:51
4. But Not for Me George Gershwin 3:51
5. Waltz for Debby Bill Evans 4:05
6. Five Bill Evans 4:59
7. Blue in Green Miles Davis / Bill Evans 4:50
8. Detour Ahead Lou Carter-Herb Ellis-John Frigo 4:32
9. Minha (All Mine) Francis Hime/Ruy Guerra 3:13
10. My Foolish Heart Victor Young 5:01
11. But Beautiful/Here's That Rainy Day Johnny Burke / James Van Heusen 4:25
12. I Love My Wife Cy Coleman 2:54
13. For Nenette Bill Evans 2:53
14. Evanesque Eliane Elias / Bill Evans 3:23
15. Solar Miles Davis 3:11
16. After All Eliane Elias 4:29
17. Introduction to "Here Is Something for You" Eliane Elias / Bill Evans 2:13
Eliane Elias (p,vol)
Marc Courtney Johnson (b)
Joey Baron (ds)
Produced by Hitoshi Namekata & Marc Courtney Johnson
Engineer : Al Schmitt
Recorded at Avatar Studios , New York
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