
トランプの
「アメリカを再び偉大に」
という、大げさとも言える約束に心を震わせ、それをありがたく感じたのは、
アメリカが世界で最高の国のひとつである、と、かつては自国に誇りを持っていたが、今や率直に自国を誇りに思えなくなってきているから、であるようだ。
多くのアメリカ人が不思議に思ってきたのは、
自国のインフラ管理が極めてずさんなのに、
なぜ海外での戦争やインフラ事業に何十億ドルも費やすのか、
また、自国で困っている人々に目を向けないで、なぜ他国の困っている人々を援助するプログラムを支援するのか、
さらに、なぜ他国(たとえば中国)が、貿易協定において、アメリカよりも優位に立っているように見えるのか、ということである。
そのような思いを抱いていたアメリカ人にとってトランプの、自国にとって最良の取り引きを獲得するであろう折り紙つきのスキルは、アメリカにとってさらによい取り引きを得ることに繋がるように見えたのであろう。
トランプは大統領就任演説で、他国に対し
「今日、この日から、アメリカ・ファーストただひとつ。
アメリカ・ファースト」と警告したのである。
色あせたアメリカンドリームに傷付き、アメリカという国を愛していても見返りがないことに苦しんでいたトランプ支持者は、彼をアメリカの救世主だとみなした......偉大なトランプはアメリカを偉大にできる、彼なら、外敵からアメリカ国民を守り、国内の敵も一掃してくれる、と考えたのである。
これは民主主義において危険な扇動的手法ではあるが、アメリカが味わっている屈辱にも、何も実現できない立法府の行き詰まった状況にもうんざりしているであろう多くの人々の心に響いている。
大胆で単純な解決策を求める人々にとって、確かにトランプは素晴らしい救世主に見えるのかもしれない、しかしながら、トランプの民主主義を尊重しない姿勢を恐れる人にとっては彼が不気味な独裁者のように見えるであろう。
トランプの「アメリカ・ファースト」というスローガンは、外国人嫌悪と人種差別主義という、不快な過去の重荷を負っている。
例えば、ネイティブ・アメリカン党(ノー・ナッシング党という呼び名も在った)は、1850年代にプロテスタントの白人男性だけで結党され、ドイツ系とアイルランド系のカトリック教徒の移民を排除することを目指していた。
彼らによると、カトリック教徒はローマ法王に対する忠誠心があるために、信頼できるアメリカ国民になれないのだという。
これは、今日のイスラム教徒に対するトランプの姿勢に少しばかり似ている。
また、アメリカ・ファースト委員会は、ノー・ナッシング党と同じ気質を近年さらにやっかいな形で体現した。
第二次大戦へのアメリカの参戦を阻止するために結成されたアメリカ・ファースト委員会を代表する最も有名な人物は、飛行家のチャールズ・リンドバーグであった。
また、リンドバーグは反ユダヤ主義者で、ヒトラーとナチス・ドイツの崇拝者でもあった。
(このことは、トランプとロシアのプーチン大統領との奇妙な「友情関係」を想起させるように私には思えてしまうのだが......)
私は、現代の「アメリカ・ファースト」の本質は、アメリカの軍事と貿易における自国優先主義である、と思う。
確かに、現代の「アメリカ・ファースト」の考え方に則れば、アメリカは自主独立でき、同盟のしがらみや、国際条約および国際基準に従わなければならないという(従来の)責任感から解放されるであろう。
しかし、自国優先主義は、国(として)の歴史が浅いジョージ・ワシントンの時代であれば、極めて合理的な姿勢であったかもしれないが、世界各国が緊密に関わり、深く依存し合う世界では、自滅的な姿勢であると言えよう。
ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。
今年のアメリカ大統領選挙選挙の幕開けとも言える共和党の予備選挙がアイオワで行われて、やはり?予想通りトランプ氏が他の候補を引き離した1位でした......。
トランプ氏は、衰退したアメリカを救う強力な指導者でしょうか?
むしろとても大切な価値観や制度を踏みにじる行き当たりばったりの独裁者なのでしょうか?
それとも、そのどちらでもなく、世界に新たな価値観を提示する先駆者であるのでしょうか?
昨年末から途絶えた、大統領選挙2024を考えるシリーズを再開したいと思います。
寒い日々か続きますね。
私も少し体調を崩していました^_^;
元気になってきたので、また、よろしくお願いいたします( ^_^)
お互いに体調には気を付けたいですね。
今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね。
では、また、次回。
明快に解説してくださって、とてもすっきりしました。
本当にその通りだと思います。
次の記事も楽しみにしています。
おはようございます。
読んでくださりありがとうございます!
しかも、嬉しいお褒めのことばまでありがとうございます( ^_^)
上手く描けるかはわかりませんが、次も頑張らせていただきます(*^^*)
ウクライナを支援するお金があったら、アフリカを支援するお金があったら、大阪万博をやるお金があったら、経済対策や能登半島地震対策に使えとの声があります。
気持ちは分からんでもありませんが、なんか勘違いしてると思っていました。
そんなモヤモヤを解決する、ヒントをいただいたような気がします。
勉強になりました。
ありがとうございました。
おはようございます。
読んでくださりありがとうございます!
さらに嬉しいコメントありがとうございます( ^_^)
いつもこちらこそ多摩爺 さんのご投稿にお勉強させていただいております(*^^*)
励みになるコメントありがとうございます!
いつ新しい記事が書かれるかと心待ちにしていたら、お体をくずされていたのですね?寒い日が続いています、あまり無理の無いようにお過ごし下さい。
さて今回からのシリーズは僕にも興味のある、アメリカ大統領選挙。
実を言うと僕の英語はまだ実際にアメリカでトランプが何をしようとしているかわからないので、ようこさんの記事が非常に手助けになります。
僕の個人的な意見は明日の僕のブログで書くとして、次のようこさんの記事も楽しみにしています。
くれぐれも体調に気をつけて下さい。
おはようございます。
嬉しいコメントをありがとうございます( ^_^)
おかげさまでかなり体調は回復しています。
amocla91さんも体調に気をつけてお過ごしくださいね( ^_^)