おざわようこの後遺症と伴走する日々のつぶやき-多剤併用大量処方された向精神薬の山から再生しつつあるひとの視座から-

大学時代の難治性うつ病診断から這い上がり、減薬に取り組み、元気になろうとしつつあるひと(硝子の??30代)のつぶやきです

世界の生涯の縮図としてのラパ・ヌイ(イースター島)-私たちは過去から学べるか⑩-

2023-12-26 07:14:40 | 日記
ラパ・ヌイ(Rapa Nui)という太平洋上の火山島が在る。

よくイースター島とも呼ばれるので、以降、そちらの名前で描く。

イースター島は、人間が持つ創造力の粋を集めて体現したような文明が生まれた場所でもあるが、
その文明が、自らが置かれた状況を見抜けない人間の愚かさのために、急速に崩壊に導かれてしまった事実を教えてくれる場所でもある。

イースター島は、人間が創り上げた文明を自分のその手で壊してしまった過去を視ることが出来る場でもあったのだ。

800年前にイースター島に移住した数十人のポリネシア人たちは、外洋を海流に逆らって約3200㎞以上航海した後、当時、地球上で最も孤立し、先の見込みもない島のひとつに移住した。

彼ら/彼女らは、完全な孤立状態のなかで、物品の交易に伴うアイデアのやりとりも無く、全く独自に文字体系を生み出すという、世界史上稀にみる偉業を成し遂げた。

また、それほど肥沃ではなかった小さな島を、知恵と技術力により、効率のよい多産な土地に変えた。

それにより、急激な人口爆発が起こり、数十人だった人口が一万人を超えるようになった。

農作物が豊富になると常に起きることだが、社会の階層化と人口過剰が進み、頂点に君臨する者の権力と威信を確立するための建造物を造ることにいそしむこととなる。

イースター島ほど、多くの巨大建造物が密集して造られた場所はいまだかつて無いだろう。
1000体に及ぶ石像は、驚嘆すべき工業技術、芸術的創造力、職人たちの技術の水準の高さだけでなく、人間の貪欲さと虚栄心を示している。

当初、石像は高さ1メートル前後、重さは数トンくらいで、荒削りなものであった。
それが、時間の経過とともに、功名心の増大とともに、大きくなり、最大の石像は、高さ12メートル、重さは80トンに達した。

それぞれの石像は、石切り場から設置場所までの長距離を、巧みな牽引技術を用いて、人の力を最大限に利用しながら、歩いて運ばなくてはならなかった。

その当時、その島の誰しもが、
「ひとまず、手を止めよう、現状を見てみよう、私たちはなんだか間違っていないか?」
と声をあげたかったかもしれない。
しかし、声をあげるには、この孤島という場所では、あまりに閉鎖的で、声をあげること≒存在の危機で、あったのかもしれない。

だから、さらに、全体の半分ほどに相当する巨大な石像は、文明が崩壊しつつあるあいだにも、引き続き彫られていたのである。

「人間の偉大さ」だけではなくて、「人間の分別と自制の欠如」をも絶えず想い起こさせるものとして、石像は、今もまだ、静かに佇立している。

イースター島は、ある意味、孤島で在る以上に地球上で有数の孤独を深く感じる場所なのかもしれない。

人工的な建造物を除けば、人間そのものと低木しか見下ろすものも(居)ないところに、喪われた過去の栄光を今に伝える壮大な遺物が、点々と、残されている。

イースター島と本質的に似た悲劇は、時代と場所を問わず、これまでの世界文明に多くみられる。
栄華を極めながら、危機には目を背けながら、人口過剰、資源の枯渇、それらによる内部の争いをしている間に弱体化し、気候変動の外圧に耐えられず、崩壊に向かうパターンがあらましでは同じだと、私は考えている。
それは過去でも、現在でも、そのような大筋であると思う。

私たちも、今、自分たちの限界をかえりみずに無理矢理押し広げた結果、環境の悪化、天然資源の減少、それらにともなう対立を抱え、気候変動という壁に直面している。

私たちの文明も早く我に返らなければ、未来の人々は、私たちの賢明さとともに愚かさをみることになるだろう。

イースター島は、逃れることが出来ないように見える人間の運命を示してくれる例であり、象徴でも在り続けるのである。

ここまで、読んでくださり、ありがとうございます。

年末の番組(今年1年どころか広くいろいろと総括している番組が多い)などを見ていると、
一部(?)の歴史家やジャーナリストやとにかく偉い「先生」とよばれる人たちが、
根元に隠れている原因を無視していて、
内戦、侵攻、政治的策略など、表面に現れた結果にばかり着目・注目しがちなことに、驚くとともに、なんだか落胆もしていました。

ショッキングな内戦や侵攻、その背後に在る醜い政治的策略は、
よりドラマチックに「物語」とまあまあの「視聴率」を提供するのかもしれませんが、
その他の本質的な「物語」を構成する問題たち(人口問題、環境問題、テクノロジーの問題など)を見落とすことにつながるような気がしてなりません。

偉そうに描いていますが、某百貨店の崩れてしまったケーキ問題のニュースはテレビから流れると、すぐさま振り返って見るほど、今、1番気になっている問題のひとつなクリスマスでした。
届いたひとも、作ったひとも、某百貨店のひとも大変なクリスマスになってしまったなあ、と思います。
早く原因が判って、早く関係者の方がみんな安心して年を越せるといいですね。

今日も、寒いですから、体調に気をつけたいですね。

今日も、頑張りすぎず、頑張りたいですね。

では、また、次回。








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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
イースター島 (JFK)
2023-12-26 07:29:29
おはようございます。
2011年12月1日から、何回かにわたってイースター島の話を書いています。
よかったら覗いてみてください。
返信する
Unknown (yoko-2-1)
2023-12-26 07:44:23
@JFKさん
おはようございます。
ありがとうございます。
ゆっくり拝読させていただきます。
いつも読んでくださりありがとうございます( ^_^)
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