冬桃ブログ

呼ばれてる?

 今日は私にしてはえらく活動的で、
ちょっと不思議な日だった。

 まずは関内の都市発展記念館へ。
 待ち遠しかったこの展示を観に。



 1999年に「天使はブルースを歌う」という
ノンフィクションを出したのだが、その際、
原稿のタイム・リミットだったり、私の知識が
足りなくて取材できなかったりした戦災孤児等達のことが
きちんと調べられ、展示されている。

 展示会場へ入ったとたん、終戦直後の橫浜を
撮ったフィルム上映に釘付け。
 最後まで観たかったが、今日は他にも用がある。
 途中まで観て写真や資料の展示へ。
 撮影禁止だから、せっせと書き写したり
していたのだが、あとで、この展示を特集した本に
それが出ていることを知った。
 なんだ、その本を買って帰ればいいんだ、
と安心して、アンケートを書いたり洗面所に
寄ったりしているうちに、見事、買い忘れ、
館を出て橫浜公園に入ったあたりで気がついた。
 まあいいか。あのフィルムも観たいし、
近いうちにまた行こう。

 と、公園を歩いていると、どこからか
「橫浜ホンキートンク・ブルース」が聞こえて来るではないか。
 今日はイベントで公園にたくさんブースが出ている。
 特設ステージもあり、歌声はそこから聞こえてくるようだ。
 まさか、エディ藩さんが出てる?
 いや、声がちょっと違ううような……。

 急いでステージの方へ行くと、中年男性バンドが。
 あら、見覚えのある顔が何人か……と眺めていると
ステージの人達と同じ衣装をつけた白髪の男性に
「おや、見た顔だねえ」と、声を掛けられた。

 いや、私もいま、そう思ってたところで……。
「あ、ミヤジさん!? 山崎です。その節はどうも」
「おお、久しぶり。おれのバンドだよ、これ」
 
 19年も前、「天使はブルースを歌う」の関連で、
アマチュアバンドを取材させていただいた。
 ミヤジさんはそのバンドのリーダーだった方だ。
 結成時、皆さん、中年だったが、その後、メンバーが
二人亡くなり、若い人達が加わったそうだ。
 いまは有名ホテルのショーにも出るほど
活躍しておられるという。
 バンド名はジョーカーズ。

 まだリハーサルだったようで、「橫浜ホンキートンク・ブルース」
を歌っていたのは、「ジャガーズ」という人気グループサウンズの
リードギター&ヴォーカルだった沖津久幸さん。
 この方にも、あの頃、ちょっとだけお目に掛かったことがある。
 写真、左端が沖津さん、マイクを握っているのがミヤジさん、
右端は福富町で「Qoo」というミュージックバーを
経営しておられる宮本さん。
 
 



 いやあ、懐かしい!
 あの取材は、私にとって人生の大きな転機だった。
 知らないロックの世界、知らなかった橫浜……。

 そうこうするうちに、ジョーカーズのステージ
本番が始まったのだが、後ろ髪を引かれる思いで
橫浜公園を出た。
 電車を乗り継いで母がお世話になっている施設へ。



 母を40分ほど見守り、また走るようにして移動。
 朝日新聞神奈川版に連載しているコラムの取材で
磯子区杉田の商店街へ。
 そこで取材させていただいた相手が
なんとまた、本業とは別にロック・ミュージシャンとして
橫浜を中心に活動しているという方だった。
 取材を終え、帰ろうとしたとき、
「これにサインして貰えますか」
 と、差し出されたのがこの本。



 今日はどうしたことだろう。
 20年近い昔に、あっちこっちで引き戻される。
 
 この本はもう、私の手元にも数冊しかないのだが
ある出版社から、表紙を別のデザインにして
再刊しましょうと申し出ていただいている。
 電子本にもなっているが、紙の本はやはりあってほしい。
 とてもありがたいことである。
 が、その前に、あらたな一冊を書かねばならない。
 それが条件。

 自分の本に呼ばれ、「ぐずぐずしてないで
早く仕事を!」と、カツを入れられたような1日だった。


 
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