今年は新年早々コロナに感染した。
さいわいなことに私の場合、症状がいたって軽かった。
最初の兆候は朝起きぬけの微熱。37.1度。
喉に少々の違和感。
コロナだと直感したので、ネットで近くの発熱外来を捜した。
何度かお世話になったことがある近くの総合病院で
二日後に診てもらえることになった。
夕方には熱が38・5度に上がったが、不思議なことに
体はしゃきしゃきと動く。
たとえばただの風邪であっても、普段あまり熱を出さない私は
こんな数値だとぐったり寝込むはず。
ちょうどコロナ禍が始まった頃、ノロウイルスに感染した。
そりゃもう、吐くわ、下すはでたいへんだった。
二週間近く一口も食べ物が喉を通らず、何もできず、
4キロも痩せた。
なのにこのたびは平然と、きのこを三種類入れた
湯豆腐をこしらえ、熱燗を一本つけておいしく夕飯をいただいた。
そうしたらなぜか平熱に戻っていた。
ゆっくりお風呂に入って寝た。
よく眠れた。
翌日も朝は37.1度の微熱。でも10時ごろには平熱に。
少しだけ倦怠感。
三日目。平熱。予約した発熱外来へ。陽性判明。
「これから悪化するんでしょうか?」と尋ねると、
「いいえ、もう回復期に入ってるようですから
大丈夫でしょう」という答え。
解熱剤と喉の薬が出た(近くの薬局から、夜、玄関先へ
届けられる)。喉の薬は服んだが、解熱剤は結局、
一度も使う必要がなかった。
それから今日まで、ずっと平熱。喉に痰がからみ、
声が少々しわがれたが、いたって元気で食欲も旺盛。
昼間はせっせとうちの中の整理整頓などして体を動かし、
夜はぐっすりと眠った。
陽性と判明した翌日、県庁から電話。
と言っても女性の声で自動音声。
「これから三つの質問をします。すべて「はい」か
「いいえ」で答えてください」
〇パルスオキシメーターを持っていますか?
〇熱が37.5度以上ありますか?
〇息をするのが苦しいですか?
私の場合、すべて「いいえ」
毎日、この応答を繰り返した。
最初の電話の後、保健所から電話。
「パルスオキシメーターをお持ちでないそうですが、
ご自宅へ届けます」と親切に言っていただいたのだが
「そういう状態ではないので結構です」と辞退した。
そして外出禁止最後の今日は、薬を届けてくれた薬局から電話。
服薬することでなにか異変はなかったか、と。
異変はないし、喉もだいぶよくなりました、と返答。
まあ、私の場合はこんな程度で終わったが、そうはいかない
ケースももちろん多い。
地方在住でやはり独り暮らし、私同様、高齢の友人は、
感染後、頭痛やのどの痛み、熱、倦怠感などがひどく、
一度などは大きな痰が喉に絡み、呼吸困難に陥ったという。
餅がのどに詰まったのと同じ状態で二分くらいも七転八倒。
なんとか一命をとりとめたが、「誤嚥で死ぬとはこういうことか」
と思ったそうだ。
保健所に、入院かホテル宿泊を懇願したが、
入院は満室で無理、ホテルは家族のいる人しか駄目、と拒否された。
なぜ「家族のいる人」でないとだめなのか、と訊くと
「家族にうつるといけないから」という答え。
一人だからこそ痰が詰まって死の危機に直面したというのに
「きまりだから」の一点張りだったという。
これはまさしく「棄民」ではないか。
話を聞いただけでぞっとした。
どちらかというと感染者が凄まじく多い横浜のほうが
田舎より過酷なのではないかと思っていた。
そうではないケースもあるようだ。
とはいえ、私だって入院が必要な状況になっていれば
「棄民」の怖れは充分にあったかもしれない。
今回はただただ幸運だっただけだろう。
それにしてもいつまでこんな状況が続くのか……。
豚ひき肉の大きな肉団子をこしらえて
白菜の上に置き、ことこと煮込んだもの。
美味しい養生食です!
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