突然ですが、みなさんが現在働いている病院でICU回診は行われていますか?
いきなりICU回診と言われても、ピンと来ないかもしれませんね。
集中治療医がイニシアティブを取っているクローズド(あるいはセミクローズド)と呼ばれるICUでは、施設間の差はあれ毎日数時間かけてICU回診が行われているかと思います。
ご存じの通り、ICUには、医学的のみならず経済的・社会的にも問題を抱える患者や患者家族が多く存在します。
こうした複雑な問題を抱える患者や家族に対して、集中治療医は日々のICU回診を通じて多職種からの意見を汲みとって彼らにとって最善と思われる診療方針を模索しています。
ICU回診といってもそれは単一のものではなく、以下の通り大きく二つのスタイルへ分類することができます。
1. カルテ回診: スタッフがカンファレンスルームへ集まり、スクリーンに写り出される
電子カルテを見ながら一同でディスカッションし、診療方針を決めてゆくスタイル
2. ベッドサイド回診: ICUのベッドサイドで患者を見ながら担当(あるいはリーダー)看護師
(+その他の職種)とディスカッションし、診療方針を決めてゆくスタイル
上記の回診スタイルには、それぞれ長所と短所があります。
例えば、カルテ回診は回診時間が比較的短いので、忙しい多職種のスタッフが参加しやすく、検査結果もスクリーンで共有しやすいという長所があります。
その一方、カルテ回診は実際の患者やその担当看護師と接触していないため、机上の空論に終わってしまう危険性が挙げられます。
その点、ベッドサイド回診では実際に患者を診察し担当看護師から直接話を聞くことでオンタイムに生の情報を手に入れられることが強みです。
逆に、ベッドサイド回診は毎回数時間かけて行われるため、忙しい多職種がみな参加するわけには行かず、また回診中もパソコンの小さい画面を見ながら検査結果を共有する点においてやや難があります。
さらに、ベッドサイド回診を長く続けていると目を離しているうちに具合の悪い患者の容体は刻一刻と悪化してゆき、場合によっては回診が中断されることも起こりえます。
そのため、ベッドサイド回診も時間を決めてコンパクトにまとめてゆかなければいけません。
以上から言えることは、それぞれの回診スタイルの良さを使い分けて適材適所に併用してゆくことが重要であるということです。
すなわち、大まかな診療方針は多職種が集まるカルテ回診で決めて、詳細な診療方針は担当看護師がいるベッドサイド回診で決めるというように。
次回は、ベッドサイド回診を効率的かつ効果的に行う上で重要なポイントについてご紹介してゆきたいと思います。
いきなりICU回診と言われても、ピンと来ないかもしれませんね。
集中治療医がイニシアティブを取っているクローズド(あるいはセミクローズド)と呼ばれるICUでは、施設間の差はあれ毎日数時間かけてICU回診が行われているかと思います。
ご存じの通り、ICUには、医学的のみならず経済的・社会的にも問題を抱える患者や患者家族が多く存在します。
こうした複雑な問題を抱える患者や家族に対して、集中治療医は日々のICU回診を通じて多職種からの意見を汲みとって彼らにとって最善と思われる診療方針を模索しています。
ICU回診といってもそれは単一のものではなく、以下の通り大きく二つのスタイルへ分類することができます。
1. カルテ回診: スタッフがカンファレンスルームへ集まり、スクリーンに写り出される
電子カルテを見ながら一同でディスカッションし、診療方針を決めてゆくスタイル
2. ベッドサイド回診: ICUのベッドサイドで患者を見ながら担当(あるいはリーダー)看護師
(+その他の職種)とディスカッションし、診療方針を決めてゆくスタイル
上記の回診スタイルには、それぞれ長所と短所があります。
例えば、カルテ回診は回診時間が比較的短いので、忙しい多職種のスタッフが参加しやすく、検査結果もスクリーンで共有しやすいという長所があります。
その一方、カルテ回診は実際の患者やその担当看護師と接触していないため、机上の空論に終わってしまう危険性が挙げられます。
その点、ベッドサイド回診では実際に患者を診察し担当看護師から直接話を聞くことでオンタイムに生の情報を手に入れられることが強みです。
逆に、ベッドサイド回診は毎回数時間かけて行われるため、忙しい多職種がみな参加するわけには行かず、また回診中もパソコンの小さい画面を見ながら検査結果を共有する点においてやや難があります。
さらに、ベッドサイド回診を長く続けていると目を離しているうちに具合の悪い患者の容体は刻一刻と悪化してゆき、場合によっては回診が中断されることも起こりえます。
そのため、ベッドサイド回診も時間を決めてコンパクトにまとめてゆかなければいけません。
以上から言えることは、それぞれの回診スタイルの良さを使い分けて適材適所に併用してゆくことが重要であるということです。
すなわち、大まかな診療方針は多職種が集まるカルテ回診で決めて、詳細な診療方針は担当看護師がいるベッドサイド回診で決めるというように。
次回は、ベッドサイド回診を効率的かつ効果的に行う上で重要なポイントについてご紹介してゆきたいと思います。