最近、働き方改革が言われている。
その一つに自宅オフィスなど、会社に出社しない働き方がある。
インターネットの進歩で可能になった。
どこにいても連絡がとれるようになった。
ただ、この場合の一番の問題は意思の疎通である。
毎日顔を合わせる、同じところで仕事をする場合は、アウンの呼吸で
みんなが情報を共有できる。
離れていると、顔も見ない、話しもしないでは、それが不可能だ。
意識してやるしかない。
弁護士業は依頼者の代理をするわけだから、依頼者との意思の疎通に問題が
あってはならない。
直接会ったり、電話で確認する。中心は直接会うことである。
以前はそれしかなかった。
ところが最近はメールでのやりとりが多くなった。メールが中心で、補充的に
電話、会う、である。
メールというのは、結局は文章を書くことである。当然時間がかかる。
ついつい電話で済ませたいという誘惑にかられる。
しかし、メールに慣れてくると、有利な点に気づく。
特に弁護士の場合は、結局は書面を作成することになるからだ。
文章を書くということは、書くことを整理しなければならない。
書くものの料理をしなければならない。
書くためには頭の整理をしなければならない。
頭を整理しようとすると、いろんな問題点が次から次と姿を現してくる。
現れてくる問題点を解決しないでは次に進めない(書けない)。
書くということは、対象を分析することである。
仮に分析する必要がない場合でも、相手に間違いのないように伝える
努力・工夫はしなければならない。
書くと、当然間違いないかどうか読み返すことになる。
読み返すとちょっと違うなと気づく、感じることが意外に多いのだ。
そうすると、工夫を、伝え方に、しなければならない。
それが、内容に係わることに気づくこともある。
そうすると、内容についてもう一度再検討する必要がある。
ということで、メールのやり取りにすると内容が極めて充実することに
気付く。
何と言ってもメールは読み直しがきく。自分の都合に合わせて読む時間を選ぶことが出来る。
じっくりと読み直すと、最初の印象とは全く、大きく違うことに気づくことも多い。
それを反映しようと思う。あるいはもう一度確認のためにメールを送る。
ということでますます分析が深く詳細になる。
そしてときどき会って全体の流れの中で確認する。
安心したり、あるいは課題が生ずることもある。
つぎにつなげればいいだけである。
ということで、特に意識しないが、いつの間にか働き方が変わっていることに
気付いた。
ただ、書くという作業はやはり時間がかかる。
その解決策の一つは、音声入力である。最近は音声入力の精度も良くなった。
まだまだ音声入力はうまくいかない。
利用者サイドに問題がある。書き言葉が直ぐに出てこないからである。
口述筆記というのはなかなか難しい。
徐々に慣れるしかないのかもしれない。
いずれにしても場所にとらわれない働き方は今後ますます多くなると思う。
いかにその長所を生かせるかである。
期待したい。