陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

氷上の舞踏会、雪辱のトリノ

2010-04-02 | フィギュアスケート・スポーツ
さて、浅田真央選手とキム・ヨナ選手の再戦のほかに見どころは日本人選手の活躍ですね。

意外な台風の目となったのは、米国籍の16歳長洲未来選手。
バンクーバー五輪でも初出場ながら四位と大躍進、期待の新人がSPで驚きの首位。
「パイレーツ・オブ・カリビアン」さながらに太平洋の東から金メダルを奪ってくるのかと思われましたが、フリーではジャンプのミスがあり失速。結果七位に終わっています。

五輪で八位入賞、グランプリシリーズの中国大会(「フィギュアスケートGP中国杯 & NHK杯」)で電撃復活を果たして話題になったシンデレラガールこと鈴木明子選手は、SPで予選落ちぎりぎりの二〇位発進。フリーではおなじみの 「ウエスト・サイド物語」 で総合十一位に。
引退した中野友加里選手の代わりだったので、調整が難しかったのかもしれないですね。いつものストレートラインステップの元気さがありませんでした。

今大会めだったのは、安藤美姫選手の演技。
十一位にランクされたSPの滑りは、どこか本領を発揮できていないもどかしさがありました。ジャンプでも転倒の痛恨のミス。
しかし、翌日のフリーでは失敗をひきずらない。かなり大胆な青を基調にした衣装で登場した安藤選手は、クレオパトラを熱演。ミスはほとんどなく、表現力も豊かに。今季は最高の安藤選手の舞台でした。この演技で四位につけています。願わくば、もうすこし評価を頂けても良かったかなと思うくらい。
惜しくもメダルは逃しましたが、四年前涙を呑んだトリノ五輪での不振をみごとにはね返す素晴らしいできばえでした。
安藤選手は師事するモロゾフコーチに従い、練習の拠点をロシアに移すそうですね。最近、モスクワの地下鉄テロで不安でありますが、今後も現役続行されるので楽しみ。

来年の世界選手権は東京での開催。
安藤選手の活躍のおかげで、大会の出場枠3を確保できました。できるなら、五輪の三人娘で出てほしいところだけれど、若手も台頭してきてますからわかりませんね。

世界チャンピオンとしてシーズンを終えたけれど、「五輪の悔しさはこの大会でハ返せない」と語った浅田真央選手と、闘志を前面に出した今回の演技に大人びたところを感じました。二十歳で迎える来年は、さらなる進歩がありそうですね。
日本スケート連盟が、三回転半を女子の必須項目にふくめるように申請しているようで。もし適用されれば、判定上有利に働くかもしれませんが。

浅田選手はジャンプのバリエーションを増やしたり、表現力を磨くため努力を重ねる決意があるそうで。ちゃんと自分の演技を分析できているあたりが、やはり非凡な才能なんでしょうか。

昨年四月の半ばに開催された世界フィギュアスケート国別対抗戦は、まだ日程が未定なんですね。

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