1993年のアメリカ映画「天使にラブソングを2」(原題 : Sister Act 2: Back in the Habit)は、ご存じウーピー・ゴールドバーグ主演のパワフルコメディ「天使にラブ・ソングを…」の続編。今度の舞台はなんと、あばずれ歌手デロリスの母校のハイスクールです。前作の冒頭で登場した、辛い少女時代を過ごし、シスターアレルギーになったいわくつきの場所でしたよね。
今やラスベガスのスター歌手になったデロリスは、親しくなったセント・キャスリン修道院のシスターたちと再会。彼女たちが奉仕活動をするカトリック系のハイスクールで、身分を隠して音楽教師をしてほしいという依頼を受けます。
ふたたびシスター・メアリー・クラレンスに扮して担当したクラスは、学級崩壊が進み問題児ぞろい。
デロリスは生徒たちに歌の面白さを説いて、やがて聖歌隊を結成。州のコンクール入賞を狙いますが、学校に廃校の危機が迫り…。
こころの荒んだ青少年を音楽教育によって立ち直らせるという筋書き、まさに「ミュージック・オブ・ハート」と同じです。
はじめこそは悪ガキどもの悪戯に手こずるものの、主人公の熱心さに根負けしてクラスの風波が変わってしまうだとか、その際、リーダー格と教師との対立と和解が通過儀式としてあったりだとかも、お約束。
本作では、クラスのまとめ役が生意気そうな黒人少女リタ。じつは彼女、母親の反対にあって歌手を目指せない。その屈折した感情から音楽の授業をボイコットしていたことがわかります。
聖歌ふうの歌詞をポップにアレンジしてコーラスしたステージは好評を博し、コンクールの結果は…言わずもがなですね。
「赤毛のアン」の青春時代の映画版みたく、もうすこし不慣れな教師と生徒たちとの葛藤をふくらませて描いてくれたら、学校ものとしては面白かったんですけど。
ヒロインが殺人を目撃してしまったがために変装して逃走するという前作のおもしろい出だしは、マリリン・モンローの歌唱シーンで有名な「お熱いのがお好き」(ジャック・レモンとトニー・カーティスの”化けっぷり”が見事としか言いようがない(笑))に倣って、”変身”+”ミュージック”+”ギャング” の三要素がたっぷり入った楽しめるものだったんですが、今回は敵方がこれといっておらず後半の盛り上がりに欠けました。
さらにいえば、おしとやかな修道女と破天荒なシンガーの掛け合いの妙が活きた前作に比べると、相手が不良学生だっただけにギャップが少なかったんですよね。
人気キャラクターを味つけを変えたジャンルにむりやり放り込んだけど、動かし方をミスったような気がしないでもないです。
ヒロインの母校なんだから、過去の因縁を絡ませた伏線があればもっと違って見えたように感じます。
あと、学校が舞台なのでティーンエインジャー向けに希望の持てる運びにしたかったんでしょうが、これ、21世紀につくっていたら絶対もっとひねくれた終わり方にされていたと思います。
ウーピー・ゴールドバーグほかの歌唱シーンを見せたいがためのミュージカルコメディだと捉えれば事足れり、なのでしょうが。
リタを演じたローリン・ヒルのソロパートは必見。R&Bの歌手だから上手いのは当たり前なんですけどね。
監督はビル・デューク。
(2010年4月2日)
天使にラブソングを2(1993) - goo 映画
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おすすめ平均 ウーピーは最高です!残念。泣いてしまいました。思わず歌いたくなる映画作品自体は面白い。Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今やラスベガスのスター歌手になったデロリスは、親しくなったセント・キャスリン修道院のシスターたちと再会。彼女たちが奉仕活動をするカトリック系のハイスクールで、身分を隠して音楽教師をしてほしいという依頼を受けます。
ふたたびシスター・メアリー・クラレンスに扮して担当したクラスは、学級崩壊が進み問題児ぞろい。
デロリスは生徒たちに歌の面白さを説いて、やがて聖歌隊を結成。州のコンクール入賞を狙いますが、学校に廃校の危機が迫り…。
こころの荒んだ青少年を音楽教育によって立ち直らせるという筋書き、まさに「ミュージック・オブ・ハート」と同じです。
はじめこそは悪ガキどもの悪戯に手こずるものの、主人公の熱心さに根負けしてクラスの風波が変わってしまうだとか、その際、リーダー格と教師との対立と和解が通過儀式としてあったりだとかも、お約束。
本作では、クラスのまとめ役が生意気そうな黒人少女リタ。じつは彼女、母親の反対にあって歌手を目指せない。その屈折した感情から音楽の授業をボイコットしていたことがわかります。
聖歌ふうの歌詞をポップにアレンジしてコーラスしたステージは好評を博し、コンクールの結果は…言わずもがなですね。
「赤毛のアン」の青春時代の映画版みたく、もうすこし不慣れな教師と生徒たちとの葛藤をふくらませて描いてくれたら、学校ものとしては面白かったんですけど。
ヒロインが殺人を目撃してしまったがために変装して逃走するという前作のおもしろい出だしは、マリリン・モンローの歌唱シーンで有名な「お熱いのがお好き」(ジャック・レモンとトニー・カーティスの”化けっぷり”が見事としか言いようがない(笑))に倣って、”変身”+”ミュージック”+”ギャング” の三要素がたっぷり入った楽しめるものだったんですが、今回は敵方がこれといっておらず後半の盛り上がりに欠けました。
さらにいえば、おしとやかな修道女と破天荒なシンガーの掛け合いの妙が活きた前作に比べると、相手が不良学生だっただけにギャップが少なかったんですよね。
人気キャラクターを味つけを変えたジャンルにむりやり放り込んだけど、動かし方をミスったような気がしないでもないです。
ヒロインの母校なんだから、過去の因縁を絡ませた伏線があればもっと違って見えたように感じます。
あと、学校が舞台なのでティーンエインジャー向けに希望の持てる運びにしたかったんでしょうが、これ、21世紀につくっていたら絶対もっとひねくれた終わり方にされていたと思います。
ウーピー・ゴールドバーグほかの歌唱シーンを見せたいがためのミュージカルコメディだと捉えれば事足れり、なのでしょうが。
リタを演じたローリン・ヒルのソロパートは必見。R&Bの歌手だから上手いのは当たり前なんですけどね。
監督はビル・デューク。
(2010年4月2日)
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