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私がここ数年、ほぼ毎日必ずといっていいほど読んでいるものがあります。
それは朝日新聞。数年前に地元紙から乗り換えました。地元紙の記事の質がいちじるしく落ちてきたように感じたので(目立つ最終頁にパチンコの広告が頻繁に載っていたので嫌気がさした)。2011年ごろのまでの朝日は、グラフィックが美しく、記事も密度が濃く、社説も合点がいくもので、科学記事がよろしく、そしてなにより連載の小説が毎日毎回楽しみでならなかった、そんな記憶があります。数年前までは記事の切り抜きをして保存するのが楽しみでした。
私が高校生くらいまで、知識人階級の読み物として朝日新聞が推奨されていました。当時の国語の先生に勧められるがままに、親に頼んで朝日新聞をとってもらった覚えがあります。インテリを気どっていたんでしょうね。天声人語や社説を書き写すと文章力がアップするとも言われていました。大学の寮が購読していたのも朝日で、早起きして朝一番に読むのが楽しみで仕方なかったものです。
でも、最近というか、ここ2年前ぐらいからの朝日はなんとなくヘンです。
北朝鮮は脅威だけれど韓国にはいくぶん親和的な記事があり、あちらの文化風習をさかんに紹介する記事があったりします。以前はもっとかっちりした感じのエッセイストが多かったように思うのだけど、最近はゆるゆるなもの。フリーペーパーに載ってるような日常系のお役立ち情報が充実しているのはいいのだけれども、医学やら学術やら,文化やらのお堅めの内容が減ったような。いちばんの楽しみだった連載小説も終わってしまって、作家さんには失礼なのだけど今の連載作はすごくつまらない。それといささか気がかりなのは、やたらと女性やセクシャルマイノリティに関する記事が多い。硬派じゃなくて、軟派な感じがある。庶民性を打ち出したといえば聞こえはいいが、読み応えがないと感じている方もいるかもしれない。そして読者の投稿欄でも、倫理観のなさそうな無神経な投稿をわざと掲載していたりします。なにかの戦略なのかとも思ってしまう。
「マスゴミ」という侮蔑的な言葉がネットで徘徊して久しいですが、フジテレビとNHK、そして、この朝日新聞はやたらとターゲットになっているようですよね。そして、それなりの著名な文化人たちまでが批判しはじめている。かつてはそれを読むのがステータスだと思われていた教養の新聞紙だったはずなのに、いまはその威厳の欠片すらない。いったい全体どうしたものか。
知識人たちの怒りを買っているのが、最近発表された、朝鮮人慰安婦の強制連行を捏造報道していたという、衝撃的な事実です。証言者の告白(いわゆる吉田調書)が虚偽だったことを知りながらあえて報道しつづけたのだ、と。この問題については詳しくは知り得ないので多くは語りませんけれど、新聞というメディアの失墜を大きく裏付ける事態であることは疑いえないわけです。慰安婦問題の訂正をめぐって、朝日新聞の姿勢を批判する池上彰氏の連載コラムが中止騒動になったりして、耳目を集めました。(その後、掲載された模様)
世の中に不愉快なことが起こるのは致し方ないことです。
しかしながら、新聞を読むことで、朝からとても嫌な気持ちにさせられることが多々あります。新聞の報じられ方が悪いのか、それとも、わたしたち読者のこころが余裕をなくしているせいなのか。
最近の新聞は学校教育の現場でも利用されているはずなのですが、小学生が読むべき天下の名新聞に、堂々と男性の精力剤だとか、介護用下着の一覧だとか、みっともない広告だとか、週刊誌のエロ記事の見出しがでかでかと載っていたりしますよね。私のブログもいかがわしい類の記事が混ざってるので、ひと様のこと申し上げられないのですが、お金払って読む新聞でこれはどうなんだろう…。グラフィックとして美しいのだけれど、見開きで頁を浪費する広告が増えてきましたよね。
これもはや朝日じゃないんじゃないか、という忸怩たる思いがあります。
なぜかやめられないのは、土曜版や日曜の別刷りがおもしろいから。人生相談のコーナーとか、隠れファンの多い日野原重明氏のエッセイだとか、まあ、それなりに読めるものはある。また二、三の論客が意見を寄せ合う耕論という一面記事も見逃せません。国内外含めたそれなりの各界の著名人が寄稿したり、インタビューに答えているので参考になります。
【関連記事】
朝日新聞はもう落日なのか?(後)
ブラック企業なみの酷使をする新聞奨学生など、新聞業界の裏事情が告発されるケースも多い。しかし新聞にしかできない情報のリークもある。
それは朝日新聞。数年前に地元紙から乗り換えました。地元紙の記事の質がいちじるしく落ちてきたように感じたので(目立つ最終頁にパチンコの広告が頻繁に載っていたので嫌気がさした)。2011年ごろのまでの朝日は、グラフィックが美しく、記事も密度が濃く、社説も合点がいくもので、科学記事がよろしく、そしてなにより連載の小説が毎日毎回楽しみでならなかった、そんな記憶があります。数年前までは記事の切り抜きをして保存するのが楽しみでした。
私が高校生くらいまで、知識人階級の読み物として朝日新聞が推奨されていました。当時の国語の先生に勧められるがままに、親に頼んで朝日新聞をとってもらった覚えがあります。インテリを気どっていたんでしょうね。天声人語や社説を書き写すと文章力がアップするとも言われていました。大学の寮が購読していたのも朝日で、早起きして朝一番に読むのが楽しみで仕方なかったものです。
でも、最近というか、ここ2年前ぐらいからの朝日はなんとなくヘンです。
北朝鮮は脅威だけれど韓国にはいくぶん親和的な記事があり、あちらの文化風習をさかんに紹介する記事があったりします。以前はもっとかっちりした感じのエッセイストが多かったように思うのだけど、最近はゆるゆるなもの。フリーペーパーに載ってるような日常系のお役立ち情報が充実しているのはいいのだけれども、医学やら学術やら,文化やらのお堅めの内容が減ったような。いちばんの楽しみだった連載小説も終わってしまって、作家さんには失礼なのだけど今の連載作はすごくつまらない。それといささか気がかりなのは、やたらと女性やセクシャルマイノリティに関する記事が多い。硬派じゃなくて、軟派な感じがある。庶民性を打ち出したといえば聞こえはいいが、読み応えがないと感じている方もいるかもしれない。そして読者の投稿欄でも、倫理観のなさそうな無神経な投稿をわざと掲載していたりします。なにかの戦略なのかとも思ってしまう。
「マスゴミ」という侮蔑的な言葉がネットで徘徊して久しいですが、フジテレビとNHK、そして、この朝日新聞はやたらとターゲットになっているようですよね。そして、それなりの著名な文化人たちまでが批判しはじめている。かつてはそれを読むのがステータスだと思われていた教養の新聞紙だったはずなのに、いまはその威厳の欠片すらない。いったい全体どうしたものか。
知識人たちの怒りを買っているのが、最近発表された、朝鮮人慰安婦の強制連行を捏造報道していたという、衝撃的な事実です。証言者の告白(いわゆる吉田調書)が虚偽だったことを知りながらあえて報道しつづけたのだ、と。この問題については詳しくは知り得ないので多くは語りませんけれど、新聞というメディアの失墜を大きく裏付ける事態であることは疑いえないわけです。慰安婦問題の訂正をめぐって、朝日新聞の姿勢を批判する池上彰氏の連載コラムが中止騒動になったりして、耳目を集めました。(その後、掲載された模様)
世の中に不愉快なことが起こるのは致し方ないことです。
しかしながら、新聞を読むことで、朝からとても嫌な気持ちにさせられることが多々あります。新聞の報じられ方が悪いのか、それとも、わたしたち読者のこころが余裕をなくしているせいなのか。
最近の新聞は学校教育の現場でも利用されているはずなのですが、小学生が読むべき天下の名新聞に、堂々と男性の精力剤だとか、介護用下着の一覧だとか、みっともない広告だとか、週刊誌のエロ記事の見出しがでかでかと載っていたりしますよね。私のブログもいかがわしい類の記事が混ざってるので、ひと様のこと申し上げられないのですが、お金払って読む新聞でこれはどうなんだろう…。グラフィックとして美しいのだけれど、見開きで頁を浪費する広告が増えてきましたよね。
これもはや朝日じゃないんじゃないか、という忸怩たる思いがあります。
なぜかやめられないのは、土曜版や日曜の別刷りがおもしろいから。人生相談のコーナーとか、隠れファンの多い日野原重明氏のエッセイだとか、まあ、それなりに読めるものはある。また二、三の論客が意見を寄せ合う耕論という一面記事も見逃せません。国内外含めたそれなりの各界の著名人が寄稿したり、インタビューに答えているので参考になります。
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