前からふしぎだったんだけど。
日曜「洋画」劇場なのに、なんで邦画を流すんだろうねえ(どうでもいい)
タイトルから「子ぎつねヘレン」みたいな、少年もしくは少女がアフリカかインドに旅立って子象と交流するほのぼの動物愛護ドラマかしら、とかってに思っていました。
「象の背中」というのは、象徴的な意味あいなんですね。
象は死を悟ると、群れから離れて孤独な死をえらぶ、という。
秋元康が原作の、末期がんに冒された中年サラリーマンと彼をささえる家族愛を描いたドラマなんだそうな。放送作家が原作というだけで、すごく嫌な予感がしたけれど。
残り半年のいのちを覚悟した男は、とくにめだったことをするわけでもない。
かつての友人と昔を語り、初恋の人と淡い想いを共にし、そしてライバル会社で人生を狂わせてしまった男に詫びを入れる。兄には財産のことで遺言を託す。
最後は、男が妻にラブレターを残す、という収め方なんですが。
じつは、男には愛人がいて、その存在を家族はまったく知りません。ひみつにしたまま、死んでいく。ちょっとずるいなぁと。
どこが感動作なのかしらと。
失礼ながら、好き勝手に生きたから、病苦に冒されても当然でしょうって思ってしまう。
実体験からいいますと、闘病している本人ももちろん苦しいでしょうが、がん患者につきあう家族の苦労も並大抵ではないです。あんなきれいなものじゃないよって。
演出がとりたてて斬新だったというわけでもなく、ドキュメンタリードラマのようでした。映画にする意味あったかのかな?
役所広司のやつれっぷりは、真に迫っていましてよかったです。
(〇九年五月三日)