陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

日本映画「踊る大捜査線 THE MOVIE」

2009-07-17 | 映画───サスペンス・ホラー
織田裕二って、渡辺謙や真田広之みたいにハリウッド進出するんじゃないかと思う。
とにかく存在感のある俳優です。

その彼の代表作といえば、ご存知「踊る大捜査線」
ドラマの大ヒットを受けまして、その映画化第一弾が放映。
ただ、私、このドラマを観てなかったものですから、刑事物だという以外の情報は知らないです。

湾岸署の管轄内の川で、他殺と思われる水死体が発見される。その後、警視庁副総監が誘拐され身代金が要求される。いっぽう、署内では署員の金品などが盗まれていた。
さて、この三つの事件がどう絡むのかがポイント。
物語の多くを占めるのは誘拐事件。ところが、先の殺人事件の容疑者が意外なかたちで関わってきます。いや、さかのぼれば、窃盗事件の犯人からか。

見どころは、織田扮する正義感あふれる青島刑事と、柳葉敏郎演ずる朴訥としたエリート警部室井との対峙。いまは亡きいかりや長介も、すっかり理解のある老刑事役が板についています。

このドラマのおもしろさは、老獪な上層部と現場の若手署員たちとの対決。
法を犯したにも関わらずどこか憎めない犯罪者(むしろ捜査に協力したりする)に比べると、むしろ腹立たしいのは、上の連中だというわけで。
若者から搾取して富を得ている現代のノンワーキングリッチ層、無能な上司にえらい目に遭わされている中間管理職世代からの支持は受けそうなつくりですね。
あの会議室でぐるりと輪になってモニタを眺めながら音声で指令している構図って、もろにエヴァンゲリオンのあのシーンですよね(笑)

この劇場版で目をひいたのは、小泉今日子の怪演。新聞のTV欄でクレジットが出ていたので、おそらく犯人役だろうとは目星はついていましたが、なかなかサイケデリックな役どころ。ただ、声にドスがなかったので、喋らないときのほうが迫力がありました。
しかし、「この薄ぎたねぇシンデレラ!」とさげずまれるピアノ弾きの薄幸の少女(ネタが古っ)が、年を取るとこんな役までこなせちゃうんですから、ふしぎ。

(○九年七月十一日)

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