陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

映画「ペリカン文書」

2014-05-14 | 映画───サスペンス・ホラー
1993年のアメリカ映画「ペリカン文書」(原題:The Pelican Brie)は、最高裁判事暗殺事件に絡み仮説をたてた女子大生が政治的陰謀に巻き込まれていくリーガル・サスペンス。以前から名を聞いたことがあり、いつかは見たいと思っていた映画でした。

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ワシントンD. Cで最高裁判事ローゼンバーグとジェンセンのふたりが一夜にして、国際テロリストと思しき犯人に暗殺される。

ニューオーリンズのある大学。
興味本位で事件に関するリサーチをし仮説をうちたてた法学部の女学生ダービー・ショウは、レポート「ペリカン文書」にまとめた。交際中の大学教授トーマス・キャラハンにそれを渡した矢先、キャラハンが目前で爆死してしまう。

キャラハンに渡した文書はFBIに持ちこまれ、あちこちに広まり、大統領周辺が警戒を強めている描写が伺われます。
協力者であったキャラハンの友人も始末されてしまい、いっそう身の危険を感じたダービーが頼りとするのは、事件を追っていたワシントン・ヘラルド紙の敏腕記者グレイ・グランサム。

ダービーの仮説によれば、ペリカンの生息地の保護のため石油を運ぶための運河の建設工事の差し止め訴訟に絡んで、判事が殺されたというもの。グレイは、建設を推進するヴィクター・マティースが、大統領への大口献金者であることから、事件の裏にホワイトハウスがいるのではないかと推測。

証言集めに奔走するダービーとグレイを追って、怪しい動きが…。
事件の鍵を握るとされた弁護士はすでに消され、二人の車にも爆弾が仕掛けられる。アクション映画ではないので、二人はからくも逃げおおせるあたりは、並みのサスペンスとしてはやや期待外れかもしれませんね。危険な綱渡りをした二人ですが恋仲に発展するというわけでもなく、保身のためにダービーは潜伏せざるを得なくなります。ダービーの存在は謎に包まれることになりますが、これは「複数の情報源の総体」と作中で言わしめているように、たった一人ではなく、多くの人が世の不正に関心を持ち勇気を奮って告発してほしい、という願いをこめてなのかもしれないですね。

政治的思惑での警察による捜査妨害というには日本でも珍しくない現象でしょうけれど、いち民間人の証言をもとに不正を暴き出すというマスコミの監視機能が働いているかどうかは疑わしい限りです。

主演はジュリア・ロバーツ、デンゼル・ワシントン。
監督はアラン・J・パクラ。
原作はジョン・グリシャムの同名小説。

(2011年6月17日)

ペリカン文書 - goo 映画

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