この日記は兼業先の職に恵まれぬ時期に書いたものなので、かなり文面を乱暴にしています。
他人の感情のささくれを読んで気分が悪くなる方は閲覧をお避けください。
****
コロナ禍で就職氷河期世代支援が置き去りにされたことが話題になっています。
そもそも、支援などと申しましても、有名無実化していました。
根本的に、なぜ氷河期が生まれれるのか、日本の悪しき雇用システムの見直しが図られるべきだったはずなのに。
私は過去、二回の正社員、二回の契約社員を経験しています。
いずれも事務系職種でした。派遣の時と違って、外部の人間という見下しがなく、入社当初はやはり直接雇用はいいと感じていました。しかし、とんでもない地獄を見ます。
就職氷河期世代、しかも高校を不登校で二年遅れ、大学院まで出て、社会人になったとき、すでに私は20代後半でした。最初に専門商社で正社員になったときは30歳。それでも、企画編集職という夢の職務だったので、張り切っていました。
しかし、たまに朝7時に出社、下手すると夜21時帰宅という業務。
隔週休日二日制、しかも家に持ち帰ってデータ整理せねば仕事が間に合わない。その給料は手取り13万円でした。しかも営業職に移動しないとボーナスも出ないと宣告されます。
資格を取得して士業事務所に総務事務で勤めたときも、休憩時間に本を買いに行かされたり、当番制だった湯飲み洗いを押し付けられたりました。早出して雑用を片付け、ゆったりと普通の業務をこなそうとしても、どんどんノルマを押し付けられます。両替するための現金を持ってこいと言われ、休日も切手や備品などを立替払いで購入しないといけない。
建設会社に正社員雇用前提で契約社員採用されたときは、さらに地獄でした。
雇用条件通知書とあきらかに違う労働時間、残業代無し、休憩時間は90分あるはずが、実質30分がざらで、5分で食べたときも。休憩時間がないといっても、会社がとりあってくれず、それが違法だとも認識されていませでした。
そして、いちばん不服だったのは。
こうした会社は経営者が高齢者で家族経営が多く、中途採用組を新卒よりも冷遇されたことです。正社員なら与えられるはずの備品も用意されませんでした。
建設会社の事務は、正社員の後釜で入り、業務量はほぼ変わらないのに契約社員のまま。
しかも手取り11万で、週労働時間が50時間超え。しかし、新卒が採用された部署は月給にして3万円も高く、研修が充実していて、初日からゆったり働けています。私の方が、PCスキルも高く、資格取得もしていて拘束時間が長いのに、正社員になっても昇級見込みはないと告げられました。しかも、その会社は、お昼の電話当番やトイレ掃除は女性だけにさせて、仕事をしない老害社員が居座っているのです。
なぜ、生まれた時代が違うだけで、こんな差別を受けねばならないのでしょう。
待遇格差を訴えても、「新卒だから優遇するのはあたりまえ」という答えしか返ってきませんでした。
氷河期世代ではなくとも、大学生が家族の看護介護のために学業断念したり、災害に遭って就活どころではない場合もあります。今回のコロナ禍でもそうですね。自治体職員の非正規職優遇採用でしのいでますが、ほんらいの就職氷河期世代の救済はずっと置き去りのまま。彼らの第一世代はすでに40代半ば、定年まで20年も働けないので、企業も正社員として雇おうとしません。
この傾向、なにか似ているなと思ったら、そう「処女信仰」ですよね。
よその会社のカラーに染まっているものを除け者にする。他社で磨いてきたスキルや要領だけ盗んで、要らなくなったらお払い箱にする。けっして会社の中枢部においてはくれません。
いま、多くの中小企業、とくに人手不足の業界では、高齢者と新人世代しかおらず、中間層がいません。いても、層が薄くて待遇が悪いので部下を育てる余裕がありません。なのに、企業は都合よく、キャリアがある人材、即戦力と称して雇いこもうとするが、不当に買い叩こうとしています。
就職氷河期の皆さんは、とくにキャリアが浅いので、拾ってくれた会社に感謝しようと無理をして働きがちです。そして、どんなにひとのいい社員でも、下手にやる気をみせたら、どんどん仕事をおしつけてきます。
私はある短期にアルバイトで、始業30分前に準備を手伝っていたら、なぜか管理責任者にシフトを減らされたり、同僚に媚びを売っていると妬まれたことがあります。馬鹿らしくなって、サビ残などをやめ、次の仕事を見つけるためにスキルアップしたり、就活をしたりして気分が落ち着きました。その仕事でも、あきらかに業務知識のない若い子だけが異様に可愛がられていました。
履歴書に学歴や資格歴があって、意味のない逆差別的なツッコミをもされます。
本当はやれる自信がないけれど、とりあえず職が欲しくて、仕事ができる自分を面接でも、入社後でも演出する。その疲れが数箇月で出てきます。
就職氷河期世代の平均年収はほか世代に比べると、あきらかに低いです。
またこの世代の給与をあげなかったばかりに、自立できない人も多い。なのに、年金受給世代の年寄りから、あるいは就職に苦労しなかったバブル世代からも、自由な生き方をして子どもをうまなかった無責任世代とののしられました。そんな不当な辱めをうけても、自己評価が低いものですから、じっと耐えてきました。
数年前に、反戦デモが若者の間に広がりましたが、氷河期世代こそ訴えるべきだったのではないでしょうか。京アニの放火事件も、令和初年の不可解な事件も犯人は氷河期世代。犯罪を起こしたのは許されるべきではないけれど、世の中への鬱屈を晴らしたい気持ちは私にはじゅうぶん理解できます。
家族を過労死で失った私は「会社はひとを殺す場所」だと思いながら、ずっと働いていました。
私自身のキャリア形成の間違いや適職を見誤ったことなどもあるかもしれません。しかし、無理なく働きたい、通勤時間を短縮したいと思って選んだ近場の職場でも、不当なサビ残をさせられ、帰宅後まで業務ノートをまとめ、休日もずっと仕事の考え、生きた心地がしませんでした。
まあ、逆に、私は個人事業の収入が多少はあるので、会社を辞めてもすぐ行き詰まることないのですが。
日本の、とくにクソ田舎の、考え方が昭和で止まっているような企業は、いるだけでおかしなことが多く辟易してしまいます。会社の偉い人がルールといった調子で、管理職も役員も、労基法や安全配慮義務すら理解していません。なぜ、これだけ、あちこちにブラック企業があるのかフシギです。休憩時間をきちんととらせてくれる会社でも、人間関係が最悪だったりする。
要するに、中途採用を応募している会社には、望みがありません。
理想の働き方をしようと思ったら、もう自分で起業するか、家業を継ぐかぐらいしかないでしょう。それは、誰もができることではありません。
より恐ろしいのは、こうしたブラック企業を労基署が取締りもせず、ハローワークにおとり求人を出しても罰則などがなく、労働者が搾取され続けていることです。
海外では非正規職でも最低賃金が1000円越えもざらですし、休暇も充実していたりします。日本の労働者が生産性が低いというけれど、やりがい搾取をして働く意欲を削いでいるのは事業主のほうではないでしょうか。