タイトルから予想される通り、今回はいささかいかがわしいお話をします。
お嫌いな方は回れ右してくださいね。ちなみに、これはあくまでも個人の性癖のことなので、反論の余地はあるでしょう。
ツイッターやピクシブなどでは、18禁ものの二次創作物はフィルター掛けで排除できるようになっているみたいです。「センシティヴ」などというスマートな表現にされていますが、要するにエロですよ、ってことですね。
私は字書きではエロものを書いたことがありますが、絵ではありません。
さすがにアニメ雑誌にイラスト投稿していた時代は純情な10代でしたので。当時、ちょっとアダルト向けなセーラームーンの同人アンソロジーなんかでも、胸がチラ見しただけでどきどきしてしまうような。今となれば、まあなんと初心だったのでしょう。
私が18禁ものの二次創作を見かけたのは、ネットにおいてでした。
絵でも小説でもいいのですが、ほんとうにいくらでもでてきますよね。私の好きな原作ジャンルは人口が少ないうえに、原作じたいがかなりオタク寄りなので、そういう色艶ものも多いわけです。というか、原作者さんが同人作家だし…(笑)
そして、私は前から気になっていますが。
18禁ものですよとお断りする場合のラインが計りかねています。男性向けだったらエロで、女性向けだったらセーフなの? 営みをどこまでやればアウトなのか? 性暴力的なのはよくなくて、カップル合意のうえの和姦ならOKなのか? 男女であけすけなのはダメで、ファンタジーめいた百合やBLならば許されるのか? あの部分をなまなしく描いたらまずいのか?
人間の生存本能のなせる技なのか、生殖器を見てしまうと、異常な興奮をしてしまうということはあたりまえのことです。が、しかし。
医学や生物学系、もしくは美術を修めた者は人間の裸体を見慣れていますので、実は常人よりもかなりセクシャルな刺激のハードルが高くなってしまいます。そのために、男性向けの同人誌でありがちな、露骨なあの形状やら、その体勢につきましても、どうしてもなんかこの形ゆがんでないか、とか、このポーズおかしいでしょ、とか、なんかもうAV見過ぎではとか、いろいろ突っ込みたくなってしまいます。
いわゆるエロ絵であっても、あ、なんかこの構図はどっかの画像検索してなぞったのかな、とか、ヌードデッサン集のポージングにありがちだな、とか考えてしまいます。また、字書きでも同じで、やはり、やることがマンネリ化してしまい飽きてしまうものです。エロってテンプレ化しやすいので書きやすいとは思いますが、問題は、行為に及ぶ際にキャラの性格が改悪されて、読者がかなり醒めてしまいやすいこと。
18禁ものの一番の問題は、二次創作者の自慰めいた妄想に見られやすいということなのかもしれません。
ですので、なるべくならば、作者の息吹を感じさせないように、キャラ同士のムード作りをしっかりとお膳立てしたうえで、ベッドインさせるとか、前振りでのストーリーを練るだとか、気持ちのすれ違いをさせてハラハラさせるとか、そういった工夫が必要なのかもしれません。いきなり押し倒しますよ、じゃなくて、いかにその気にさせるかという。エロを描きたいのだけど商業誌の品位があるので、とってつけたような壮大な設定をでっちあげるというプロの漫画家もいます。リビドーは表現力の源なのです。
18禁があっても、原作の雰囲気を損なわず、バトルなども充実している力作なら私は大歓迎。
昔の個人サイトとか、匿名で書ける投稿掲示板とかは、けっこう自由な雰囲気の二次創作が百花繚乱とあったはずです。まさにアングラ文化の薫りが漂うような。
ちなみに、私は完全な全裸よりも、ちょっと肌脱ぎぐらいのほうが好きです。
人体の美しいかたちは形骸化しやすいので、どのキャラも同じにしてしまいやすい。なので、多少の服で隠れているぐらいのエロスを醸し出すというのが、実はなかなか難しいものです。谷崎潤一郎も『陰影礼賛』で述べていますが、やはり着物は肉体美をほのめかすのにちょうどいい構造をしていますね。
小説の場合はあけすけに書かずに、いかに隠した部分で匂わせるか、行間で読ませるかが勝負なのかもしれませんね。オリジナルものでもそうですが、キャラが魅力的であれば、ちょっとばかし外道なことをしても、なぜか許してしまえそうな気がします。
しかし、いったい、私はなにを力説しているのか…(艶笑)
【二次創作者、この厄介なディレッタント(まとめ)】
趣味で二次創作をしている人間が書いた、よしなしごとの目次頁です。
二次創作には旨みもあれば、毒もあるのですね…。