陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

虫のイイ話、虫のワルい話

2014-09-18 | 自然・暮らし・天候・行事


どんなお宅にも、かならずと言っていいほど、虫が棲んでいるものです。
地球上でいちばん繁殖している生物は昆虫類なのだそうです。日本は生態系が複雑であるため、多種多様な虫が生息していることでしょう。しかし、彼らはその数にもかかわわず、食物連鎖の頂点にいるわけではありません。おそらく、どなた様も身近な虫の生殺与奪を握っているはずです。

さて、唐突ですが。
ここで我が家に生息する虫の生存率について考えてみたいと思います。

【生存率ベスト5】
1.セミ&トンボ
どうも季節限定レアものには弱いんですよね。童謡に謳われているせいもあってか、命が大切にされているお得キャラ。頭に留ったり、腕にひっついたりしても、笑ってすませられる夏秋のアイドル。ちなみにうちのシャム猫(故)は、見た目淑女なのに、蝉や蜻蛉をうまそうに食べていました…。猫の野生本能って怖い…。

2.コオロギ、スズムシ
おなじく季節限定です。しかも技巧派。声色がステキってお得なんですよね。どう考えても歌うしか能がないキリギリス野郎なのに…。紅白歌合戦のときだけ存在感を放つ、小林幸子や美川憲一みたいなものですね。歌唱力が小うるさいヤブ蚊並みだったら、ぜったい殲滅させられていたと思う。

3.青虫・毛虫
一般的には嫌われがちですが、うちでは殺しません(ただし買ってきたキャベツやホウレンソウなどはアウト)。羽化すればとっても美しい蝶になったり。将来性に賭けましょう!!(たまにモスラみたいなのに変身するけしからんのもいるが、どうしてくれよう(酷))

4.テントウムシ
可愛いは正義。お子さまたちに大人気。ひょっとすると、とんでもない害虫かもしれないってのに、見た目の良さでずいんぶんと利益を得ているであろう、したたかな奴です。必殺技は死んだフリ。おそらく草間彌生の創作活動に多大な影響を与えたと思われる(嘘)。

5.アリ
ただし、黒くて働き者に限る。好物のおやつを奪わない限りにおいて、彼らは人類の敵とは見なされない。働かないアリも労働者予備軍で意義がある、などと近年の研究では言われているが、実際のところ、生まれながらの階層社会であることを忘れてはならない。

【生存率ワースト5】
1.ゴキブリ
全世界でいまもっとも生存が脅かされている、大変かわいそうな生き物。たぶん外見で損している。テントウムシを見習いなさい。虐待される耐性がついてしまったのか、殺虫剤やスリッパ攻撃にあって体の半分を失っても、高い生存率を誇るためよけいに嫌われているらしい。そりゃゾンビだよ。

2.蚊
小さなお子樣から、御年寄りまで、もれなく問答無用でてのひらでぶっ潰されるあわれな生き物。駆除専用の線香や家電まであるぐらいですから。ミミズだっーて、オケラだっーて、みんなみんな生きているんだ、と歌われているのに、たぶん友だち扱いされない粗末な虫ナンバ-2。コオロギと同じく流しの歌い手系なのだが、なにせ歌唱力がないので、目障り扱いなのが悲しい。しかし繁殖力はすさまじい。夏場に水たまりや雨水のたまった鉢植えにボウフラが湧くので、水はこまめに捨てた方がいいです。

3.クモ
アメコミでは英雄らしいですが、一般のご家庭で生息していますと、家運が傾いていると見なされます。ながらく正当に評価してくれるのは、「蜘蛛は網張る私は私を肯定する」と詠んでくれた種田山頭火ぐらいなもんでしたが、近年、蜘蛛の糸を繊維として人工的に生成する技術が開発されたそう。そのうち益虫の仲間入りを果たすかも。せめて足は六本に。

4.ムカデ
虫の足ってもんは六本と決まってます。多すぎれば徒になる好例。おなじウネウネ系でもミミズは、いい土をつくってくれるので百姓には喜ばれます。ちなみに昔、管理人の炊飯器の釜の下で焦げ付いていたのを発見したことが…。どうやって侵入したんだろう。無駄に足が多いとよけいなところに行きたがるのか、ほんとバカな子…(酷)。

5.カマキリ
元祖仮面ライダーことバッタと同色なのに、足もずいぶん長いのに、なにぶんシザーハンズなので嫌われています。中国の故事では勇気ある虫とされたアルヨ、でも日本ではやぱり人気ないアルネ。逆三角形の顔と蛇目がマイナス要素なのかもしれない。最近の学術的な分類では、バッタではなくゴキブリさんのほうにカテゴライズされてしまったらしい。オスを喰ってしまうメスもいるとか…(怖)


最近なにかと話題のデング熱は蚊が原因ですし、肌の露出の多くなる季節はマダニも怖いですよね。ダニや蚊などの吸血類は恐竜が生きていた時代にはいなかったそう。つまり哺乳類の進化と切ってもきれない関係にあるわけです。

著名な環境学者のレイチェル・カーソン女史が人工殺虫剤の生態系破壊の危険性を唱えてから四半世紀。逆にアフリカなどでは蚊が大量発生し、マラリアなどの伝染病患者が世界各地で増大しているとの報告があります。

虫は殺せばいいのか、活かせばいいのか、ケースバイケース。
上手につきあっていけるといいんですけどね。ちなみに虫じゃないけど、苦手なのはナメクジです。持ち家つきだったら可愛いのに(謎)。



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