多くの患者さんは、病気を治したくて来院されます。しかし、治りたいと思っている人ほど治りません。
病気であるかどうかに関わらず、こだわらず生きている人が良くなっていく、あるいは病気にこだわらない状態になることが多いのです。
治したい人は、僕が治せない時にがっかりします。
そもそも、その人を病気にしたのが僕では無いのに、僕ががっかりされるのです。
これまでの僕は、僕の治療技術や知識が足りないと思い、申し訳ない気持ちになったり、一生懸命知識や技術を学びました。
それでも治らない人は治らない。どんな鍼をしようが全く効果が無い。
どうしてだろうかと悩みました。しかし、そうしながらも何かがおかしいと思っていました。
つまり、私がその病気つくった訳でも無いのに、私ががっかりされているということです。これは、あなたはプロでしょうと言われるかもしれませんが、真実です。
多くの病気の人は、治そうという欲があります。それは当たり前です。
この良くなりたいという欲。これ自体は悪いことではありません。私も苦しいときは何とかしてもらいたいし、なんとかしたい。
これです。多くの人は治してもらいたい、良くしてもらいたいのです。
これは、ちょっと恐ろしいことです。
それで、僕は根本的なことを考えていかないといけないよねということで、そのことを語りだしました。食事や呼吸や運動、身体バランスや心の問題。
しかし、これだけでは全く足りない。
患者さんの中には自分が病気になったのは、どこがいけなかったのか、何か悪いことをしたのかと怒りを抱えている人が多いです。これは病気が重いほど多くなります。
そうでは無くて、あなたは何か悪いことを、生き方を間違ってして病気になった訳ではないのです。もちろん食事があるいは働き方が、あるいは家庭のストレスがとかいろいろとあるでしょう。
しかし、その結果、罰としてその病気になった訳では無いのです。
ただ、あなたは病気であり苦しんでいるということだけが真実です。そしてそれを経験しているということです。
その病気を体験している。それ以上でも以下でもありません。
あなたがすべきことは、治すことでは無く、どうすれば快適に出来るかということだけです。その際、その状態を作れるのは医者や治療家ではありません。
そもそも治ったと言う状態は定義できません。幸せが定義できないように。
その掴めないものにこだわっている状態の人が患者状態です。
私たちは暗闇の中に光を見るのです。
#病気とは何か #健康とは何か #治るとは何か
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