何でやろ！

　昨日は、秋葉原の通り魔事件の話題で持ちきりでした。都内では号外も配られてたようです。２５歳の若者が７人の命を奪い１０人もの人を傷つけ・・・、全く理解できない行動です。たまたま自分や知り合いでなかっただけで、通ったことのある身近な場所で起きた事件に驚いています。亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。　

　多くの人が将来に不安を抱えながら生きています。生きていることが嫌になることもあるかと思いますが、人を傷つけたりする理由にはならないことは明白です。しかし、その行動を起こすエネルギーを考えると何が彼をそこまでさせてのか考えてしまいます。

　１・２週間前、久米宏がメインキャスターをされていた経済特番がテレ東で放映されていました。内容は、２０代の若者層の消費動向やライフスタイルに着目したものでした。番組では彼らを新ニッポン人と名づけて、彼らの価値観を細かく取り上げていました。学生街で「スカイライン、シルビア」と書いたフリップを見せて何を連想するか、男子学生にインタビューをしたところ、ほとんどの学生は車と答えることができませんでした。これには驚きました。彼らは車への興味は薄く、車を持つことにステータスを感じず、女性も車を持っていることを重要には考えていないようでした。お酒については、２０代の３人に１人がお酒を飲まないそうです。また、飲み会の様子を見ても「とりあえずビールで乾杯で!」ではなく、思い思いの好きなドリンクを注文していました。また、海外旅行も特に男性は興味がなく、なんとこの１０年間で２０代の若者の海外渡航者数が約１６６万人も減ったそうです。つまり、生バブル崩壊後の不景気な時代と共に育った彼らは、物欲が乏しくブランド志向もなく、極端にお金を使わなくなってきていることがレポートされていました。そして、多くの若者は将来に不安を感じ、かなりの割合で貯蓄をしていることも伝えていました。

　昨日のアキバの事件を見ながら犯人の年齢を聞いたときに、ふとその番組のことを思い出しました。ＴＶの若者もアキバの犯人も共通して、欲や夢がというものが薄れているのだろうと感じました。お金を使うといった経済面だけでなく、つまり、人よりいい生活をしたい、いい女と付き合いたい、うまいもん食いたい、長生きしたいとか・・・全ての行動の動機は○○したい、という欲が機縁となっています。欲や夢や希望を描くことが難しい世の中かもしれませんが・・・彼が殺したいという欲があったというかも知れませんが、そこには満たされるものが何もありません。なぜなら彼は間違いなく後悔しているはずだからです。人を殺すために人間は生まれてきたのでないことを強く伝えたいと思います。！