もう一週間か。
最近早いな。稽古が週三日あるからだろうか。
さて、念のため調べたけれど、ちゃんと日本語のファンの意味であるようです。
扇風機って出てきたときは、ちょっとびびったけど。
ほんとはfundamentalとかにして、思い切り演劇よりのこと、技術的なことを書こうかと思ったのですけれど、
今書きたいことを書こうと思いまして、最近(観ただと何かとジャンルが近くて書きづらいので)読んだFANなものを書こうかと。
羽海野チカさんの「3月のライオン」
圧倒的にこれでした。
妹にも勧めました。
「はちみつとクローバー」のときも注目して面白く読んでいましたが、これはいい。
京都のとある書店(中ぐらいの規模)では3巻は売り切れだったらしい。
前作のときは、芸術なるものの周辺にいるものとして共感し、主人公のひたすら自転車で走る姿には、そういえばそんなときもあったようななかったような、と言う気分で共感していましたが、
この作品は、なんだか今の自分に当てはまる気がする部分がたくさんあって、ズカーンと来ました。
なんというか、もちろんずばりじゃないんですけれど、(そして年齢的には前作の主人公のほうが大学生だからまだ僕に近い)そして具体的な台詞がパシッと僕にはまるわけじゃないんですけれども、作者が悩むこと(ご自身が自分がこの作品を描いているのは自分がそれについて考えたいんだと思うという趣旨のことを書かれていました)が僕と似ているのか、とても良かったんです。
もちろん「逃げたとかさぼったという記憶を作らないために高校に入りなおす」という主人公の言葉とか、中途半端だという思いだとか、この道の先にあるものへの思いとか、いろいろ重なるところがあるなあと思って、いろいろ考えたりほっこりしたり・・・。
テクニカルなことを他の人の作品を語るときは言ってしまいがちなんですけど、昔とある女性に怒られましたので、今回はそれはなるだけ封印しまして。
トム・ハンクスの「キャストアウエイ」を観て「どこがよかったか」と問われて、複線のはり方が云々と言ってしまい、小道具のフェデックスが秀逸だし、バレーボールの発想もすばらしいと言ってしまって、「あなたがどこに感動したかを聞いている」といわれました・・・。
それはともかく、あかりさん大好き。スタイルも感じも。
料理も上手そうだし。
ただ、好みはフクフクらしく、も少し太らんといかんのか。
いや主人公のように拾われるには、もっとやせんといかんのか。
ちょっとテクニカルなことに入るのかもしれないけれど、キャラクターの造詣がこの人は前作から秀逸で、ほんとに関心させられる。
主人公の周囲にいる人たちの描き方が。
連載が止まっている「ダブル」も、このキャラを定めねば、というところで止まっていて、プロットの練り直しに進まない・・・。
ただ、ちょっとずるいのは(少女マンガは昔からこれあったのかな、NANAとか特に最後のモノローグはこの手法)、キャラの心情描写をコマ外の黒帯に白地の文章で説明してしまうこと。
でもこれはアリだとは思ってるし、これがないと成立しないとも思うんだけども、演劇だとこれできないから。いや字幕とかでやってる人はいるけどね。
そのキャラの文章と台詞の相乗効果というのはあって、マンガの理解度も深まるのだと思うけれど。
それでもなお、この作家のすごいところは、言いたいことが押し付けがましく聞こえない(僕にはということだけど)し、その提示の仕方がうまいことだ。
今日GTO見てても思ったけれど、ウルトラC的に説教くさかったり、正論だったり、理想論だったりすることを、おもいきし作品に描けるだけのお膳立てをきちんとしていることがすごいな、と思う。
まあGTOについては再連載だから、今はじめて見た人に有効かはわかんないけど、少なくとも僕は暴走族を集める今週のラストは鳥肌がいまだに立つ。
なんとなく一作品だけ褒めるのもなんなのでもうひとつ。
はやみねかおるさんの「夢水探偵シリーズ」。
僕は推理小説は好きだし、アルセーヌ・ルパンも人生のある時期までは目標でした。(やはり怪盗は目指せねえ。でもあきらめない精神は受け継いでいます)
でも推理小説といえば、絶対人が死んじゃったり、犯人が悲しんだり。
でも夢水さんは違う。
名探偵の仕事とは「全ての人が幸せになるように事件を解決すること」だと言う。
これは、僕も作品を創るときに念頭に置いていて、美徳(Virtue)の欄でも書いたけど、ものすごく理想だけどその理想を描いてもいいんじゃないかってずっと思ってる。
まあ、その作家性は封印したほうがいいときもままあるんだけどね。
この間稽古でこだわったとこも読み直すと、やはり誤読せずに直球を投げた方がいい気がしています。
一緒にやってる俳優さんは、そういえばこれを読んでいるのだろうか・・・。
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