「軌道」という意味です。
最近、友人のお子さんを連れて大阪市立科学館に行きました。
なかなか楽しかったです。はやぶさ帰還のプラネタリウムとか、宇宙とか力学とか放射線とか電気とか。
当然ながら、僕自身のお子さんと間違われる年齢になったんだなあ、と。
まあ、昔から妹は僕の子どもに良く間違われていましたから。しかも十代のパパという感じでもなく・・・。
教えている生徒達は、僕は42歳だというし。まあ、福山雅治とかがそれくらいだった気がするし。
それはともかく次回作の話が決まっていて、後輩の神田川(劇団粋雅堂)というやつが書いた「『【Par/sec】』 というお芝居です。
「ほしのこえ」「秒速5センチメートル」等で知られるアニメーション作家新海誠氏の作品群へのオマージュ作品です。
そのお話のなかで、宇宙や物理法則の話がたくさん出てくるので、その取材を兼ねています。
あ、今回は枚方なぎさ高校の演劇部にお邪魔して彼らの文化祭公演に外部演出家として参加します。
また詳細は告知しますが、学校内の文化祭ということで、YOU企画にメールにてご予約いただいて観に来ていただくという形になります。
まあ、夏の体育館なのでめっちゃ暑いと思いますが。
今回の話は「軌道に乗る」という言い方にちなんで、大体の演出の流れというか稽古場の流れを書いていきたいと思います。
台本が決まったら、基本的に読むんですけど、じっくり読むのはもう少しあとで、周辺の知識を入れていきます。
と、いってもがっつり図書館に行って調べたり、というほどではなく(まあ大抵そこまで時間はないですし)
今回のようについでにという感じで取材します。
作品をやるとなると、自分の中でアンテナを張っておきます。
言わば「宇宙・物理・秒速・新海誠」というようなキーワードで日常を過ごす中で僕にぶつかってくる情報を検索していくという感じです。
そういう中で作品について、考えたり感じたりしていくことが、稽古場で生きてきたりするのです。
俳優さんが決まり、稽古が始まると、とりあえずワークショップをします。
俳優さんという素材を観察するという感じでしょうか。
この作業も面白い、というか普通は人をがん見することなどないので、興味深いです。
相手役によっても異なりますし、僕の言葉にどのように反応していくか、というのも科学の実験のようです。
結局、ある作品をその俳優さんたちでどう表現していくか、というのが演劇作品であり、演出なので。
そして、並行して台本に当たっていきます。日本語は「、」や「てにをは」のような助詞に思いがこもるので、そういうものを見落とさないようにしていきます。
たとえば目的語に「~を」を用いる場合と「~が」を用いる場合では微妙にニュアンスが違いますから。
「あなたを好きです」 「あなたが好きです」
ほら、違うでしょ?
あるいは、作品出てくる地名や固有名詞を調べます。その距離や時間的距離をも調べます。
歴史的事件であれば、それがどれくらい前に起こり、どれくらい遠くで起こっているのかで、また変わってきますから。
あるいは代名詞の違い、「あなた」というのか「君」というのか。「俺」というのか「僕」というのか。
そんなところを調べておいた上で、本読みをしていき、自分でも詰め切れていないところは、稽古場で俳優やスタッフさんがどう読んだかを聞いていきます。
そして読み合わせをしていきます。この段階である程度のミザンセーヌ(舞台上での俳優の動線)は決めておきます。
稽古場では迷う時間は惜しいので。やってみて何ぼなので。
そうして立ち稽古に入っていきます。
この段階になると使う小道具や衣装、装置も大体は決まってくるので、あとは俳優が台詞を入れてくれたらな、と思うくらいがやっと「稽古場が軌道に乗った」というところでしょうか。
でも今回、三週間ぐらいしかないんですよね、高校生達との作業。
僕としても、トレーニングをしながらの演出になると思いますし、何らかの刺激を彼らに与えたいし貰いたいし。
いろいろ未知の作業になりますね。ひょっとしてまた連載をすっぽかしてしまうかも←今から言い訳しておくとは・・・。
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