どろぼー、だったかもしれませんが、ぬすっとで書きます。
この話、ひょっとしたらずいぶん前に書いているかもしれませんが小学校四年の時の出来事です。
いじめというわけではなく、でも着実に少し悪意のあるいたずらとして、たしか30センチ物差しだったと思うのですが、私のものを前の席の子が取りました。
そこで私は「ぬすっと」もしくは「どろぼー」と言ったわけです。
すると担任の先生はあろうことか、私に対して叱り始めました。
「お友達のことをそんな風に呼ぶものじゃない」と。
私は言いました。「この人は私のものを取りました。その行為を正確に表現しただけですが何か間違いがありますか?」
(いくぶん今の私の言葉で書いていますが、当時も敬意を持ちつつもはっきりとした意見を述べてはいたと思います)
ブルドッグのような顔をしたこの女性はさらに怒り出しました。
私も一歩も引けません。
そもそも教師として被害者を守らず、加害者を罰せず、さらにその上被害者を非難するなどあってよいはずがありません。
この世に正義はないのか。しかしそのことを言っても論点がずれるだけですから、一言「広辞苑を開いて調べてみてください」と言いました。
しかし、もちろん彼女は聞き入れず、しかし私の決意を悟ったのか、話し合いは平行線のままでしたが彼女の私への非難も終わりました。
今でも論理的に言って私が間違っていたとは思えません。まあ彼女の想いは少しは分る気がしますが、間違っているものは間違っている。
しかし、今書いて思いましたが「先生なのに・・・」という思いはあったかもしれません。
今なら教師は聖人君子などではなく、間違いを犯す弱い人間であることを理解していますが、当時はまだ若い、幼い少年でした。
しかしやはり、言葉じりを捉えて叱られたところで、被害の回復がなければ泣き寝入りですし、
やはり悪は悪としてしっかり裁き、その上で友情を築いていくためのいろんな方策をとってくれたほうがよかったなあ、と思います。
障害物走が山あり谷あり走になった時にも思いましたが、セリフを書く練習をさせるほうが「言葉の用い方」を学ぶという点ではよっぽど良かろうって思います。
これは言葉を専門的に扱う今の仕事になってより鮮明に思うようになったことです。
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