高齢者夫婦 妻が病気の時

ホームで亡くなった人

本人も家族も延命はしたくないけど
苦しくて救急搬送。でも治療を要しないので
そのままタクシーで帰される事2回。

苦しむのを見ておれない。
でもこれ以上つらい目に合わせたくないと
ホームに入居された。
救急搬送はしない。自然死でという事で

日に20回以上の排尿介助
それが張り合いになっていたのか
全身の力が無くなる割には足はしっかりしていた。

もう看護師が限界と思う頃
膝折れあり「危ない」バルン入れなきゃ
でも本人は拒否。しかし間もなく転倒。
尿管を入れる事になった。尿管を入れると、
あっという間に具合が悪くなり3日ほどで亡くなった
気落ちしたのか。夜中に静かに亡くなった。

夫は「一生懸命したから悔いは無い」と話し
「あんたらもようやってくれた。
あいつを残しては死ねんもんに」と死んだ事に安堵された様子だった。

家族の顔は晴れ晴れしている。

訪問看護で

訪問した日から高熱があり（もしかしたら前からあったのか）
危険を感じた。
私は医者ではないのに
「死ぬかもしれんよ」と話して入院を勧めた。
娘は硬い表情で入院希望。もう一度元気になってほしい。と話す。


夫は穏やかな笑顔で家で看てほしいと話す。
夫は妻を愛していない訳では無い。本当に一生懸命看病している。
事前に事前に物を十分そろえて下さる。
お金の事は良いですと看護師が何か欲しいと言うと
直ぐにそろえて下さる。
でも入院はしたくない様子であった。

しかし今、死ぬ恐れが無くなった今
早く治るのならと
簡単な手術のために病院へ連れて行こうとする。


「病んだ妻を残して死ねない」という想いから
具合が悪い時ほど「延命はしたくない」という気持ちが
働くのかもしれない。

子供に負担かけられないと言う夫もいたが
「病んだ妻を残して死ねない」という気持ちが大きいように思う。

長年連れ添った夫婦にしかわからない思いかもしれない。