ブッシュさんとすれば、残り任期2年以内で、自分で始めたイラク戦争をなんとか自分流に解決したかったはずだったが、どうもうまくいかない。ばかりか、アメリカのマスコミは、これはもはや内戦だ、と一斉に言い始めている、といった状況下での会談となったが、その前々日だったか、大統領補佐官のひとりが、マリキなんか役に立たない、とかなんとか「失言」したというニュースが出回っていたこともあって、大統領も首相も会談の最初から冷たい「壁=不信感の壁」が出来ていた、という。
それでもブッシュさんは米軍のイラクからの撤退については、ひと言も口に出さなかった(出せなかった?)そうだから、ここは当分アメリカの兵隊さんには頑張って(我慢して)いただくしかなさそうだ。
そういえば支援軍だった韓国軍も来年末までには全員撤退を決めた。すでに撤退した日本は、いまはイラク戦争どこ吹く風、とばかりに、国会でも政府の閣僚の間でも話題に上らなくなった。いや、そうじゃないか・・・。防衛庁の「省」への格上げがある。それには「泥沼イラク」を印象づけない、関係づけないことが大事だ、とばかりに、あえてイラク戦争には触れていないのかも知れない。
ともあれ、イラク離れが急速に高まるアメリカ世論の前で、引き潮のごときブッシュ政権が、どうイラクを収めるのか、一方で、イギリスとともに外国メディアから「ポチ」と揶揄されながらも、蜜月時代を築いてきた日本が、ここぞとばかりに防衛庁から防衛省への格上げを図る。このふたつの国で「今」起きている現象は、これからを考えるときに、極めて象徴的な「今」になるかも知れない、と思う。
ひとつは、民主主義の原点に戻る、という反作用として。もうひとつは、いつか来た道に戻る、という作用として。
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