イラクにおける昨日10日現在の死者数は、アメリカ兵3774人。戦争開始以来1637日、一日の死者数の平均は2.49人。三日で5人が殺されている計算になる。
イラク市民の死は、7万1510人から7万8081人と数には正確さを欠くが、一日に平均44人から48人が殺されるという深刻さだ。
日本の日常からはイラクでの死者に思いを馳せることはなかなか難しい。しかしこれが現実なのだ。国会では〈テロ特措法〉延長が厳しいと見るや、安倍政権は新法を提案し、なんとしても可決しようとの流れにある。何のための支援なのか、はっきりさせないまま反テロ、同盟維持といった情緒の中でことが進む。
ニューヨークでは、6年前の今日、救助に向かった消防士や警察官、そればかりかボランティアの市民の間に、得体の知れない病気が蔓延している。多くは、あの日に粉塵を浴びたり吸い込んだりした人々だ。背景には、事件の翌日には早々とNY市当局が出した「安全宣言」がある。被害からの復旧を急ぐ余り、空中に舞う粉塵の十分な検査や調査をしないまま済ませてしまったツケが、英雄とされた人々の体に、いまになって「症状」として出てきたのだ。
NYでは「911」の風化は激しい。アメリカがそうならば、他の国はいうまでもない。その忘れっぽさが、また事件を引き起こす。
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