Re-Set by yoshioka ko

■その人物の研究 その4

 昨日当欄でも書いた通り、遠藤武彦農水大臣は結局は辞任を余儀なくされた。どうにもなるまい。次いで、坂本由紀子外務政務官も自身の政治資金報告書に領収書を二重計上していたことで、同様に辞任した。自民党体質(と断言できるかどうかは不確かだが)ここに極まれり、ということか(いやもっと内情が浮上するだろうな、きっと)。

《以下引用》
 「遠藤武彦農相(68)=衆院山形2区=は三日午前、自身が組合長理事を務める農業共済組合が共済掛け金を国から不正受給していた問題の責任を取り、首相官邸で安倍晋三首相に辞表を提出、受理された。安倍内閣での閣僚交代は五人目。後任には若林正俊前環境相が決まった。また、政党支部の政治資金報告書に領収書を二重計上していた坂本由紀子外務政務官(58)=参院静岡選挙区=も同日午前、引責辞任した。参院選惨敗から態勢立て直しを図った内閣改造後、わずか一週間で閣僚、政務官の交代劇。野党は十日召集の臨時国会で、首相の任命責任を厳しく追及する方針で、安倍政権は厳しい局面に突入することになる」(9月3日『東京新聞』)《引用ここまで》

 これで政権投げだし、解散総選挙の2歩手前ぐらいまで来たのではないか。安倍さんという人はとことん「自民党をぶっ壊す」つもりらしい。それはそれで戦後一貫して政権を担ってきた結果、溜まりに溜まったその膿を、自身が辞めないことで出し切る覚悟をしたのかも知れない。とすれば「自民党をぶっ壊す」といった前首相の後を引き継いだとも言える。

 だが、言うまでもなく、そんな利発な話ではない。今回は臨時国会の開会前という早いタイミングで辞職を認めたことで、事後的な危機管理能力は発揮されたとはいえ、問題は、こういう人物の「事前鑑定」を間違えたと言うことだ。予防的危機管理のなさを見せつけた、ということだ。

 これは尾を引く、と見る。安倍さんを同情的に見る見方もあるが、そもそもは参議院選挙での世論に逆らってまでその座に着くと言明したのだから、同情論は成立しない。世論の厳しさを身を持って感じながら政権の延命に出た以上は、自身が世論以上の厳しさを持って政治家の倫理や人事、政策、国会運営に臨まなければ、立つ瀬がないはずだ。それがまたまた「政治とカネ」という初歩の部分でほころびを見せたのだから、尾を引く、つまり政権の投げだし、解散総選挙に一歩も二歩も近づいたということだ。

 安倍内閣における人心はいまどこにあるのだろうか?ひとりひとりの閣僚は、来るべき国会で追及されないかどうか、その点検で、肝心の政策どころではないのではないか。明日も、そして明後日も、新聞の見出しが不安で仕方がない心境だと推測する。民心は離れるばかりだ。

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