この町は、いま町議選のまっただ中にあるらしい。ラーメン屋の女将と客の話題はそれだった。店に面した通りを遊説カーがやってくるかどうかといった他愛ない話から始まったが、客が「3人から頼む、っていわれてるんだよ」といった話を切り出すと、「いくらだい?」と女将が聞き返す。「一万というところじゃねえかい」と客。?。これって買収の話?。で、私はちょっと真剣に耳を傾けた。「票はひとつしかねえし、みんなから貰うわけにはいかねえしなぁ」「そりゃそうだよ、一万で捕まったんじゃ割りに合わないよ」・・・。
平成の大合併に揺れる地方はいま、首長選から議員選まで選挙の花盛りである。佐久穂町の町長選では、投票や投票のとりまとめをしたとして、実際にお金がばらまかれ、町長候補と家族、それに選対の会計責任者らが逮捕された。買収に使ったお金は数十万円だったらしい。佐久市の選挙でも、お金の話が流れた。
日本の風土はまだ改善されていない。旧態依然のなかにある。候補者の意思もそうだが、有権者も、どこかそういうものだ、と思ってしまっている節もある。
そもそもが、選挙に金がかかりすぎるのではないか。例えば、選挙期間中の「炊き出し」という習慣も、だいぶ改善されてはきた、が、無駄なお金の使い方、の部類にまだ入るのではないか、と思う。酒を振る舞うことはもはやないにしても、あっちの選対ではこんなご馳走まででるそうな、となれば、勝つためにはこっちの選対も、ということになる。すべては「勝つ」ことのために始まる浪費なのだが、それがなかなか止められない。
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