長々と語るようなネタでもないんだけど、何か自分の思いを吐露しておきたい、そんな些細な事。ゴールドアックスが12月15日の中山での出走を最後に引退した。
小さい馬でね…母ビキニブロンドの初子だって事もあったんだろうな。でもオルフェーヴル×キングカメハメハなんて、自分にしては凄い良血馬への出資だったよ。実際募集価格も近年の出資馬の中では高い方だったんだ。なんか感じるものがあって期待していたんだよね。
デビュー戦は三歳になってから、冬の東京1800。ヤネは後々「勝てない」事がネタになった(苦笑)ブロンデル騎手だった。といっても当時は未だそんな事気にならなかったけどね。前々からの競馬で先々に明るいイメージを持たせてくれる5着だった。当時の馬体重は418kg、当然小さいなと思ったけど、遅生まれ(なんと5/29!!)だしそのうち大きくなるさとたかを括っていたなぁ(苦笑)
その後、走れど走れど…。デビュー戦から参戦連続勝馬からは1秒前後離され、馬体重もなかなか増えず…。でもさ、ちっちゃいゴールドアックスが走っている姿は応援したくなるんだわ(苦笑)そりゃメロディーレーン程ではないんだけど、420kg前後では周囲より一回り小さく見えるんだ。そんなゴールドアックスが一所懸命走ってくれるんだからなんとなく許せてしまう部分もあったんだよね。二戦目に杉原が乗ってくれた時は、通算100勝が掛かっていてね。ゴールドアックスで決めさせてやろうなんて壮大なことを考えていたさ♪そしたらね、よくよく確認したら杉原がその時点(4月)でまだこの年未勝利という(苦笑)今にして思えばどうしてそんな壮大な妄想を抱けたのか不思議で堪らない。その時は8着で勝ち馬から0.9秒差。実は負けた中では勝馬に一番離されなかったレースなんだわ。多分ね、レース後は「けっ、今年未勝利のヤネとか縁起が悪いんだよ」とか悪態ついたんだけどさ、ごめんね杉原、よくやってくれたよ(苦笑)
そして運命の4戦目、デビュー3戦芝で走って来たゴールドアックスはここで目先を変えてダートに矛先を向けてきた。…ちっちゃいからさ、ダートどうなの?って思ってね…。当日はなんと414kgだよ、なんてちっちゃい男の子なんだ…。飼い主(俺)は184cm&危うく100kgの大男なのに…。しかもしかも、当日はバケツをひっくり返したような雨でズブズブの不良馬場…。なんかもう夢も希望もレース前から断ち切られた気分…。前走津村が乗ってくれていたのに今回は木幡の三男坊(育也君)と明らかな鞍上弱化(失礼)。「こりゃ無事に回ってきてくれたらいいなぁ」なんて、もはや菩薩な心境…。外枠から五分のスタートを切った育也&ゴールドアックスは鞭を入れて先団に取りついていく。「おぉ、悪くないぞ育也♪」と思いながら道中を眺める。これだけ悪い条件揃ったら前々でやれるだけのことやるしかないもんな。道中は2-3番手の外で進めていく。そもそも前が捕まえられるのか。後ろから有力馬が来るんだろうよ…。さっきまで菩薩だったのに気が気ではない(苦笑)前走乗ってくれていた津村は一番人気のマイティウェイに乗ってゴールドアックスのすぐそばを走っているんだけど、3角の辺りから後退していく!「ふんだっ!津村め!ゴールドアックスをフるからそういうことになるんだ!」…もはや菩薩でもなんでもない(苦笑)4角手前、前の二頭の手応えが宜しくない。こりゃ前は飲み込めそうだ♪と思ったら今度は後ろから二頭来ている。マーベラスアゲインとコットンスノーだ!いや違う!皇成とミルコだ!!(涙)何も君達みたいなリーディング上位の一流ジョッキーが減量の育也君を目標にすることないじゃんか!血も涙もない!!(涙)…先行勢を飲み込んで押し切りを図ろうとする育也君&ゴールドアックス。そこにドンピシャのタイミングで襲い掛かる皇成とミルコ…。「あぁ、よくやったよ、前々につけたファインプレーだったね育也君。後は3着に粘れれば応援馬券の複勝があたるんだけどなぁ」なんていっきに菩薩に逆戻りしながら直線を眺めていると…。なんと!一旦詰まった皇成&ミルコとの差が広がる!!ゴールドアックスの手応えが一番良い!!??そこからまた菩薩→馬券オヤジにシフトチェンジ(笑)をしてテレビ画面を観ながら大絶叫(苦笑)最後は皇成対ミルコの激しい二着争いしり目に1・3/4馬身差で一着ゴール♪♪6番人気での激勝劇♪複勝は550円もついた♪♪ダートが良かったのか不良馬場が良かったのか、雨が良かったのか、育也君が良かったのか…。この条件じゃないと走らないんだとしたら…。登録したこの日に不良馬場になってくれて、尚且つ決め打ちで先団に取りついた積極騎乗で…。こりゃ奇跡だなぁ。6番人気なんて逆に背負ったくらいだよ。レース後はまた菩薩になっていろいろと考えていた。もしかしたらゴールドアックスの一生分の運は今日使い果たしたのかもなぁ…なんて。
その後、四戦1勝クラスを走り続けゴールドアックスは中央競馬を後にすることになった。途中、小林君のJRA初勝利の為に一生懸命走り、最後はまた芝に矛先を向け、新たな可能性を求めたものの、大きな成果は得られなかった。ただ、1勝クラスに上がってすぐは3.3秒差、2.7秒差と厳しいレース続いたけど、その後の二戦はまた1秒前後の着差まで詰められるようになっていた。未勝利の時もその程度だったんだし、これならまた条件が揃えば勝ち上がれる可能性もあるなぁなんて思っていたけど、ついぞその時はこのかったね。やっぱあの日の勝利は一生分の運を使い果たしたモノだったのかもしれない。JRAで勝ち上がるなんてそれはそれは立派な戦績だよ。最終的に大きくはなれなかったけど、その成長はこれから新しくお世話になる競馬場の調教師に良くしてもらえ。オルフェーブル×キングカメハメハなんて派手な血統を背負っているんだから、もしかしたらまだまだその続きはあるかもしれないぞ。ただ、とりあえず俺の養育者としての時間は終わったみたいだ。浦和にいくみたいだと風のうわさで聞いたよ。小回りのダートまでは条件が揃ったから、後はゴールドアックスが走る時には大雨が降る様に祈るだけかな。