日本の詩は古来から「五七五」のリズムが尊重され、それは日本語の特殊性から来ています。
日本語は全ての文字に母音が含まれ、こうした言語はチベット語とバプア語しか他に無いとても珍しいモノです。
子音の文字が無いというのは、発音が簡単でハッキリし、通じ易い利点があります。
日本語は話し言葉としては最も容易な部類に入りますが、書き言葉では一転して世界一難解で複雑な言語と言えます。
それは日本語が漢字とカタカナ英語とひらがなのミックスだからで、これほど多様性と柔軟性に富んだ言語は他に無く、その複雑さ故に世界一文芸が発達したと言えます。
詩については、近代に入ってから西洋のスタイルも取り入れられましたが、これは子音の韻などを重宝するモノで、日本語の特性とはマッチしていません。
自由詩は私にはただ長ったらしいだけに感じられ、詩的な高揚感がボケてしまってると思われます。
詩の良さは短くて暗唱できる点だと思い、「五七五」のリズムによって唱え易く、覚え易くなります。
なので私は字余りを好まず、文字数を揃えるのは日本語の多様性と柔軟性を追究するコトに通ずると思います。
さて、前置きは以上として詩に入ろうと思うのですが、今回は詩のテーマを決める処までとします。
古来から和歌ではモッパラ「四季の自然」をテーマにして来ましたが、これはもう既に無数の詩が詠まれたので、オリジナリティを発揮するのは難しいでしょう。
だからと言って、あまり目新しい人工的なモノをテーマとするのは雅趣に欠けるので、やはり自然のモノを詠むべきでしょう。
そこでまだ話し足りない処が多々ある、平安の時代から詠まれて来た実に風雅な「草」をテーマに詩を詠んでみようと思います…